フォシーガの慢性腎臓病患者を対象とした第III相DAPA-CKD試験、腎不全への進行、心血管死または腎不全による死亡リスク低下において前例のない結果を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年8月30日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

フォシーガは、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者を対象とした
腎アウトカム試験において、生存期間を有意に延長した初めての薬剤

第III相DAPA-CKD試験において、慢性腎臓病(CKD)ステージが2~4、かつ、尿中アルブミン排泄の増加を認める患者を対象に、標準治療に加えてフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)を投与したところ、腎機能の悪化、心血管死または腎不全による死亡のいずれかの発生による複合評価項目がプラセボと比較して39%低下したことを示しました(p<0.0001)。 この結果は、2型糖尿病合併の有無に関わらず一貫していました。 CKDは、腎機能の低下を認める、重大で進行性の病気で、世界で約7憶人の患者がいると言われています1,2が、その多くはまだ診断されていない状態にあります3,4。原因として多いのは、糖尿病、高血圧および糸球体腎炎です5

主要複合評価項目は、推定糸球体ろ過量(eGFR)の50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡のいずれかの発生でした。絶対リスク減少率(ARR)は、中央値2.4年の試験において5.3%でした。この試験はまた、プラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(ARR = 2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成しました。

DAPA-CKD試験とその治験運営委員会の共同代表者であるロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのDavid Wheeler教授とオランダのGroningen大学医療センターのHiddo L. Heerspink教授は、次のように述べています。「このDAPA-CKD試験の素晴らしい結果は、慢性腎臓病患者にとって注目に値する進歩です。これらの結果は、新しく、かつ、より効果的な治療選択肢が強く望まれている慢性腎臓病の標準治療を変える可能性があります」。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「今回の結果により、フォシーガは、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病患者の生存期間を有意に延長したことを示した初めてのSGLT2阻害剤となりました。これらの結果を世界の規制当局と共有できることを楽しみにしています。フォシーガはまた、2型糖尿病合併の有無に関わらず、心不全と慢性腎臓病の両方で治療ベネフィットを示し、2型糖尿病における心不全による入院リスクおよび腎症リスクを低下することができる、同クラスで初めての薬剤です」。

フォシーガの安全性および忍容性は、本剤の確立された安全性プロファイルと一致していました。本試験における重篤な有害事象の発現は、プラセボ群で33.9%、フォシーガ群で29.5%でした。糖尿病性ケトアシドーシスの発現は、プラセボ群で2例、フォシーガ群では報告されませんでした。

DAPA-CKD試験の主要な結果は、欧州心臓病学会2020 - The Digital Experienceにおいて、8月30日(日)に発表されました。

フォシーガは、2020年5月、米国で、2型糖尿病合併の有無に関わらず左室駆出率が低下した成人心不全(NYHA心機能分類:II~IV)の心血管死および心不全による入院のリスク低下に対する承認を取得しました。また現在フォシーガでは、心不全患者を対象としたDELIVER試験(左室駆出率が保持された心不全:HFpEF)、DETERMINE試験 (HFrEFおよびHFpEF)、ならびに急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者を対象としたDAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

なお、本邦におけるフォシーガの承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、慢性腎臓病、HFrEF、HFpEF、急性心筋梗塞発症後のイベント抑制を効能・効果とした承認は取得していません。

以上

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慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下を認める、重大な進行性の疾患で、世界で約7憶人の患者がいると言われていますが、その多くはまだ診断されていない状態にあります1-4。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です5。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります6。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています7

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、慢性腎臓病ステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例の慢性腎臓病患者さんを対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。フォシーガ は1日1回、慢性腎臓病の標準治療に追加投与されました。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者さんにおける腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義されています。副次的複合評価項目には 腎機能の悪化もしくは死亡 (eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間と定義されています。同試験は日本を含む21カ国で実施され、2020年7月に結果の概要を発表しました

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんを対象とするDECARE-TIMI58心血管アウトカム試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域について
循環器・腎・代謝 (CVRM)  はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1.  Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) CKD Work Group. KDIGO 2012 clinical practice guideline for the evaluation and management of chronic kidney disease. Kidney International Supplement 2013; (3):1–150.
2. Bikbov B et al. Global, regional, and national burden of chronic kidney disease, 1990–2017: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. The Lancet 2020; 395(10225):709–33.
3. Hirst JA et al. Prevalence of chronic kidney disease in the community using data from OxRen: A UK population-based cohort study. Br J Gen Pract 2020; 70(693):e285-e293.
4. National Kidney Foundation. Kidney Disease: The Basics; 2020 [cited 2020 Jun 29]. Available from: URL: https://www.kidney.org/news/newsroom/factsheets/KidneyDiseaseBasics.
5. National Kidney Foundation. Kidney Disease: Causes, 2017; [cited 2020 Jun 25]. Available from URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses
6. Centers for Disease Control and Prevention. Chronic Kidney Disease in the United States, 2019 [cited 01.05.20]. Available from URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
7. Briasoulis A, Bakris GL. Chronic Kidney Disease as a Coronary Artery Disease Risk Equivalent. Cur Cardiol Rep 2013; 15(3):340.