イミフィンジ、日本初かつ唯一の高リスク筋層非浸潤性膀胱癌における免疫併用療法として承認を取得

~BCG単独療法と比較し、BCGにイミフィンジを1年間追加する治療により、
高リスク疾患の再発、進行、または死亡リスクが32%減少した
第Ⅲ相POTOMAC試験の結果に基づく~

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:アンドリュー・バーネット、以下、アストラゼネカ)は、イミフィンジ®点滴静注120mgおよびイミフィンジ®点滴静注500mg〈一般名:デュルバルマブ(遺伝子組換え)、以下、イミフィンジ〉について、カルメット・ゲラン菌(BCG)との併用において、「高リスク筋層非浸潤性膀胱癌」を効能又は効果として、厚生労働省から2026年8月24日に承認を取得しました。

厚生労働省による今回の承認は第Ⅲ相POTOMAC試験の良好な結果に基づくものであり、当該結果は2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会で発表され、同時にThe Lancet誌に掲載されています。

日本では2024年に19,000人以上の方が高リスク筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC:Non-Muscle Invasive Bladder Cancer)の治療を受けました1。高リスクNMIBCは腫瘍切除後に膀胱内へのBCG投与を行う標準治療により根治を目指す疾患です2。NMIBC患者さんの約半数は腫瘍のグレード、ステージ、特定の腫瘍の特徴などのがんの特性に基づき、病勢進行または再発について高リスクと分類されます3。高リスクの患者さんでは、治療後5年以内に最大80%が再発を経験しています3,4

国立大学法人筑波大学 医学医療系 腎泌尿器外科学教授であり、同大学附属病院副病院長の西山 博之先生は次のように述べています。
「デュルバルマブとBCGの併用レジメンはBCG未治療の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんに対し、30年ぶりに承認された新たな治療法です。残念ながら、BCGを用いても疾患の再発を経験し、繰り返しの外科的処置が必要となるほか、病勢進行によって膀胱の摘出が必要となる場合もあります。POTOMAC試験では、デュルバルマブをBCG導入療法および維持療法に追加することで、BCG単独療法と比較し、疾患再発、進行または死亡のリスクを約3分の1低減できることが示されました。これは、高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんにとって、大きな前進を示すものです」。

アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のヴィクラム・チャンドは次のように述べています。
「今回のイミフィンジの承認により、日本の高リスク筋層非浸潤性膀胱がんの患者さんに対し、初めての免疫療法併用レジメンを提供できることとなりました。これは、イミフィンジが以前に筋層浸潤性疾患で示した良好な成果を、より早期の治療段階へ広げるものです。POTOMAC試験で示されたイミフィンジとBCGの併用による早期かつ持続的な無病生存期間のベネフィットは、早期再発リスクを有する患者さんにとって重要な前進です。POTOMAC試験にご参加いただいた患者さんとともに、今回の承認に関わってくださったすべての皆さまに心から感謝申し上げます」。

POTOMAC試験の結果から、BCG未治療の高リスクNMIBC患者さんにおいて、イミフィンジを1年間、BCG導入療法および維持療法に追加した群はBCG単独群と比較し、高リスク疾患の再発、進行または死亡のリスクを32%低下させることが示されました〈無病生存期間(DFS)ハザード比 0.68、95%信頼区間 0.50–0.93、p=0.0154〉。また、5年以上(60.7カ月)の追跡期間中央値において、イミフィンジ併用レジメンは治療開始から4カ月未満の時点から、早期かつ持続的なDFSベネフィットを示しました。なお、推定DFS中央値は、いずれの群でも未到達でした。

2026年5月に開催された米国泌尿器科学会(AUA)年次総会では追加の探索的解析結果が発表され、NMIBC患者さんにおけるイミフィンジとBCGの併用療法の有用性がさらに裏付けられました。治療開始後1年間において、イミフィンジとBCGの併用群における高リスク疾患イベントおよびBCG不応性再発の発現は、BCG単独群の約半数でした。また、副次評価項目である膀胱摘除術までの期間およびcystectomy-free survival(膀胱摘除術の実施、または膀胱摘除術を受けていない患者におけるあらゆる原因による死亡までの期間)の改善も示されており、BCG単独群と比較し、イミフィンジとBCGの併用群では膀胱摘除術を受けた患者さんが少なかったことが報告されました。

イミフィンジとBCGの併用療法の安全性および忍容性はそれぞれの薬剤における既知の安全性プロファイルと一貫しており、DFSに関する5年超の追跡期間中央値において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。イミフィンジの追加により患者さんのBCG導入療法および維持療法の完了が妨げられることはなく、患者報告アウトカムに基づく生活の質にも意味のある影響は認められませんでした。

<イミフィンジ製品概要>

 
製品名 イミフィンジ®点滴静注120mg、イミフィンジ®点滴静注500mg
英語表記: IMFINZI® Injection 120mg, IMFINZI® Injection 500mg
一般名 デュルバルマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果
  • 切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 非小細胞肺癌における術前・術後補助療法
  • 進展型小細胞肺癌
  • 限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
  • 切除不能な肝細胞癌
  • 治癒切除不能な胆道癌
  • 進行・再発の子宮体癌
  • 膀胱癌における術前・術後補助療法
  • 高リスク筋層非浸潤性膀胱癌
  • 胃癌における術前・術後補助療法
用法及び用量 〈高リスク筋層非浸潤性膀胱癌〉
カルメット・ゲラン菌(BCG)との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で13回まで、60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
製造販売元 アストラゼネカ株式会社

以上

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膀胱がんについて
膀胱がんは世界で8番目に多いがんであり、毎年635,000人以上が診断されています5。日本において2023年に新たに膀胱がんと診断された患者さんは男性が約18,000人(日本で12番目)、女性が約6,000人(同20番目)で、患者さんの90%以上が50歳以上でした6。日本において、喫煙者は非喫煙者に対して、膀胱がんへの罹患リスクが約2~3倍高いと報告されています7

膀胱がんで最も多いのは尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです8。膀胱がん患者さんの70%以上は腫瘍が膀胱の内面を覆う組織にとどまり、筋層へは浸潤していない、早期がんであるNMIBCと診断されます8,9

再発した高リスクNMIBC患者さんの多くは、追加の化学療法や経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)などの侵襲的な処置を繰り返し受けており、一部の患者さんでは膀胱摘除術が必要となる場合もあることから、根治を目指すこの疾患において、新たな治療選択肢の必要性が極めて大きいことが示されています2

POTOMAC試験について
POTOMAC試験は、第Ⅲ相国際多施設共同ランダム化非盲検試験であり、割付け前にTURBTを受けたBCG未治療の高リスクNMIBC患者さんを対象に、イミフィンジとBCG療法の併用療法を評価するものです。本試験において、1,018人の患者さんはイミフィンジとBCG導入療法および維持療法の併用群、またはイミフィンジとBCG導入療法のみの併用群、もしくはBCG導入療法および維持療法群に1:1:1の割合でランダム化割付けされました。患者さんは2年間のBCG維持療法の有無にかかわらず、6週間のBCG導入療法を受けました。本試験におけるDFSの追跡期間中央値は5年を超えており、NMIBC関連の試験の中でも長期にわたる観察期間が特徴的です。

本試験は、カナダ、オーストラリア、欧州、日本を含むアジアにわたる12カ国、120以上の施設で実施されました。主要評価項目は、ランダム化から高リスク疾患の初回再発、進行、または、あらゆる原因による死亡までの期間と定義されるDFSで、イミフィンジとBCG導入療法および維持療法の併用療法をBCG導入療法および維持療法の単独療法と比較しました。副次評価項目には、イミフィンジとBCG導入療法のみとの併用療法を対照群と比較したDFS、2つの治験治療群における5年時点の全生存率および安全性が含まれました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、シスプラチンに適格な筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に対して、術前化学療法との併用による周術期療法として、米国、EU、日本およびその他の国々で承認されています。さらに、2026年5月に第Ⅲ相VOLGA試験の良好な結果の概要が発表されました。シスプラチンを含む化学療法に不適格、もしくは同治療を希望されなかったMIBC患者さんにおいて、イミフィンジによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチン(EV)による術前補助療法との併用投与は、標準治療と比較して、無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。また、イミフィンジとイジュド(トレメリムマブ)による周術期治療とEVによる術前補助療法との併用投与では、EFSの統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長に加え、OSにおいて良好な傾向が認められました。しかしながら、計画された中間解析時点ではOSデータは統計学的有意ではなく、今後の解析で正式に再評価される予定です。
※日本での適応は、膀胱がんにおける術前・術後補助療法です。

肺がんにおいてイミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療におけるOSに基づいた世界的な標準治療です。さらにイミフィンジは切除可能なNSCLCにおける術前化学療法と併用した周術期治療、および転移性NSCLCの治療においても短期間のイジュドおよび化学療法併用療法として承認されています。また、イミフィンジは白金製剤を含む化学放射線療法(CRT)併用後に病勢進行が認められていない限局期小細胞肺がん(SCLC)にも承認されており、化学療法との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

消化器がんにおいてイミフィンジは、局所進行性または転移性胆道がん(BTC)に対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイジュドとの併用療法が承認されています。また、イミフィンジは日本、中国、EUでは切除不能なHCCに対する単剤療法として、米国、EU、日本においては切除可能な早期および局所進行性の胃がんおよび胃食道接合部がんに対して、化学療法との併用療法が承認されています。さらに2026年4月、第Ⅲ相EMERALD-3試験において、イミフィンジ、イジュド、レンバチニブおよび肝動脈化学塞栓療法(TACE)の併用療法はTACE単独療法と比較し、主要評価項目である無増悪生存期間において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したことが明らかとなりました。

イミフィンジと化学療法の併用およびその後のイミフィンジ単独療法は、原発性進行または再発子宮体がん(米国、EU、中国においては、ミスマッチ修復機能欠損のみ)の第一選択治療薬として承認されています。イミフィンジと化学療法の併用およびその後のリムパーザ(オラパリブ)およびイミフィンジは、EUおよび日本で、ミスマッチ修復機能が正常な進行または再発子宮体がんの患者さんに対して承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、474,000人以上の患者さんが、イミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、および数種類の消化器がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカはがん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法やイジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体、細胞治療、T細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も進めています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/または、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患および感染症を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

  1. AstraZeneca PLC. Investor relations epidemiology spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed July 2026.
  2. Gontero P, et al. EAU Guidelines on Non–muscle-invasive Bladder Cancer (TaT1 and CIS). 2025. Edn. presented at the EAU Annual Congress Madrid 2025. ISBN 978-94-92671-29-5.
  3. Porten SP, et al. High-risk non–muscle-invasive bladder cancer: definition and epidemiology. Curr Opin Urol. 2012;22:385-389.
  4. Porreca A, et al. Time to progression is the main predictor of survival in patients with high-risk non–muscle-invasive bladder cancer: Results from a machine learning-based analysis of a large multi-institutional database. Urol Oncol. 2024;42(3):69.e17-69.e25.
  5. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Bladder Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/30-bladder-fact-sheet.pdf. Accessed July 2026.
  6. National Cancer Center Japan, Cancer Information Service, Cancer Statistics. Available at: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/21_bladder.html. Accessed July 2026.
  7. 日本泌尿器科学会 膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版](2023年発行). Available at:https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/39_bladder_cancer_2019_v2.pdf. Accessed July 2026.
  8. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed July 2026.
  9. Fuge O, et al. Immunotherapy for bladder cancer. Res Rep Urol. 2015;7:65-79.

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