イミフィンジの周術期レジメン、筋層浸潤性膀胱がん患者さんを対象とした、第Ⅲ相NIAGARA試験において、術前化学療法単独群に対し、再発リスクを32%、死亡リスクを25%低下させる

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年9月15日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されているイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。

本適応症において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある
全生存期間の向上を示した手術前後における最初の免疫療法レジメン

第Ⅲ相NIAGARA試験の結果では、術前化学療法と比較して化学療法とアストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)による併用療法が、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者さんにおいて、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)、および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。患者さんは、根治的膀胱全摘除術(膀胱を摘出する手術)前にイミフィンジと化学療法の併用療法を受け、術後にイミフィンジの単剤療法を実施されました。

これらの結果は、スペインのバルセロナで開催された2024年欧州腫瘍内科学会(ESMO)の年次総会プレジデンシャルシンポジウムで発表され(抄録#LBA5)、同時にThe New England Journal of Medicine誌に掲載されました。

計画された中間解析では、イミフィンジ周術期レジメンで治療された患者さんは、対照群に対して、病勢進行、再発、手術を受けられない、または死亡のリスクを32%低下させたことが示されました(EFSハザード比[HR]0.68;95%信頼区間[CI]0.56-0.82; p<0.0001)。EFS中央値の推定値は、対照群の46.1カ月に対し、イミフィンジを含む実薬群では未到達でした。また、2年経過時点で対照群では59.8%が無イベントだったのに対し、イミフィンジ周術期レジメンで治療された患者さんでは推定67.8%でした。

重要な副次評価項目であるOSから得られた結果は、根治的膀胱全摘除術をともなう術前化学療法と比較して、イミフィンジ周術期レジメンが死亡のリスクを25%低下させることを示しました(OS HR 0.75; 95% CI 0.59-0.93; p=0.0106)。生存期間中央値については、両群とも未到達でした。2年経過時点で対照群では75.2%が生存していたのに対し、イミフィンジ周術期レジメンを受けた患者さんでは推定82.2%が生存していました。

英国ロンドンにある、Bartsがんセンター(QMUL)所長であり、本試験の首席治験責任医師であるThomas Powles教授は次のように述べています。「筋層浸潤性膀胱がんの患者さんに対する治療は、約20年間、膀胱全摘除術をともなう術前化学療法が中心となってきました。しかし、半数の患者さんは依然として致命的な再発に苦しんでいます。手術前後にデュルバルマブを追加することで、再発の可能性が有意に低下し、生存期間が延長しました。これは、より良い予後を切実に必要とする患者さんの標準治療に変革をもたらす大きな進歩となり得ます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「NIAGARA試験のデータは、無イベント生存期間と全生存期間の両方で説得力のある改善を示しました。2年経過時にイミフィンジ周術期レジメンで治療された患者さんの80%以上が生存しています。これは筋層浸潤性膀胱がんにおいて全生存期間を有意に延長する最初の免疫療法レジメンであり、患者さんのベネフィットを最大化するためにできるだけ早期にがん治療を進めるというわれわれの戦略をさらに後押しするものとなりました」。

結果概要: NIAGARA試験

結果概要: NIAGARA試験

イミフィンジの忍容性は全般的に良好であり、術前および術後補助療法において新たな安全性シグナルは観察されませんでした。さらに、術前化学療法にイミフィンジを追加する療法は、この併用療法の既知のプロファイルと一致し、術前化学療法単独と比較して患者さんの手術耐性を損なうことはありませんでした。いずれかの原因によるグレード3および4の有害事象は、術前化学療法で治療された患者さんの68%、およびイミフィンジで治療された患者さんの69%で発生しました。

イミフィンジは、NIAGARA試験に加えて、筋層非浸潤性疾患を対象とするPOTOMAC試験、シスプラチン不適格またはシスプラチンを拒否するMIBC患者さんを対象とするVOLGA試験、および局所進行または転移性疾患を対象とするNILE試験など、様々な併用療法が早期および後期膀胱がん全般にわたって評価されています。

注釈

筋層浸潤性膀胱がんについて
膀胱がんは世界中で9番目に多いがんであり、毎年61万4000人以上の患者さんが診断されています1。膀胱がんで最も多いのは、尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです2

筋層浸潤性膀胱がんは、膀胱筋層内へ増殖することから名づけられ、全膀胱がん症例の約4分の1を占めます3,4。MIBCにおいては約11万7000人の患者さんが、現在の標準治療を受けています5。標準治療には、術前化学療法および根治的膀胱全摘除術があります6。しかし、膀胱全摘除術を実施した患者さんにおいても再発率は高く、予後は不良です6。膀胱全摘除術を受けた患者さんの約50%が再発に至ります6。そのため、手術後の再発を予防する治療選択肢が喫緊に必要です。

NIAGARA試験について
NIAGARA試験はMIBC患者さんに対する根治的膀胱全摘除術前後の治療薬としてのイミフィンジを評価する、第Ⅲ相国際多施設共同無作為化非盲検試験です。本試験では、1,063人の患者さんが、膀胱全摘除術前にイミフィンジと化学療法の併用療法を受け、術後にイミフィンジを投与する群と化学療法単独を受けた後、術後に追加治療を行わない群に無作為化されました。

この試験は、米国、カナダ、欧州、オーストラリアとアジアを含む22カ国および地域の192施設で実施されています。2つの主要評価項目は、治療無作為化から腫瘍の再発または進行などのイベントまでの期間と定義されたEFS、および病理学的完全奏効率です。重要な副次評価項目はOSと安全性です。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象に、切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。また、本剤は、切除可能なNSCLCに対する術後補助療法との併用による周術期治療と、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療における化学療法との併用、転移性NSCLCの治療においても短期間のイジュド®(トレメリムマブ)および化学療法との併用療法として承認されています。
肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法において承認されています。また、本剤は、切除不能なHCCに対する単剤療法として日本および欧州で承認されています。加えて、イミフィンジは、米国ではミスマッチ修復機能欠損(dMMR)を有する原発性進行・再発子宮体がんに対し、イミフィンジと化学療法(カルボプラチンとパクリタキセル)の併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。EUでは、ミスマッチ修復機能が正常な進行・再発子宮体がん患者さんを対象に、イミフィンジと化学療法の併用療法およびその後のリムパーザ(オラパリブ)とイミフィンジの併用療法、dMMR患者さんを対象として、イミフィンジと化学療法の併用療法およびその後のイミフィンジ単剤療法が承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、乳がん、膀胱がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単剤療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Bladder Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/30-bladder-fact-sheet.pdf. Accessed September 2024.
  2. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed September 2024.
  3. Burger M, et al. Epidemiology and Risk Factors of Urothelial Bladder Cancer. Eur Urol. 2013;63(2):234-241.
  4. National Collaborating Centre for Cancer. Bladder Cancer: Diagnosis and Management. London: National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK356289. Accessed September 2024.
  5. Cerner CancerMPact database. Accessed September 2024. Reflects epidemiology estimates across G8 countries (US, EU, Japan, China).
  6. Witjes JA, et al. EAU Guidelines on Muscle-invasive and Metastatic Bladder Cancer. Eur Urol. 2021;1-94.

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