アストラゼネカは、人々の健康の実現のためには社会と地球が健康でなければならないという信念のもと、温室効果削減戦略の「アンビション・ゼロカーボン」を掲げ、全社を挙げて環境保全の取り組みを推し進めています。人類が直面する気候変動リスクの影響を最小限に抑えるために、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃に抑える努力が求められる中、日本国内において実施している先進的な取り組みを紹介します。
人々の健康のためには、社会、地球が健康でなければならない。地球温暖化による気候変動は、健康格差を拡大させる脅威
アストラゼネカは、人々の健康の実現には、私たちが暮らす社会や地球も健康でなければならないと考えています。「地球が健康でない」、つまり、地球沸騰化といった異常な気温上昇が続くことで、熱中症の増加や生態系の変化による感染症の増加、異常気象が引き起こす災害による受傷など、直接的・間接的に様々な健康被害が引き起こされると、社会保障システムの維持が難しくなり、「社会が健康でない」状態になります。社会保障システムが脆弱になると、医療へのアクセスの格差が拡大したり、医療体制の維持そのものが難しくなったりしていくことが懸念されます。つまり、私たちの健康維持は、地球と社会の健康も前提となっているのです。
気候変動は、地球上に暮らす全ての人々の生活や健康の脅威であり、待ったなしの喫緊の課題です。世界保健機関(WHO)は「気候危機は、過去50年の発展、グローバルヘルス、貧困削減における進歩を根底から覆し、人々の間、あるいは人々の中に存在する既存の健康格差をさらに拡大する脅威である」と述べています¹ 。
そもそも、世界の気候変動対策の目標は?グラスゴー気候合意とは?
2021年8月に国連が発表した報告書では、「温室効果ガスの排出を直ちに、急速かつ大規模に削減しない限り、温暖化を1.5℃近くに抑えるどころか、2℃に抑えることさえ現実的でなくなる」と明らかにしています⁸。
この報告を受け、2021年10月に開催された「気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)」で採択されたグラスゴー気候合意は、パリ協定の目標を前進させ、気候変動のリスクと影響を最小限に抑えるために、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃に抑える努力をするという世界共通の目標を掲げています²。1.5℃に抑制するためには、世界の二酸化炭素排出量を2030年には2010年比で45%削減し、2050年前後にネットゼロを目指すことが必要だと「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の「1.5℃特別報告書」は示しています³。
地球温暖化の対策として私たちにできること。製薬会社として科学的根拠に基づいた気候変動対策
アストラゼネカでは、気候変動への対策として、ネットゼロに向けた野心的な目標を掲げる「アンビション・ゼロカーボン」を世界経済フォーラム年次総会で2020年に表明しました。
サイエンスに基づいて革新的医薬品の開発を進めてきたアストラゼネカは、気候変動対策にも科学を基盤として取り組んでいます。この姿勢により掲げた目標が評価され、「Science Based Targets イニシアティブ(SBTi)」が気温上昇を1.5℃までに制限するための基準として2021年に設けた「SBTネットゼロ基準」の認定を受けています。
SBTiとは、世界自然保護基金(WWF)、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアティブです。2030 年までに二酸化炭素排出量を半減し、2050 年までにネットゼロ排出を達成するというゴールに向けて企業が科学的知見に基づいて目標を立てるためのガイダンスを提供し、企業が策定したネットゼロ目標を審査します。妥当性が確認されれば、その目標はSBTiにより科学的に基づくアプローチであることが認定されます⁴。アストラゼネカは「SBTネットゼロ基準」の認定を受けた最初の7社のうちの1社です⁵。
世界全体でアストラゼネカの事業による温室効果ガス排出量を98%削減する
「SBTネットゼロ基準」で認定された「アンビション・ゼロカーボン」の目標は以下の通りとなっています。
・ 2026年までに世界各国における自社事業における温室効果ガスの排出量(Scope 1およびScope 2)を2015年比で98%削減する
・ 2030年までにバリューチェーン全体(Scope3含む)の温室効果ガス排出量を2019年比で50%削減する。また、自然由来のソリューションへの投資を通じて、排出する二酸化炭素よりも多くの二酸化炭素を除去することにより、全排出量の残りをカーボンネガティブとする
・ 2045年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量の絶対量を2019年比で90%削減する。科学的根拠に基づくネットゼロ目標を達成するために、自然由来のソリューションを通じて最終的に10%未満の残余排出を除去する
先ずは2026年までにグローバル全体における自社事業の温室効果ガス排出量を98%削減する、それがアストラゼネカの近い将来におけるコミットメントです。自社事業には当然ながら営業で使用する車両も含まれるため、グローバル全体で使用する車両のEV化を積極推進しています。
2億本の植樹により、3,000万トンの二酸化炭素を大気から除去する
中長期的な目標に向けては、グローバルで展開する植樹プログラム「AZフォレスト」を通じて大気中の排出残留物の除去を目指しています。「AZフォレスト」プログラムでは、2030年までに6つの大陸で2億本の植樹を行う計画です。森林は大気中の二酸化炭素を吸収し、大気汚染を減少させる重要な役割を果たしています。「AZフォレスト」を通じて、約30年かけ3,000万トンの二酸化炭素を大気から除去する予定です⁶。
人々の健康を守るために気候危機に対応するのは当然のことですが、ヘルスケア産業による排出量は世界の温室効果ガス総排出量の約5%を占めると言われる中⁷、ヘルスケア産業をリードするアストラゼネカはこの問題に関与する責任を担っています。全アストラゼネカ社員が主要なサステナビリティ戦略である「アンビション・ゼロカーボン」に向けて邁進する取り組みを支持するとともに、自分たちが身近にできる環境への取り組みについても日々考え、実践しています。