フォシーガの第Ⅲ相DAPA-CKD試験、慢性腎臓病患者さんを対象とした圧倒的な有効性により早期に終了

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年3月30日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

慢性腎臓病患者さんにおいて、2型糖尿病の有無を問わず、
有益性を示した初めてのSGLT2阻害剤

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2020年3月30日、フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)がプラセボに対して、試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性を示したことに基づく独立データモニタリング委員会の勧告に従い、慢性腎臓病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-CKD試験を早期に終了することを発表しました。

アストラゼネカは、予定の通り進めていたフォシーガの有効性と安全性の検討の結果、フォシーガによる有益性が当初の想定よりも早期に示されたことから、同試験を終了することを決定しました。

バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「慢性腎臓病患者さん、とりわけ2型糖尿病を合併していない慢性腎臓病患者さんの治療選択肢は限られています。この度、データモニタリング委員会が、フォシーガを投与された慢性腎臓病患者さんに試験開始当初の想定をはるかに上回る有益性が示されたと結論付けたことを非常に嬉しく思います。フォシーガは世界中の慢性腎臓病患者さんの治療を変える可能性を有しています」。

本試験とExecutive Committeeの共同代表者である University College Londonの David Wheeler教授、および、University Medical Center GroningenのHiddo L. Heerspink教授は、次のように述べています。「この試験に携わることができとても光栄に思います。私たちはデータモニタリング委員会の勧告に喜んでおり、この結果を医療従事者や慢性腎臓病患者さんと共有できることを楽しみにしています」。

DAPA-CKDの主要評価項目は、2型糖尿病合併の有無に関わらず慢性腎臓病を患っている患者さんにおける、腎機能の悪化もしくは死亡(推定糸球体ろ過量[eGFR]の50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生による複合評価項目です1

試験の詳細な結果は、今後の学会で発表される予定です。またアストラゼネカは、予定を前倒ししての申請について、各国の当局と協議を開始します。

フォシーガは、2019年8月、米国食品医薬品局より、慢性腎臓病患者さんの腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎不全による死亡の予防を目的とした開発に対し、ファストトラック指定を取得しています。また心不全の治療に対しては、米国食品医薬品局が優先審査品目に指定、欧州医薬品庁では薬事承認審査が進行中で、その他の地域でも同様の審査が進行中です。

なお、本邦で承認されているフォシーガの適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」です。現時点で、フォシーガにおいて、慢性腎臓病および慢性腎不全の適応を取得している国および地域はありません。

以上

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慢性腎臓病について
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能が低下することにより起こる重篤な進行性の疾患です。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3カ月間認められた場合と定義されます2。CKDを発症するもっとも一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎です3。CKDは心血管疾患有病率と高い相関を持ち、心不全や若年死5のような心血管イベント4の発生を増加させます。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となります6。CKD患者さんの多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡しています7

DAPA-CKD試験について
DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無を問わず、慢性腎臓病ステージ2から4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,245人の慢性腎臓病患者さんを対象に、フォシーガ10mg投与による効果と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験です。主要複合評価項目は、慢性腎臓病患者さんにおける腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義されています。同試験は日本を含む世界21カ国で実施されました。治験実施計画書およびDMC Charter(データモニタリング委員会の設置目的、役割や責任、運営手順の詳細を規定した文書)に記載してある中止(有効性)のガイドラインでは、有効性と安全性データの全体を評価し、データモニタリング委員会が試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性による試験中止の勧告を検討するとしていました。

フォシーガについて
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、経口1日1回投与で単剤療法および併用療法の一環として使われる、ファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助療法としての血糖コントロールの改善を適応とし、体重減少と血圧低下の副次的作用を有しています。2型糖尿病患者さんにおける心血管アウトカムをみたDECARE-TIMI58試験では、フォシーガは標準治療への追加療法において、プラセボと比較して、心不全による入院または心血管死の複合評価項目におけるリスクを低下しました。
DAPA-HF試験では、フォシーガは標準治療への追加療法として実施され、2型糖尿病合併の有無を問わず左室駆出率が低下した慢性心不全の患者さんにおいて、心血管死および心不全の悪化の発生を低下させました。フォシーガではまた、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者さんを対象としたDELIVER試験およびDETERMINE試験(HFrEFおよびHFpEF)が実施されています。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。
なお、本邦における、フォシーガの承認された適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」であり、心血管イベント、心不全あるいは死亡のリスク低下、慢性心不全を効能・効果とした承認は取得していません。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域について
循環器・腎・代謝疾患はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器・腎・代謝 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Hiddo J L Heerspink et al. Rationale and protocol of the Dapagliflozin And Prevention of Adverse outcomes in Chronic Kidney Disease (DAPA-CKD) randomized controlled trial, Nephrology Dialysis Transplantation, Volume 35, Issue 2, February 2020, Pages 274–282, https://doi.org/10.1093/ndt/gfz290.
2. Mallappallil, M., Friedman, E. A., Delano, B. G., McFarlane, S. I., & Salifu, M. O. (2014). Chronic kidney disease in the elderly: evaluation and management. Clinical practice (London, England), 11(5), 525–535. doi:10.2217/cpr.14.46.
3. National Kidney Foundation. Kidney Disease: Causes, 2017; [cited 2020 Mar 28]. Available from URL: https://www.kidney.org/atoz/content/kidneydiscauses.
4. Bikbov, Boris, et al. “Global, Regional, and National Burden of Chronic Kidney Disease, 1990–2017: a Systematic Analysis for the Global Burden of Disease Study 2017.” The Lancet, vol. 395, no. 10225, 13 Feb. 2020, pp. 709–733., doi:10.1016/s0140-6736(20)30045-3.
5. Segall L et al. Heart failure in patients with chronic kidney disease: A systematic integrative review. Biomed Res Int 2014; 2014:937398.
6. Centers for Disease Control and Prevention. Chronic Kidney Disease in the United States, 2019; [cited 2020 Mar 27]. Available from URL: https://www.cdc.gov/kidneydisease/publications-resources/2019-national-facts.html.
7. Thompson S, James M, Wiebe N, Hemmelgarn B, Manns B, Klarenbach S and Tonelli M. Cause of Death in Patients with Reduced Kidney Function. Journal of the American Society of Nephrology. 2015, 26 (10) 2504-2511; DOI: https://doi.org/10.1681/ASN.2014070714.