日本発のイノベーションを世界へ
-スタートアップ3社がAZの本拠地・英国を訪問-

アストラゼネカはサイエンス志向のバイオ医薬品企業であり、革新的な技術で患者さんの健康と医療の発展へ貢献すべく活動しています。その実現のためには自社だけでなく、スタートアップ、大学、医療機関、自治体など、多様なパートナーとの連携が欠かせないと私たちは考えています。

このことから、当社は “日本発のイノベーションを世界へ(From Japan to Global)”の視点のもとで、ヘルスケア・オープンイノベーション・ネットワーク「i2.JP」の活動を中心として、ライフサイエンス領域における日本の優れた技術の発掘や世界への飛躍を後押しすべく、さまざまな取り組みを進めています。

2026年9月には、大阪府が主催するライフサイエンス分野のスタートアップの英国展開を支援する『NQヘルスアクセラレータープログラム』において選抜されたスタートアップ企業の3社を、当社英国のグローバル本社で実施したメンタリングプログラムにお招きしました。

今回は、i2.JPを運営し、本プログラムの共同企業体の一員として当社から運営に携わる2人の担当者に、当社がスタートアップ企業をサポートする目的、今回のメンタリングプログラムの背景、今後のスタートアップ企業への期待や当社の展望などについて聞きました。

アストラゼネカ株式会社がスタートアップ企業の育成や海外展開のサポートに取り組む理由を教えてください。

日本には、世界の医療やヘルスケアの発展に貢献し得る、優れた技術やアイディアが数多くあります。一方で、それらを患者さんや社会に届けるまでには、研究開発だけでなく、臨床開発、規制、市場へのアクセス、資金調達、パートナーシップ構築など、さまざまな課題があります。
アストラゼネカは、グローバルな知見やネットワークを生かし、スタートアップ企業の技術を、患者さんや社会に届けるための事業化や海外展開をサポートしています。

『NQヘルスアクセラレータープログラム』の概要とアストラゼネカ株式会社の協業について教えてください。

本プログラムは、未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross」を核として大阪府が進める「NQ Global Startup Gateway」事業の一環であり、ライフサイエンス・ヘルスケア分野のスタートアップ企業が、特に英国を視野に、グローバルな事業戦略や海外展開の足掛かりとなるネットワーク構築を目指す取り組みです。
プログラムでは、国際展開に必要な知識やスキルを学ぶ教育、各社事業課題に応じたメンタリング、海外エコシステムとの接点をつくるイマージョンプログラムを組み合わせ、スタートアップの成長段階やニーズに応じた支援を行っています。当社はNQ Global Startup Gateway共同企業体の一員として、本プログラムの運営に参画しており、i2.JPを通じて培ってきた国内外のネットワークや、ライフサイエンス領域における知見なども活用して、スタートアップ企業の選定、メンタリング、プログラム構築などを進めています。

NQヘルスアクセラレータープログラムにアストラゼネカが参画した背景について教えてください。

英国は、大学、研究機関、医療機関、企業、投資家が集積し、相互に連携する世界有数のライフサイエンスのエコシステムを形成しています。当社も、グローバル本社および研究開発拠点のひとつをケンブリッジに構え、現地のエコシステムの発展を支える重要な一員として活動しています。
一方、アストラゼネカ株式会社は大阪に本社を置き、関西のライフサイエンス・エコシステムとも長年にわたり深くかかわっています。また、「i2.JP」を通じ、日本国内のスタートアップ、大学、医療機関、行政機関などをつなぐ活動にも取り組んでいます。
今回のプログラムには、大阪府が進める“未来医療スタートアップの国際展開支援”の目的に共感するとともに、私たちだからこそできる“大阪とケンブリッジをつなぐ”役割を果たしたいという思いから参画しました。日本発の優れた技術が世界で活躍するための機会を創出し、両地域のエコシステムの連携強化に貢献したいと考えています。

英国では、どのようなプログラムを実施したのですか。

2026年5月に開催された『Nakanoshima Qross Innovation Challenge』において、16社の参加企業から、クオリプス株式会社、フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社、リンクメッド株式会社の3社が、次のフェーズに進む企業として選抜されました。
選抜された3社には、各社の戦略課題に応じたエグゼクティブ・メンタリングが実施され、2026年9月14日から18日まで、英国のライフサイエンス・エコシステムを実際に訪問し、現地の専門家や企業、研究機関などとの対話を通じて、現地の展開に向けた新たな知見やネットワークを得ることを目指しました。滞在初日には、研究開発環境を紹介するオフィスツアーに加え、当社のスタートアップ企業へのサポートの取り組みについての紹介、参加スタートアップ3社によるプレゼンテーション、質疑応答、メンタリングセッションを実施しました。
メンタリングセッションには、創薬研究、技術評価、事業開発、提携・アライアンスなどの分野に携わる、英国本社の専門家が参加しました。3社は、自社の科学技術や事業計画を説明するとともに、海外展開に向けた課題や可能性について意見を交わしました。
また、ケンブリッジのバイオメディカル・キャンパスを訪問する機会も設け、研究機関、医療機関、企業が連携する現地エコシステムへの理解を深めました。
なお、その後の英国滞在期間中には、メドテック・アクチュエーターが中心となり、現地パートナーとともに、参加企業ごとの事業領域や課題に応じた面談や視察が実施されました。

今回のプログラムを通じて、3社にどのような新たな気づきや変化が生まれることを期待していますか。

最も期待しているのは、各社が自社の技術をグローバルな視点から捉え、今後の戦略に生かしていっていただくことです。
今回の滞在における、現地の研究者、医療関係者、企業、投資家、規制当局などとの対話を通じて、自社技術の新たな可能性だけでなく、海外展開のために今後検討すべき課題も明確にされたと考えています。
現地で得たフィードバックやネットワークを一過性の経験で終わらせることなく、事業戦略の見直し、パートナー候補との継続的な対話、将来的な連携の検討など、具体的な一歩につながることを期待しています。

今回のプログラムを契機に、今後、スタートアップ企業や日本と英国のライフサイエンス・エコシステムにどのような価値を生み出していきたいですか。

今回の取り組みを、単発のものではなく、日本と英国の継続的な連携の出発点にしたいと考えています。
日本には、独創的な科学技術や医療現場の課題から生まれた優れたイノベーションがあります。一方、英国には、研究、臨床、投資、規制、事業化をつなぐ世界有数のライフサイエンス・エコシステムがあり、多くの革新的な技術が社会実装されてきました。
また、日本と英国はともに公的医療保険制度を基盤としており、エビデンスに基づく医療や医療経済性を重視する点など、共通する要素があります。そのため、日本で生まれた技術やソリューションが英国市場に適応できる可能性も大いにあり、英国はグローバル展開を今後目指す日本のスタートアップにとって重要なパートナーになり得ると当社は考えています。
私たちは今回の取り組みを通じて、日本のスタートアップが英国の研究機関や医療機関、企業、投資家との関係を構築し、将来的な事業化や国際連携につなげていくことを期待しています。同時に、英国の関係者にも日本の優れた科学技術やライフサイエンス・エコシステムへの理解を深めてもらい、双方が学び合い、連携できる関係を築いていきたいと考えています。

日本発の優れた科学技術を世界の社会課題解決につなげるにあたり、アストラゼネカだからこそ提供できることとは何だと考えますか。

当社は、グローバルに研究開発を行うサイエンス志向のバイオ医薬品企業として、研究開発から臨床、規制対応、事業開発、パートナーシップなど、イノベーションの社会実装に関して専門性を持つ人材、幅広い知見、そしてネットワークを有しています。これらの強みを最大限に生かし、スタートアップ企業の技術や事業課題に応じて適切な専門家やエコシステム関係者との接点をつくり、科学的な可能性と事業化への道筋を多面的に検討できる機会を提供することが、私たちだからこそできることと考えています。

アストラゼネカ株式会社では、スタートアップ企業、大学、医療機関、自治体、投資家などをつなぐ、ヘルスケア・オープンイノベーション・エコシステムである「i2.JP」の活動を中心に、適切なパートナーとつなぎ、新たなコラボレーションの創出の一環として、スタートアップ企業の事業化や、海外展開をサポートする活動にも積極的に取り組んでいます。今後も、多様なパートナーとの競創を通じて、日本のライフサイエンス・エコシステムと世界をつなぎ、サイエンスの可能性を患者さんと社会への価値につなげる取り組みを進めていきます。


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