本資料はアストラゼネカ英国本社が2023年9月11日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
タグリッソと化学療法との併用療法は、ファーストラインとして標準治療である
タグリッソ単剤療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを38%減少させた
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相FLAURA2試験の良好な結果概要を発表しました。局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象にした本試験において、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)と化学療法との併用療法は、タグリッソ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
これらの結果は、9月11日に、2023年国際肺癌学会(IASLC)の世界肺がん会議(WCLC)における、プレジデンシャルシンポジウムにて発表されました(抄録#PL03.13)。
本試験では、タグリッソと化学療法との併用療法が、タグリッソ単剤療法と比較して、治験担当医師による評価では病勢進行または死亡リスクを38%低下させ(ハザード比[HR]0.62;95%信頼区間[CI]0.49-0.79; p<0.0001)、PFS中央値を8.8カ月延長しました。盲検下での独立中央判定(BICR)によるPFSはこの結果と一貫しており、タグリッソと化学療法との併用療法にてPFS中央値を9.5カ月延長することが示されました([HR]0.62; 95% CI 0.48~0.80; p=0.0002)。さらに性別、人種、EGFR遺伝子変異の種類、診断時の年齢、喫煙歴およびベースライン時の中枢神経系(CNS)転移の状態など、事前に規定したすべてのサブグループで臨床的に意義のあるPFSの有益性が認められました。
今回の解析時点での全生存期間(OS)のデータは、イベント数が不十分ではあったものの、タグリッソと化学療法の併用療法では良好な傾向が観察されました。
Dana-Farber Cancer Instituteの腫瘍内科医でありFLAURA2試験の治験責任医師であるPasi A.Jänne医学博士は次のように述べています。「EGFRm NSCLCの標準治療であるタグリッソに化学療法を追加したことで、EGFRm NSCLC患者さんの病勢進行が認められるまでの期間が9カ月近く延長しました。これはすでにタグリッソ単剤療法で得られている有効性に基づく結果です。今回発表された確信的なデータにより、局所進行または転移性EGFRm NSCLCに対してタグリッソをベースとした2つの有効な治療選択肢として、タグリッソ単剤療法とタグリッソと化学療法の併用療法がまもなく利用できるようになる可能性があります」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「FLAURA2の説得力のある結果は、EGFRm NSCLC治療における標準治療としてのタグリッソを支持する広範なエビデンスを追加し、局所進行または転移性EGFRm NSCLCにおける無増悪生存期間の新たなベンチマークを確立するものです。私たちは、進行肺がん患者さん、特に診断時に中枢神経系転移を有する患者さんを含むアンメットニーズが最も高い患者さんに対して、病勢進行を更に遅延させるために、この病勢進行を更に遅延させる可能性がある治療レジメンを提供できることを期待しています」。
FLAURA2試験結果概要

有害事象(AE)による安全性結果及び中止率は、それぞれの医薬品の確立されたプロファイルと一貫していました。グレード3以上のAEは、タグリッソと化学療法併用群の患者さんの64%に発生したのに対し、タグリッソ単剤療法群では27%でした。
※FLAURA2試験は、本邦においては製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。
以上
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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており1、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます2。世界で肺がんと診断される患者さんは年間220万人と推定され、肺がん患者さんの80~85%が最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています1-3。また、約70%のNSCLC患者さんが進行がんと診断されます4。
欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています5-7。EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります8。
FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与を併用する治療を受けました。
この試験は、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で実施され、557人の患者さんが参加しました。本解析は、主要評価項目であるPFSの解析で、副次評価項目である全生存期間を引き続き評価する予定であり、試験は現在進行中です。
タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中の適応で70万人近い患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm非小細胞肺がんの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。
タグリッソは、EGFRm非小細胞肺がんの早期および進行期の治療における生存改善を示した唯一の標的療法であり、米国、EU、中国および日本を含む100カ国以上で単剤療法として承認されています。タグリッソの単剤療法には、一次治療として局所進行または転移性EGFRm NSCLC(FLAURA試験)、および局所進行または転移性EGFR T790M遺伝子変異陽性NSCLC、加えて早期(IB、IIおよびIIIA)EGFRm NSCLCの術後補助療法として(ADAURA試験)の適応が含まれており、これらの試験において、タグリッソは近年、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOSを示しました。
当社はまた、IA2~IA3期の切除可能な術後補助療法(ADAURA2試験)、およびIII期の局所進行の切除不能な症例(LAURA試験)においても、第Ⅲ相試験にてタグリッソを検討中です。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらに、他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュド®(トレメリムマブ)や第一三共と共同開発を進めているエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)およびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているOrpathys(savolitinib)、多様な作用機序にまたがる新薬候補と併用療法の新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれ、次々とイノベーションを展開しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。
※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
1. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed August 2023.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed August 2023.
3. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
4. Cancer.Net. Lung Cancer - Non-Small Cell: Statistics. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed August 2023.
5. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
6. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal
Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
7. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
8. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.