イミフィンジによる周術期治療とEVによる術前補助療法との併用投与、第Ⅲ相VOLGA試験において、筋層浸潤性膀胱がんにおける無イベント生存期間および全生存期間で、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を提示

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2026年5月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容と解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているイミフィンジとイジュドの適応症は国内の承認状況と異なります。

イミフィンジとイジュドによる周術期治療とEVによる術前補助療法との併用投与は、
無イベント生存期間において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、
全生存期間では良好な傾向を提示

第Ⅲ相VOLGA試験の計画された中間解析の結果、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者さんにおいて、イミフィンジ(デュルバルマブ)による周術期治療とエンホルツマブ ベドチン(EV)による術前補助療法との併用投与は、標準治療と比較して、無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。この試験は、シスプラチンを含む化学療法に不適格、もしくは同治療を希望されなかった患者さんを対象としていました。対照群の患者さんは、根治的膀胱全摘除術(膀胱を摘出する手術)を受け、必要に応じて承認された術後補助療法を受けました。

また、イミフィンジとイジュド(トレメリムマブ)による周術期治療とEVによる術前補助療法による併用投与は、EFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、OSでは良好な傾向を示しました。しかしながら、計画された中間解析時点では、OSデータは統計学的有意ではなく、今後の解析において正式に再評価する予定です。

膀胱がん患者さんのおよそ4人に1人は、腫瘍が膀胱の筋層に浸潤した遠隔転移を伴わないMIBCです1,2。さらに、腎機能障害や併存疾患により、最大で50%の患者さんがシスプラチンを含む化学療法の適応とならないとされています3,4。こうした患者さんに対する標準治療は、これまで根治的膀胱全摘除術単独でしたが、このような大きな手術を受けた後でも再発率は高く、予後不良であることが知られています3-5

英国ロンドンのクイーン・メアリー大学ロンドン校バーツがんセンター教授・センター長であり、VOLGA試験の国際治験調整医師のThomas Powles博士は、次のように述べています。「筋層浸潤性膀胱がん患者さんの最大半数はシスプラチンの適応とならず、膀胱摘除術後であっても高い再発リスクに直面しており、有効かつ忍容性の良好な新たな治療法が強く求められています。VOLGA試験の結果は、治癒目的の治療が受けられる患者さんにおいて、デュルバルマブによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチンによる術前補助療法との併用投与が、手術と比較して、管理可能な安全性プロファイルのもとで無イベント生存期間および全生存期間を有意に延長したことを示しています」。

アストラゼネカOncology Haematology R&D担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのSusan Galbraithは、次のように述べています。「今回のVOLGA試験の中間解析結果は、イミフィンジによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチンによる術前補助療法との併用投与が、手術と比較して患者さんにもたらすベネフィットを示しており、患者さんの治療選択肢を最適化する新たなレジメンとなる可能性があります。NIAGARA試験およびPOTOMAC試験に続き、VOLGA試験は膀胱がんにおける3つ目のポジティブな結果であり、イミフィンジを、早期かつ治癒目的の治療における免疫療法の中心として確立する強固な基盤を築くものです」。

イジュドの有無にかかわらずEVとの併用おけるイミフィンジの安全性および忍容性は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらのデータは、今後開催される学会で発表する予定であり、世界各国の規制当局にも提供する予定です。

イミフィンジは、第Ⅲ相NIAGARA試験の結果に基づき、シスプラチンに適格なMIBC患者さんを対象として、40を超える国で承認されています。さらに、第Ⅲ相POTOMAC試験では、高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんにおいて、イミフィンジをBacillus Calmette-Guérin(BCG)療法に追加することで、主要評価項目である無病生存期間を達成しており、現在、米国、欧州連合(EU)、日本およびその他複数の国々で審査中です。さらにイミフィンジは、局所進行または転移性膀胱がんを対象とした第Ⅲ相NILE試験でも検討しています。
※米国は、2026年5月28日にFDA承認済み。

注釈

膀胱がんについて
膀胱がんは世界中で9番目に多いがんであり、毎年61万4000人以上の患者さんが診断されています6。膀胱がんで最も多いのは、尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです7

2024年には、推定11万7,500人のMIBC患者さんが、術前補助療法としてのシスプラチンベースの化学療法と根治的膀胱全摘除術を含む標準治療を受けました5,8。2025年には、第Ⅲ相NIAGARA試験により、イミフィンジを周術期治療として追加することが新たな標準治療として示されました9。しかしながら、最大で半数の患者さんはシスプラチンを投与できず、また膀胱摘除術を受けたMIBC患者さんの約50%が再発を経験します3,5。手術前の病勢進行と手術後の再発の双方を防ぐ新たな治療選択肢が、この治癒目的の治療において強く求められています。

VOLGA試験について
VOLGA試験は、根治的膀胱全摘除術を予定しているMIBC患者さんのうち、シスプラチンの適応とならない、または同治療を希望しない患者さんを対象に、術前補助療法としてのEVとの併用下で行う、イジュド併用の有無を問わないイミフィンジによる周術期治療を、根治的膀胱全摘除術に必要に応じて承認された術後補助療法を併用する治療と比較評価する、第Ⅲ相国際多施設共同ランダム化非盲検試験です。本試験では、695人の患者さんが1:1:1にランダム化され、Arm 1では、手術前にイミフィンジとEVを3サイクル、およびイジュドを2サイクル投与し、その後、術後補助療法としてイミフィンジを9サイクル、イジュドを1サイクル投与、Arm 2では、手術前にイミフィンジとEVを3サイクル投与し、その後、術後補助療法としてイミフィンジ単剤を9サイクル投与しました。Arm 3は対照群です。

本試験は、欧州、北米、南米、アジアの25カ国182施設で実施されました。2つの主要評価項目は、両治療群と対照群との比較によるEFSであり、このEFSは、ランダム化から、根治的膀胱全摘除術後の初回再発、根治的膀胱全摘除術を受けなかった患者さんにおける初回病勢進行、残存病変を有する患者さんにおける根治的膀胱全摘除術未施行、またはあらゆる原因による死亡までの期間として定義しています。副次評価項目には、両治療群におけるOS(Arm 1 vs Arm 3、Arm 2 vs Arm 3)、病理学的完全奏効、無病生存期間、および病理学的ダウンステージングが含まれています。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

MIBCでの適応に加え、イミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療における全生存期間(OS)に基づいた、世界的な標準治療です。さらに、イミフィンジは切除可能なNSCLCにおける術前補助化学療法と併用した周術期治療、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュド(トレメリムマブ)および化学療法併用療法として承認されています。イミフィンジは、白金製剤を含む同時CRT後に病勢進行が認められていない限局型小細胞肺がん(SCLC)にも承認されており、化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

肺がんに対する適応に加え、イミフィンジは局所進行または転移性の胆道がんに対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイジュドとの併用療法についても承認されています。また、イミフィンジは、日本およびEUでは切除不能な肝細胞がんに対する単剤療法としても承認されています。切除可能な胃がんおよび食道胃接合部がんでは、標準治療の化学療法にイミフィンジを追加した周術期治療が米国およびEUで承認されています。また、2026年4月には、第Ⅲ相EMERALD-3試験において、イミフィンジとイジュド、レンバチニブ、および肝動脈化学塞栓療法(TACE)との併用療法が、塞栓療法の適応となる切除不能HCC患者さんを対象として、TACE単独と比較して主要評価項目である無増悪生存期間において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

イミフィンジと化学療法の併用およびその後のイミフィンジ単剤療法は、原発性進行または再発子宮体がん(米国およびEUにおいては、ミスマッチ修復機能欠損疾患のみ)の第一選択治療薬として承認されています。イミフィンジと化学療法の併用およびその後のリムパーザ(オラパリブ)およびイミフィンジは、ミスマッチ修復機能が正常な進行または再発子宮体がんの患者さんを対象としてEUおよび日本で承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、41万4千人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がんおよび婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

イジュドについて
イジュド(トレメリムマブ)は、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を増強し、がん細胞死を引き起こします。イジュドは承認された肝臓がんおよび肺がんの適応に加え、小細胞肺がん(ADRIATIC試験)や膀胱がん(NILE試験)などの他のがん種を対象にイミフィンジとの併用療法が検討されています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は包括的で多様なIOポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカはがん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法やイジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体、細胞治療、T細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も進めています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化でき、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。持続的なイノベーションにより、医療活動と患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと、開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/または、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Burger M, et al. Epidemiology and Risk Factors of Urothelial Bladder Cancer. Eur Urol. 2013;63(2):234-241.
  2. National Collaborating Centre for Cancer. Bladder Cancer: Diagnosis and Management. London: National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK356289/. Accessed May 2026.
  3. Dash A, et al. Impact of renal impairment on eligibility for adjuvant cisplatin-based chemotherapy in patients with urothelial carcinoma of the bladder. Cancer. 2006;107(3):506-513.
  4. Galsky MD, et al. Treatment of patients with metastatic urothelial cancer “unfit” for cisplatin-based chemotherapy. J Clin Oncol. 2011;29(17):2432-2438.
  5. Van der Heijden AG, et al. EAU Guidelines on Muscle-invasive and Metastatic Bladder Cancer. 2026. Edn. Presented at the EAU Annual Congress Copenhagen 2026. ISBN 978-94-92671-30-1.
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  7. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed May 2026.
  8. AstraZeneca PLC. Investor relations epidemiology spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed May 2026.
  9. AstraZeneca PLC. Imfinzi approved in the US as first and only perioperative immunotherapy for patients with muscle-invasive bladder cancer. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2025/imfinzi-approved-in-the-us-for-bladder-cancer.html. Accessed May 2026.

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