新たな国民病「慢性腎臓病(CKD)」で苦しむ方を減らすために―「CKDの克服」を目指すアストラゼネカの取り組み―

「腎臓」は、老廃物を排泄するほかにも、私たちが生きていくうえで欠かせない複数の重要な働きを担う臓器です。ここでは、腎臓の機能が低下していく病気「慢性腎臓病(CKD)」の克服を目指すアストラゼネカの取り組みをご紹介します。

腎臓の働きと慢性腎臓病(CKD)

「腎臓」は、毎日およそ200リットル(浴槽約一杯分)の血液をろ過し(*1)、老廃物等を排泄し、体内の水分や塩分の量を調整しています。さらにホルモンを合成・分泌し、血圧の調整、赤血球を作る、強い骨を作るといった働きも担っており、健康を維持するために欠かせない臓器です(*2)。こうした機能がさまざまな原因により徐々に低下していく病気が「慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)」です。

見過ごされているCKD

CKDは初期の自覚症状がほとんどなく、腎機能が健康時の30%未満ほどに低下してはじめて目立つ症状が現れることも珍しくありません(*3)。CKDが進行し、腎機能が15%未満まで低下すると「末期腎不全」と呼ばれる状態になり、生命を維持するために人工透析や腎移植が必要となる場合があります(*3)。CKDのある人は脳や心臓の病気のリスクが高まるとも言われています。CKD患者さんの多くは、末期腎不全に至る前に心血管系の原因によって亡くなっているという報告もあります(*4-6)。

このように、全身の健康に大きな影響を与えるCKDですが、実は世界では10人に1人(*7)、日本では、成人の5人に1人、約2,000万人(*8)の患者さんがいると言われています。しかし、初期は症状が目立ちにくいため、こうした方の約90%はCKDと診断されていないと報告されています(*9-10)。CKDであるにもかかわらず適切な治療を受けないと、脳や心臓の病気にかかったり、腎機能の低下が進み、末期腎不全へと進行するリスクは高まります(*3)。早期発見し、早めに適切な治療を受けることは、それ以上、腎機能が失われるのを遅らせるのに役立ちますが(*3)、CKDはどうすれば早期発見できるのでしょうか?

CKDリスクを示す指標「eGFR」は血液検査で確認できる

CKDのリスクの有無は、「eGFR(推算糸球体ろ過量)」で概ね把握できます。eGFRは、腎臓が1分間にどれくらいの血液をろ過して尿を作れるかを示す値で、血液検査でわかる「血清クレアチニン値(Cr)」を性別と年齢で補正して算出します(*11)。CKDの診断時は、画像診断、病理検査等で腎臓の状態をくわしく調べることもありますが、eGFRは血液検査で把握できるため、CKDリスクに早期に気づきやすいというメリットがあります。

CKDリスクの高い方は、とくにご自身のeGFRを確認しましょう

CKDはさまざまな原因で腎機能が低下していく病気ですが、主な原因には、糖尿病、高血圧症、肥満、喫煙、高尿酸血症等があり、心臓病や脳卒中の既往がある人も注意が必要とされています(*3, 12, 13)。

アストラゼネカ株式会社は、CKDに特に注意が必要と考えられる、高血圧症・糖尿病・心疾患・脳卒中のいずれかにかかっている方、または既往のある方を対象に、CKDやその検査項目に関するインターネット調査を実施しました。その結果、これらの患者さんはCKDになるリスクが高いにもかかわらず、6割以上の方が、ご自身のeGFR値を把握しておらず、さらに6割近くが自身の病気がCKDリスクを高めることを知らないと回答されました。

CKDに特に注意が必要と考えられる、高血圧症・糖尿病・心疾患・脳卒中のいずれかにかかっている方、または既往のある方であっても64%が、自身のeGFR値が「わからない」と回答されました

高血圧症・糖尿病・心疾患・脳卒中患者さんで、自身の病気が腎機能に悪影響を及ぼすと知っていた人は46%にとどまりました

調査概要:CKDに対する患者さんの認識およびCKDの早期発見の指標となる健診項目(数値)に対する理解度を把握するためのインターネット調査

調査期間:2024年11月5日~11月7日

調査対象:高血圧・糖尿病・CKD・心疾患・脳卒中のいずれかに罹患または経験したことがある35歳~74歳の男女865名

調査方法:インターネット調査(調査委託先:株式会社マクロミルケアネット)

調査監修:埼玉医科大学 腎臓内科 教授 岡田 浩一 先生

調査結果の詳細は、下記のURLよりご確認ください
https://www.astrazeneca.co.jp/content/dam/az-jp/stories/patients-and-family/CKD_survey/2026_CKD_survey.pdf

この調査の監修を担当された埼玉医科大学 腎臓内科 教授 岡田 浩一先生は「CKDは高血圧症、糖尿病等の様々な原因で生じ、心臓や脳の健康、認知機能、骨代謝、貧血、血圧等、全身の健康に影響を及ぼす病気です。しかし、CKDは早期発見し、原因や腎機能の状態に合った適切な治療を受けることで、重症化やCKDが引き起こす脳や心臓の病気を予防できる可能性があります。CKDのリスクが高いと考えられる方にはとくに、『eGFRは腎機能の指標であり、ご自身の健康状態にかかわる重要な検査項目である』ことをまず知り、ご自身の数値に目を向けていただきたいと思います」と話されています。

検査結果が届いたらeGFRを確認しましょう

健康診断や持病の定期通院で血液検査を受けたら、腎機能の箇所にある「eGFR値」か「血清クレアチニン値(Cr)」も確認してください。

  • eGFRが59 mL/分/1.73m²以下※は、医師に相談しましょう
  • eGFRの記載がない場合は、血液検査のクレアチニン値を確認してみましょう


基準値:男性1.2mg/dL以下、女性1.0mg/dL以下(*14)です。また、尿検査で「尿蛋白陽性(1+/2+/3+)」の場合も注意が必要です(*15)。
※eGFRが59 mL/分/1.73m²以下であることが、必ずしも腎臓病の存在を示すわけではありません

もし、これらの検査項目が基準値の範囲外であったり、再検査・精密検査・治療が必要との結果だったら、症状がなくても受診しましょう。CKDと診断されたら、早めに適切な治療を受け、腎機能のさらなる低下を遅らせること、そして脳や心臓の病気になるのを防ぐ(*4, 5)ことが重要です。

「CKDの克服」を目指して

アストラゼネカは、「CKDの克服」というミッションを掲げ、早期診断・早期治療介入の普及を通じて、この疾患に新たなパラダイムシフトを起こすことを目指しています。日本では、NPO法人日本腎臓病協会と2022年3月の世界腎臓デーにおいて、腎臓病の克服に向けた取組みのための連携・協力に関する「包括連携協定」を締結し、連携して腎臓病の克服に向けた疾患啓発等の活動を実施しています。また、医療従事者を対象とした情報提供や臨床診療に役立つエビデンス収集等にも取り組んでいます。

「患者さんを第一に考える」を企業バリューの一つとしていることから、患者さんを中心とした治療支援等の推進にも積極的に取り組んでいます。CKDに該当するにもかかわらず未診断の方を含む患者さんに対し、早期発見・早期治療の大切さを伝える活動にこれからも取り組んでまいります。

▼慢性腎臓病について詳しくはこちら▼
慢性腎臓病啓発jp https://www.gfr-jinzou.jp/


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Reference:

  1. 日本腎臓病協会 慢性腎臓病とは
  2. Centers for Disease Control and Prevention(CDC):Chronic Kidney Disease Basics
  3. NIH StatPearls Chronic Kidney Disease https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK535404/
  4. Centers for Disease Control and Prevention(CDC). Chronic Kidney Disease: Common -Serious–Costly
  5. 二宮利治ら、綜合臨牀 2006.4、Vol.55、No4、1248-1254
  6. Briasoulis A, et al. Curr Cardiol Rep. 2013;15(3):340.
  7. Kovesdy CP. Epidemiology of chronic kidney disease: an update 2022. Kidney Int Suppl (2011). Apr 2022;12(1):7-11.
  8. 一般社団法人 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2024
  9. Tuot DS, et al. Chronic kidney disease awareness among individuals with clinical markers of kidney dysfunction. Clin J Am Soc Nephrol. Aug 2011;6(8):1838-44.
  10. World Kidney Day [Internet]. Chronic Kidney Disease [cited 2023 July 21]. Available from: https://www.worldkidneyday.org/facts/chronic-kidney-disease/
  11. NPO法人日本腎臓病協会 慢性腎臓病とは https://j-ka.or.jp/ckd/about.php
  12. NPO法人日本腎臓病協会 CKDの予防と治療 https://j-ka.or.jp/ckd/care.php
  13. Stroke-Induced Renal Dysfunction: Underlying Mechanisms and Challenges of the Brain–Kidney Axis, CNS Neurosci Ther. 2024 Nov;30(11):e70114.
  14. 全腎協 検査方法について 血清クレアチニン(Cr)
  15. 厚生労働省 腎臓からのSOSを見逃していませんか?~腎臓と脳や心臓の関係、尿蛋白って?~

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