アストラゼネカ、肺がん治療における化学放射線療法後の選択肢拡大に向けた、タグリッソおよびイミフィンジの新たな承認申請を実施

肺がん領域のパイオニアとして、治療における包括的なアプローチをさらに加速

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)およびイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)、以下、イミフィンジ)の単剤療法について、肺がん治療における化学放射線療法後の治療選択肢拡大に向けて、新たな承認申請をいたしましたのでお知らせいたします。

タグリッソは、第Ⅲ相LAURA試験の結果に基づき、2024年6月末にエクソン19欠失型またはエクソン21(L858R)点突然変異が確認された切除不能なステージIIIの上皮成長因子受容体遺伝子変異(EGFRm)を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、根治的化学放射線療法後の治療薬としての承認申請を行いました。

肺がん患者さんの約80~85%がNSCLCと診断され、日本を含むアジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています1-5。また、NSCLC患者さんの6人に1人以上は切除不能なステージIIIと診断されていますが6、本邦において本適応症に対して承認された分子標的治療薬はありません。

タグリッソに関する本申請の根拠となった第Ⅲ相LAURA試験の最新データは、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されており、タグリッソはプラセボと比較して病勢進行または死亡のリスクを84%低減させ(ハザード比[HR]0.16;95%信頼区間[CI]0.10-0.24; p<0.001)、無増悪生存期間(PFS)中央値は、プラセボ群で5.6カ月、タグリッソ群では39.1カ月でした。なお、性別、人種、EGFR遺伝子変異の種類、年齢、喫煙歴、および化学放射線療法 (CRT)の順序など、事前に規定し解析された全サブグループにおいて、一貫したPFSの延長がみられました。

イミフィンジは、第Ⅲ相ADRIATIC試験の結果に基づき、2024年7月末に根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められない限局型小細胞肺がん(LS-SCLC)に対する単剤療法として承認申請を行いました。なお、本適応症に対するイミフィンジ単剤療法は、2024年6月に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。

小細胞肺がん(SCLC)は肺がんの中でも悪性度が高い病態であり、LS-SCLC患者さんにおいては、標準治療であるCRTを行い治療初期に奏効しても、約60%の患者さんが2年以内に再発すると報告されています7。LS-SCLCの予後は不良で、診断後の5年生存率はわずか15~30%です8-10。LS-SCLCに対する標準治療はこの数十年変わっておらず、新たな治療選択肢が望まれています。

イミフィンジに関する本申請の根拠となった第Ⅲ相ADRIATIC試験の最新データは、2024年のASCOにおいて発表されており、イミフィンジは、プラセボに対して死亡リスクを27%低下させたことが示され(全生存期間[OS] HR 0.73;95% CI 0.57~0.93;p=0.0104)、OSの推定中央値はプラセボ群で33.4カ月、イミフィンジ群は55.9カ月でした。3年生存率は、プラセボ群の推定48%に対し、イミフィンジ群は57%でした。また、イミフィンジ群では病勢進行または死亡のリスクがプラセボと比較して24%低下し(PFS HR 0.76;95%CI 0.61~0.95;p=0.0161)、PFS中央値は、プラセボ群で9.2カ月、イミフィンジ群は16.6カ月でした。2年後に病勢進行を認めなかった患者さんの割合は、プラセボ群の推定34%に対し、イミフィンジ群では46%でした。

アストラゼネカ 執行役員 研究開発本部長の大津 智子は、次のように述べています。「肺がんは当社オンコロジー領域における注力疾患であり、複数の肺がんタイプ、ステージにわたって治療選択肢を提供するべく、開発に取り組んでいます。タグリッソおよびイミフィンジに関するこれら2つの承認申請によって、肺がん患者さんの根治的化学放射線療法後の治療選択肢の拡充に貢献できることを期待しております」。

アストラゼネカは、1日も早くこれらの治療選択肢をお届けできるよう、規制当局と緊密に連携してまいります。

以上

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LAURA試験について
LAURA試験は、白金製剤ベースの根治的化学放射線療法後に病勢が進行しなかった、切除不能なステージIIIのEGFRm NSCLC患者さんを対象とした、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、国際共同第Ⅲ相試験です。対象患者さんには、病勢進行、許容できない毒性、またはその他の中止基準を満たすまで、タグリッソ80mgが1日1回経口錠剤で投与されました。病勢進行時には、プラセボ群の患者さんにもタグリッソの投与が認められました。

本試験には、米国、欧州、南米、アジアを含む15カ国以上の145以上の施設で216名の患者さんが登録されました。主要評価項目はPFSです。本試験は現在も進行中であり、副次評価項目であるOSを引き続き評価する予定です。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中で80万人以上の患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm NSCLCの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。

EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がんと、第Ⅲ相FLAURA試験および第Ⅲ相FLAURA2試験における進行期肺がんの両方で患者さんの予後を改善させた唯一の分子標的治療薬です。

当社はまた、切除可能なIA2~IA3期に対する術後補助療法(ADAURA2試験)および切除可能なII~IIIB期に対する術前補助療法(NeoADAURA試験)においても、第Ⅲ相試験を実施中です。
また、経口投与の強力かつ選択性の高いMET 阻害剤であるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅱ相SAVANNAH試験、第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらには他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

※切除可能なIA2~IA3期に対する術後補助療法(ADAURA2試験)および、切除可能なII~IIIB期に対する術前補助療法(NeoADAURA試験)、savolitinibは本邦未承認です。

小細胞肺がんについて
肺がんは男女ともにがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています11。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます12。LS-SCLC(ステージI~III)はSCLCに分類され、一般に片側の肺または胸部のみに認められます13。LS-SCLCはSCLC診断の約30%を占め、標準治療である化学放射線療法(CRT)による治癒目的の治療を行っても、予後は依然として不良です14

ADRIATIC試験について
ADRIATIC試験は、無作為化二重盲検多施設国際共同第Ⅲ相プラセボ対照試験であり、同時化学放射線療法(cCRT)後に増悪しなかったLS-SCLC患者さん730人の治療において、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジとイジュド®(一般名:トレメリムマブ(遺伝子組換え))の併用療法とプラセボを比較評価しています。単剤投与群では、患者さんは4週間ごとにイミフィンジ1,500mgの固定用量またはプラゼボを最長24カ月間の投与、イミフィンジとイジュドを併用する群は4週間おきにイジュド75mgまたはプラゼボを最長で4サイクルまでの投与を受けるように無作為化されました。

2つの主要評価項目は、イミフィンジ単剤療法のプラセボに対するPFSおよびOSです。重要な副次評価項目には、イミフィンジとイジュド併用療法のプラセボに対するOSおよびPFS、安全性並びにQOL指標が含まれました。この試験は、北米、南米、ヨーロッパおよびアジアの19の国と地域、179の施設で実施されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え))はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、現在、複数の種類の肺がんに対して、多くの国々で承認されています。イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、進展型SCLC(ES-SCLC)の治療薬としても承認されており、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法として承認されています。

肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、切除不能な肝細胞がん(HCC)における単剤療法およびイジュドとの併用療法が承認されています。また、米国では、ミスマッチ修復機能欠損を有する原発性進行・再発子宮体がんに対し、イミフィンジと化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)の併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。

肝がんおよび肺がんにおけるイミフィンジとの併用療法で承認された適応に加えて、イジュドとイミフィンジの併用療法が、局所HCC(EMERALD‐3試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)などの様々ながん種で検討されています。

※局所HCC(EMERALD‐3試験)および膀胱がん(VOLGA試験およびNILE試験)に対するイジュドとイミフィンジの併用療法は本邦未承認です。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意義のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.JapanとインスタグラムAstraZeneca / アストラゼネカもフォローしてご覧ください。

References

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  5. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in 11. Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12. 
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  14. Senan S, et al. ADRIATIC: A phase III trial of durvalumab ± tremelimumab after concurrent chemoradiation for patients with limited stage small cell lung cancer. Ann Oncol. 2019;30(suppl. 2):ii25.

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