イミフィンジ、筋層浸潤性膀胱がんに対する
最初で唯一の周術期における免疫療法として
EUにおいて承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年7月4日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。

術前補助化学療法単独群に対し、イミフィンジを含むレジメンが
再発リスクを32%、死亡リスクを25%低下させた
第Ⅲ相NIAGARA試験の結果に基づく承認

アストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)が、欧州連合(EU)において、成人の切除可能な筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者さんに対する、根治的膀胱全摘除術(膀胱を摘出する手術)前の、ゲムシタビンおよびシスプラチンとの併用による術前補助療法、およびイミフィンジ単独による術後補助療法の治療薬として承認されました。

欧州委員会による本承認は、欧州医薬品評価委員会の肯定的な見解に続くものであり、The New England Journal of Medicineに掲載された第Ⅲ相NIAGARA試験の結果に基づいています。

計画された中間解析では、イミフィンジ周術期レジメンで治療された患者さんは、根治的膀胱全摘除術をともなう術前補助化学療法単独群に対して、病勢進行、再発、手術未施行、または死亡のリスクについて32%という統計学的に有意な低下を示しました(無イベント生存期間[EFS]ハザード比[HR]0.68、95%信頼区間[CI]0.56-0.82、p<0.0001)。EFS中央値の推定値は、対照群の46.1カ月に対し、イミフィンジを含む実薬群では未到達でした。また、2年経過時点で対照群では59.8%が無イベントだったのに対し、イミフィンジ周術期レジメンで治療された患者さんでは67.8%でした。

重要な副次評価項目である全生存期間(OS)から得られた結果は、イミフィンジ周術期レジメンが対照群と比較して死亡のリスクを25%低下させたことを示しました(OS HR 0.75、95% CI 0.59-0.93、p=0.0106)。生存期間中央値については、両群とも未到達でした。2年経過時点で対照群では75.2%が生存していたのに対し、イミフィンジ周術期レジメンを受けた患者さんでは82.2%が生存していました。

2024年には、欧州の主要な5カ国で35,000人以上がMIBCの治療を受けました1。根治目的の代表的な治療であるにもかかわらず、現在の標準治療の術前補助化学療法を受けた多くの患者さんは術後に病気の再発を経験しています2

オランダNetherlands Cancer Instituteの腫瘍内科医、グループリーダーであり、NIAGARA試験の治験責任医師でもあるMichiel Simon Van Der Heijden博士は次のように述べています。「デュルバルマブをベースとした周術期レジメンは、欧州の筋層浸潤性膀胱がんの患者さんにとって重要な新しい治療選択肢です。現在、患者さんの半数近くは術前補助化学療法と膀胱全摘除術による治療にもかかわらず、再発を経験します。NIAGARA試験の結果は、このレジメンが再発のリスクを3分の1近く減少させ、生存期間の有意な延長を示し、根治目的での臨床診療を変革する可能性を秘めていることを強く示唆しています」。

アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼オンコロジー・ヘマトロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「イミフィンジは、筋層浸潤性膀胱がん患者さんに対する最初で唯一の周術期免疫療法として、欧州における標準治療を変革する準備が整っています。第Ⅲ相NIAGARA試験では、80%以上の患者さんがイミフィンジを含むレジメンによる治療後2年経過時点で生存しており、この数十年間ほとんど治療の進歩が見られなかったこの疾患において、新たな生存期間の指標を定めました」。

イミフィンジの忍容性は全般的に良好であり、術前および術後補助療法において新たな安全性シグナルは観察されませんでした。さらに、術前補助化学療法にイミフィンジを追加する治療法は、この併用療法の既知のプロファイルと一致し、術前補助化学療法単独と比較して患者さんの手術実施を妨げることはありませんでした。免疫介在性有害事象は、イミフィンジの既知のプロファイルと一致しており、管理可能でほとんどが低グレードでした。

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は、Magnitude of Clinical Benefit Scale (MCBS)に照らしたNIAGARA試験のレジメンの評価を発表し、根治的治療において最高グレードの「A」を授与しました3。ESMO-MCBSは、抗がん剤治療の有用性に関する意思決定の改善を促進するもので、臨床ガイドラインや医療技術の評価などいくつかの方法で活用され、採用国が増加しています4

イミフィンジの本治療法は、NIAGARA試験の結果に基づき、米国で承認され、また、その他の国々においても承認されています。日本、およびその他数カ国においても規制当局によりこの適応症について審査中です。イミフィンジは、非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第Ⅲ相PACIFIC試験およびAEGEAN試験、また、限局型小細胞肺がん(SCLC)を対象とした第Ⅲ相ADRIATIC試験に基づき、他の根治目的の治療においても承認されています。

※AEGEAN試験は、本邦未承認です。

注釈

筋層浸潤性膀胱がんについて
膀胱がんは世界中で9番目に多いがんであり、毎年61万4000人以上の患者さんが診断されています5。膀胱がんで最も多いのは、尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです6。膀胱がんは、腫瘍が膀胱の筋層に浸潤し、遠隔転移を伴わない場合に筋層浸潤性とみなされます6。MIBCにおいては、膀胱全摘除術を受けた患者さんにおいても約50%が再発を経験します2。治癒目的の治療では、手術後の再発を予防する治療選択肢が喫緊に必要とされています。

NIAGARA試験について
NIAGARA試験はMIBC患者さんに対する根治的膀胱全摘除術前後の周術期治療薬としてのイミフィンジを評価する、第Ⅲ相国際多施設共同ランダム化非盲検試験です。本試験では、1,063人の患者さんが、膀胱全摘除術前にイミフィンジと術前補助化学療法の併用療法を4サイクル受け、術後に8サイクルのイミフィンジ単剤投与群と、膀胱全摘除術前に術前補助化学療法単独を受けた後、術後に追加治療を行わない群にランダム化されました。NIAGARA試験は、この適応における最大規模の国際的な第Ⅲ相試験です。

この試験は、北米、南米、欧州、オーストラリアとアジアを含む22カ国および地域の192施設で実施されています。2つの主要評価項目は、EFS、および膀胱全摘除術時の病理学的完全奏効です。重要な副次評価項目はOSと安全性です。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

2025年5月には、第Ⅲ相POTOMAC試験において、イミフィンジと標準治療であるBacillus Calmette-Guérin導入療法および維持療法の併用療法が、高リスクの筋層非浸潤性膀胱がん患者さんの無病生存期間という主要評価項目を達成しました。

肺がんでは、イミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療における全生存期間(OS)に基づいた、世界的な標準治療です。また、イミフィンジは切除可能なNSCLCにおける術前補助化学療法と併用した周術期治療、また、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュド(トレメリムマブ)および化学療法との併用療法として承認されています。イミフィンジは、白金製剤を含む同時CRT後に病勢進行が認められていない限局型SCLCにも承認されており、化学療法との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

イミフィンジは局所進行または転移性の胆道がんに対する化学療法との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイジュドとの併用療法についても承認されています。また、イミフィンジは、日本およびEUでは切除不能な肝細胞がんに対する単剤療法としても承認されています。

2025年3月には、切除可能な胃がんおよび食道胃接合部がんを対象とした第Ⅲ相MATTERHORN試験において、標準化学療法にイミフィンジを加えた周術期治療が主要評価項目であるEFSを達成しました。

イミフィンジと化学療法の併用およびその後のイミフィンジ単剤療法は、原発性進行または再発子宮体がん(米国およびEUにおいては、ミスマッチ修復機能欠損疾患のみ)の第一選択治療薬として承認されています。イミフィンジと化学療法の併用およびその後のリムパーザ(オラパリブ)およびイミフィンジの併用療法は、EUおよび日本で、ミスマッチ修復機能が正常な進行または再発子宮体がんの患者さんに対して承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、41万4千人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、数種類の消化器がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. AstraZeneca PLC. Investor Relations Epidemiology Spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed June 2025.
  2. Witjes JA, et al. EAU Guidelines on muscle-invasive and metastatic bladder cancer. Eur Urol. 2021;1-94.
  3. ESMO. Durvalumab NIAGARA. Available at: https://www.esmo.org/guidelines/esmo-mcbs/esmo-mcbs-for-solid-tumours/esmo-mcbs-scorecards?scorecard=498-1%22+%5Ch. Accessed June 2025.
  4. ESMO. About the ESMO-MCBS. Available at: https://www.esmo.org/guidelines/esmo-mcbs/about-the-esmo-mcbs. Accessed June 2025.
  5. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Bladder Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/30-bladder-fact-sheet.pdf. Accessed June 2025.
  6. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed June 2025.

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