アストラゼネカ株式会社、SGLT2阻害剤フォシーガの慢性腎臓病治療薬としての効能・効果追加を申請

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は、選択的SGLT2阻害剤フォシーガ®(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)について、慢性腎臓病に対する効能・効果の製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたので、お知らせします。

本申請は、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の結果に基づいています。DAPA-CKD試験は、日本人を含む、2型糖尿病合併の有無を問わない慢性腎臓病患者を対象とした、SGLT2阻害剤では初めての腎アウトカム試験です。本試験でフォシーガは、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生による主要複合評価項目の発現リスクを39%低下させました(p<0.0001)。試験の結果は2020年8月に発表され、The New England Journal of Medicineに掲載されました。

慢性腎臓病は、腎機能が低下することにより起こる進行性の疾患で、国内患者数は1,330万人(20歳以上の8人に1人)1と推定されていますが、その多くは未診断の状態にあります。慢性腎臓病は、透析のリスク要因であるだけでなく、心不全をはじめとした心血管疾患の発症リスクを増加させることから、早期の診断および治療により、その進行を抑制することが重要ですが、現在国内で慢性腎臓病を効能・効果として有する薬剤はありません。

なお、現時点で、フォシーガの慢性腎臓病としての効能・効果が承認された国および地域はありません。現在日本で承認されているフォシーガの効能・効果は次の通りです。
• 2型糖尿病
• 1型糖尿病
• 慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者さんに限る。

以上

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慢性腎臓病(CKD)について
CKDは、腎機能が低下することにより起こる重篤な進行性の疾患です。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されます2。CKDを発症するもっとも一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です3。CKDは心血管疾患有病率と高い相関を持ち、心不全や若年死4のような心血管イベント5の発生を増加させます。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります6。CKD患者さんの多くは末期腎不全になる前に心血管系の原因によって死亡しています7

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらない、4,304例の慢性腎臓病患者さん(eGFR25以上75未満、かつ、アルブミン尿の増加が確認された患者さん)を対象とした、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験で、日本を含む21カ国で実施されました。同試験は、フォシーガ10mg1日1回を慢性腎臓病の標準治療に追加投与し、有効性と安全性をプラセボと比較検討しました。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者さんにおける腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義されています。副次的複合評価項目は、 腎機能の悪化(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡のいずれかの発生)、心血管死または心不全による入院、全死亡のいずれかの発生と定義されています。フォシーガはプラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(絶対リスク減少 = 2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成しました。
同試験は当初の想定を上回る結果が出たため、独立データモニタリング委員会の勧告に従い、早期に終了したことを2020年3月に発表しています。また、米国では、同試験の結果に基づき、ブレークスルーセラピーの指定を受けたことを2020年10月に発表しています。

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について
フォシーガは、世界で最初に承認された選択的SGLT2阻害剤です。日本では2014年3月に「2型糖尿病」、2019年3月に「1型糖尿病」、さらに2020年11月には「慢性心不全」の治療薬として承認されました。2型糖尿病治療を目的とする場合は、フォシーガ5mgまたは10mgを1日1回経口投与します。1型糖尿病治療を目的とする場合は、インスリン製剤との併用において、フォシーガ5mgまたは10mgを1日1回経口投与します。慢性心不全治療を目的とする場合は、フォシーガ10mgを1日1回経口投与します。
フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されました。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝疾患について
循環器・腎・代謝疾患は、アストラゼネカの3つの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはwww.astrazeneca.co.jpをご覧ください。

References
1. 日本腎臓病学会 編「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」p.1  https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD2018.pdf (Visited on 12/1/2020)
2. Mallappallil, M., Friedman, E. A., Delano, B. G., McFarlane, S. I., & Salifu, M. O. (2014). Chronic kidney disease in the elderly: evaluation and management. Clinical practice (London, England), 11(5), 525–535. doi:10.2217/cpr.14.46.
3. National Kidney Foundation. Kidney Disease: Causes, 2017; [cited 2020 Mar 28]. Available from URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses.
4. Segall L et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: A systematic integrative review. Biomed Res Int 2014; 2014:937398.
5. Bikbov, Boris, et al. “Global, Regional, and National Burden of Chronic Kidney Disease, 1990–2017: a Systematic Analysis for the Global Burden of Disease Study 2017.” The Lancet, vol. 395, no. 10225, 13 Feb. 2020, pp. 709–733., doi:10.1016/s0140-6736(20)30045-3.
6. Centers for Disease Control and Prevention. Chronic Kidney Disease in the United States, 2019; [cited 2020 Mar 27]. Available from URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
7. Thompson S, James M, Wiebe N, Hemmelgarn B, Manns B, Klarenbach S and Tonelli M. Cause of Death in Patients with Reduced Kidney Function. Journal of the American Society of Nephrology. 2015, 26 (10) 2504-2511; DOI: https://doi.org/10.1681/ASN.2014070714.

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