本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年6月2日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。
第Ⅲ相ADRIATIC試験におけるイミフィンジ群の患者さんの3年生存率は57%
第Ⅲ相ADRIATIC試験の良好な結果において、アストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)が、標準治療の同時化学放射線療法(cCRT)後に進行のない限局型小細胞肺がん(LS-SCLC)患者さんに対し、プラセボと比較して2つの主要評価項目である全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。
これらの結果は、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッション(抄録番号#LBA5)で発表されました。
事前に規定された中間解析の結果では、イミフィンジは、プラセボに対して死亡リスクを27%低下させたことが示されました(OSハザード比 [HR] 0.73;95%信頼区間 [CI]0.57~0.93;p=0.0104)。OSの推定中央値はプラセボ群では33.4カ月であったのに対し、イミフィンジ群では55.9カ月でした。3年生存率は、プラセボ群では推定48%であったのに対し、イミフィンジ群では57%でした。また、イミフィンジ群では病勢進行または死亡のリスクがプラセボと比較して24%低下しました(PFS HR 0.76;95%CI 0.61~0.95;p=0.0161)。PFS中央値は、プラセボ群では9.2カ月であったのに対し、イミフィンジ群では16.6カ月でした。2年後に病勢進行を認めなかった患者さんの割合は、プラセボ群では推定34%であったのに対し、イミフィンジ群では46%でした。
観察されたOSおよびPFSのベネフィットは、年齢、性別、人種、診断時の病期1、放射線治療歴、および予防的全脳照射の有無を含む、事前に規定した主要な患者サブグループ全体でおおむね一致していました。
Sarah Cannon研究所の最高科学責任者であり、本試験の治験責任医師のDavid R. Spigel氏は、次のように述べています。「ADRIATIC試験の結果は、再発率が高く、患者さんの5年生存率がわずか15~30%という非常に悪性度の高い疾患であるLS-SCLCにおける画期的な進歩を表しています。デュルバルマブは、LS-SCLC患者さんの生存率を数十年ぶりに改善させた全身療法であり、この疾患における新たな標準治療となるはずです」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「cCRT後のイミフィンジ投与によって認められたOSの大幅な延長は、LS-SCLCの治療に変革をもたらすものです。これらの素晴しい結果は、早期ステージの肺がんにおける生存率を上げるという我々の願望を強調するものであり、イミフィンジをできるだけ早くLS-SCLC患者さんにお届けできるよう、規制当局と連携できることを心待ちにしています」。
結果概要:ADRIATIC試験

イミフィンジの安全性プロファイルはおおむね管理可能であり、本剤の既知のプロファイルと一貫していました。新たな安全性シグナルは認められませんでした。原因を問わないグレード3および4の有害事象は、イミフィンジ群の24.4%とプラセボ群の24.2%の患者さんで発現が認められました。
以上
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小細胞肺がんについて
肺がんは男女ともにがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています2。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%が非常に悪性度の高い疾患であるSCLCに分類されます3-4。
SCLCと診断される患者さんの約30%を占めるLS-SCLC(ステージI~III)は、一般に片側の肺または胸部のみに認められます5-6。LS-SCLCは通常、標準治療である化学療法と放射線療法に対し最初は奏効するものの、再発し、急速に進行します4,7。診断後の5年生存率はわずか15~30%であり、LS-SCLCの予後は特に不良です8。
ADRIATIC試験について
ADRIATIC試験は、無作為化二重盲検多施設国際共同第Ⅲ相プラセボ対照試験であり、cCRT後に増悪しなかったLS-SCLC患者さん730人の治療において、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジとイジュド(一般名:トレメリムマブ)の併用療法とプラセボとを比較評価しています。投与群では、患者さんが4週間ごとにイジュド75mgとの併用または単剤療法のイミフィンジを1500mgの固定用量でそれぞれ4回までの投薬/サイクルを受け、その後はイミフィンジを4週間ごとに、最長24ヶ月間の投与を受けるように無作為化されました。
2つの主要評価項目は、イミフィンジ単剤療法のプラセボに対するPFSおよびOSでした。重要な副次評価項目には、イミフィンジとイジュド併用療法のプラセボに対するOSおよびPFS、安全性ならびにQOL指標が含まれました。この試験は、北米、南米、ヨーロッパおよびアジアの19カ国、164の施設で実施されました。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、現在、複数の種類の肺がんに対して、多くの国々で承認されています。イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、進展型SCLC(ES-SCLC)の治療薬としても承認されており、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法として承認されています。
イミフィンジは肺がんに加え、局所進行または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法として、多くの国で承認されています。さらにイミフィンジは、切除不能なHCCにおける単剤療法として、日本および欧州で承認されているほか、数カ国では、治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬として承認されています。
2017年5月に初めて国際承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん治療との併用療法においても検討されています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意義のある改善を提供するために取り組んでいます。
アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできるIOベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
- American Joint Committee on Cancer disease stage.
- World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2024.
- LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed May 2024.
- National Cancer Institute. NCI Dictionary - Small Cell Lung Cancer. Available at: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/small-cell-lung-cancer. Accessed May 2024.
- American Cancer Society. Treatment Choices by Stage for Small Cell Lung Cancer. Available at: https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/treating-small-cell/by-stage.html. Accessed May 2024.
- Senan S, et al. ADRIATIC: A phase III trial of durvalumab ± tremelimumab after concurrent chemoradiation for patients with limited stage small cell lung cancer. Ann Oncol. 2019;30(suppl. 2):ii25.
- Qin A, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? J Oncol Pract. 2018;14(6):369-370.
- Bebb DG, et al. Symptoms and Experiences with Small Cell Lung Cancer: A Mixed Methods Study of Patients and Caregivers. Pulm Ther. 2023;9:435-450.