アフリカでは2010年に1億3,000万人いた高血圧の成人患者さんが、2030年には2億1,680万人にまで増加すると予測されています1。 しかしながら、患者数がこれだけ多いにもかかわらず、高血圧の診断や治療が適切に行われておらず、心臓発作や脳卒中などの心血管合併症のリスクにさらされ、アフリカでは毎年、何百万人もの命が失われています2。
疾患認知と早期発見が健康状態を改善し、個人やコミュニティ全体に大きな恩恵をもたらすと考えられることから、アストラゼネカはケニア保健省とのパートナーシップにより、2014年にHealthy Heart Africaを立ち上げました。
Healthy Heart Africaは、高血圧に対する認知向上、検査を受ける機会を提供、早期診断を促進し、リスクのある人々を確実に治療につなげることを目的としています。現在20年目に入ったこのプログラムは、各国政府やNGO、そして、プログラム実施パートナーであるPATH、African Christian Health Association Platform(ACHAP)をはじめとする多くの団体と協力しながら、9カ国で展開しています。このプログラムは、個々の患者さんの治療アウトカム改善だけでなく、最も効果が期待できる治療プロトコルの策定や各国の保健医療システムの強化にも貢献しています。
Healthy Heart Africaは、高血圧の活動プログラムとしての基盤と実績から、2024年5月には慢性腎臓病の予防と早期発見を含めるかたちで、その活動範囲を拡大しました。このような活動の進展は、これらの健康課題が相互に関連していること、気候変動によってこれら疾患の関連リスクがさらに悪化するといった新たな課題があることが背景となっています3。
さらに対象疾患の拡大は、人々、社会、地球のウェルビーイング向上に注力するアストラゼネカの姿勢を反映したものであり、また、ペイシェントジャーニー全体における医療格差を埋めるべく、政府や地域の医療サービスと協力していくという当社のコミットメントを表しています。
協働することで、検査を充実させ、エビデンスに基づく質の高い治療へのアクセスを向上させるとともに、地域社会への啓発や健康的なライフスタイルの重要性を強調することで、より多くの人々の健康状態の改善が促進することができます。
このプログラムは、診断の遅れや重症化してからの医療がもたらす社会的・経済的影響を緩和することで、保健医療システムの強靭性をサポートします。例えば、慢性腎臓病が進行した患者さんは定期的な透析療法を必要とする場合がありますが、この治療は保健医療システムにとってコストがかかるうえ、大量の水や電力を必要とすることから気候に悪影響を及ぼしますし、何よりも患者さんにさらなる負担を強いるものです。
早期に慢性腎臓病と診断できれば、患者さんに健康を管理するための生活習慣に関するアドバイスを提供したり、必要に応じて薬を処方したりすることができます。そうすることで、患者さんは日常生活を活発に過ごすことができ、また、診断遅れによる「緊急医療」の金銭的な負担、そして気候への影響を回避することができます。
Healthy Heart Africaは、その中核となる取り組みに加え、より広範に影響範囲を拡大し、持続可能性を確保しながら、患者さんへの支援をさらに拡大するための活動を模索しています。
健康の公平性を向上させ、保健医療システムの強靭性を強化することで、アフリカ全土の何百万人もの人々にとって有益でより健康かつ公平なアフリカを実現するべく、持続的な変化を生み出すよう努めています。
アストラゼネカのミッション(サイエンスの限界に挑戦し、患者さんの人生を変える医薬品を届ける)を達成するうえで、患者さんの治療アウトカムの向上や、非感染性疾患に対する保健医療システムの強靭性のサポート、地域社会を強化というAmbitionを共有する国内外のパートナーは欠かせない存在です。当社は、Population Service International (PSI)、Uganda Protestant Medical Bureau (UPMB)、PATHなどのNGOと協力し、現地での活動支援やアフリカ各国の保健省と連携して、患者さんがシームレスに治療を受けられる体制づくりを推進しています。医療格差が存在する場合には、格差を解消しながら、長期的な体制強化を実現するべく支援を行っています
相互に結びついた世界に目を向けることで、私たちの健康に大きな変化をもたらす機会を生み出します。
人々や社会の健康は、地球の健康と深く結びついています。高齢化、慢性疾患の増加、気候危機の影響により、健康格差が拡大し、世界中の保健医療システムにさらなる負荷が加わっています。私たちは、より公平で持続可能かつレジリエントな医療を提供しなければなりません。
アストラゼネカがパートナーとの協業を通じてどのように保健医療システムの強化や、気候変動による健康への影響に取り組みながら世界中の人々のために活動しているかについては、当社のサステナビリティ・インパクト・レポート(英語のみ)をご覧ください。
同じカテゴリの記事を読む
Reference:
- Adeloye D, Basquill C. Estimating the prevalence and awareness rates of hypertension in Africa: a systematic analysis. PLoS One. 2014 Aug 4;9(8):e104300. doi: 10.1371/journal.pone.0104300. PMID: 25090232; PMCID: PMC4121276
- Hypertension. World Health Organization. Available from: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hypertension Accessed October 2024.
- Jacobsen AP, et al. Climate change and the prevention of cardiovascular disease. American Journal of Preventive Cardiology 2022;12:100391. doi: 10.1016/j.ajpc.2022.100391. PMID: 36164332; PMCID: PMC9508346.