イミフィンジ、BCG未治療の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんに対する、初めてかつ唯一の免疫療法併用レジメンとして米国で承認

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2026年5月28日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容と解釈については英語が優先します。なお、本プレスリリース内のイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。

BCG単独療法と比較し、BCGにイミフィンジを1年間追加する治療により、
高リスク疾患の再発、進行、または死亡リスクが32%減少した
第Ⅲ相POTOMAC試験の結果に基づく

アストラゼネカのイミフィンジ(デュルバルマブ)は、Bacillus Calmette-Guérin(BCG)導入療法および維持療法との併用により、BCG未治療の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)の成人患者さんに対する治療薬として、米国で承認されました。

今回の米国食品医薬品局(FDA)による承認は、第Ⅲ相POTOMAC試験の良好な結果に基づくものであり、当該結果は2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)学術集会で発表され、同時にThe Lancet誌にも掲載されました。

2024年、米国では31,000人以上が高リスクNMIBCの治療を受けました。高リスクNMIBCは腫瘍切除後に膀胱内へのBCG投与を行う標準治療により根治を目指す疾患です1,2。NMIBC患者さんの約半数は、腫瘍のグレード、ステージ、特定の腫瘍の特徴などのがんの特性に基づき、病勢進行または再発について高リスクと分類されます3。高リスクの患者さんでは、治療後5年以内に最大80%が再発を経験しています3,4

START Carolinasディレクター/Carolina Urologic Research Centerの責任者であり、本試験の共同治験責任医師でもあるNeal Shore医学博士、米国外科学会フェローは次のように述べています。「デュルバルマブとBCGの併用レジメンは、BCG未治療の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんに対して、30数年ぶりに承認された新たな治療法です。残念ながら、患者さんの多くは、繰り返しの外科的処置が必要となる再発を経験するほか、病勢進行によって膀胱摘除術が必要となる場合もあります。POTOMAC試験では、デュルバルマブをBCG導入療法および維持療法に追加することで、BCG単独療法と比較し、疾患再発、進行または死亡のリスクを約3分の1低減できることが示されました。これは高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんにとって、大きな前進を示すものです」。

アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼オンコロジー・ヘマトロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「今回のイミフィンジの承認により、米国におけるBCG未治療の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんに対して初の免疫療法併用レジメンが提供されることとなりました。これは、イミフィンジが以前に筋層浸潤性疾患で示した良好な成果を、より早期の治療段階へと広げるものです。POTOMAC試験で示されたイミフィンジとBCGの併用による早期かつ持続的な無病生存期間のベネフィットは、早期再発リスクを有する患者さんにとって重要な前進であり、標準治療を変える可能性を示唆するものです」。

Bladder Cancer Advocacy Network CEOのMeri-Margaret Deoudes氏は次のように述べています。「高リスク筋層非浸潤性膀胱がんの患者さんにとって、この疾患特有の、早期かつ頻回の再発に直面することは非常につらいことです。また、病勢の進行により、人生を大きく変える外科手術の可能性まで抱えなければならないのは、非常に深刻な問題です。こうした大きな負担に対処できる新規の有効な治療選択肢は常に歓迎され、一刻も早い展開が待ち望まれています。今回の承認は、患者さんとそのご家族にとって大きな希望をもたらす可能性があります」。

POTOMAC試験の結果、BCG未治療の高リスクNMIBC患者さんにおいて、イミフィンジを1年間、BCG導入療法および維持療法に追加した群は、BCG単独群と比較して、高リスク疾患の再発、進行または死亡のリスクを32%低下させることが示されました(無病生存期間[DFS]ハザード比 0.68、95%信頼区間 0.50–0.93、p=0.0154)。5年以上(60.7カ月)の追跡期間中央値において、イミフィンジ併用レジメンは、治療開始から4カ月未満の時点から、早期かつ持続的なDFSベネフィットを示しました。なお、推定DFS中央値は、いずれの群でも未到達でした。

イミフィンジとBCG導入療法および維持療法の安全性および忍容性は、それぞれの薬剤で既知の安全性プロファイルと一貫しており、DFSに関する5年超の追跡期間中央値において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。イミフィンジの追加によって、患者さんのBCG導入療法および維持療法の完了が妨げられることはなく、患者報告アウトカムに基づく生活の質にも意味のある影響は認められませんでした。

POTOMAC試験の結果に基づく承認申請は、現在、欧州連合(EU)、日本などいくつかの国で審査中です。

先週、第Ⅲ相VOLGA試験の良好な結果の概要が発表されました。シスプラチンを含む化学療法に不適格、もしくは同治療を希望されなかった筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者さんにおいて、イミフィンジによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチン(EV)による術前補助療法との併用投与は標準治療と比較して、無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。また、イミフィンジとイジュド(トレメリムマブ)による周術期治療とEVによる術前補助療法との併用投与では、EFSの統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長に加え、OSにおいて良好な傾向が認められました。しかしながら、計画された中間解析時点ではOSデータは統計学的有意ではなく、今後の解析で正式に再評価される予定です。

イミフィンジは、第Ⅲ相NIAGARA試験に基づき、シスプラチン適格のMIBC患者さんに対してもいくつかの国で承認されており、さらに第Ⅲ相NILE試験において、局所進行または転移性疾患での検討が継続されています。

注釈

膀胱がんについて
膀胱がんは世界で9番目に多いがんであり、毎年61万4,000人以上が診断されています5。膀胱がんで最も多いのは、尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです6。膀胱がん患者さんの70%以上は腫瘍が膀胱内面を覆う組織にとどまり、筋層へは浸潤していない早期がんであるNMIBCと診断されます6,7

再発をきたす高リスクNMIBC患者さんの多くは、追加の化学療法や、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)などの侵襲的な処置を繰り返し受け、最終的には膀胱摘除術(cystectomy)が必要になることがあります。早期再発を来したり、BCG治療に不応となる高リスク患者さんでは、膀胱摘除術を要する可能性のある病勢進行のリスクが特に高く、この根治を目的とする治療段階における新たな治療選択肢の必要性は極めて大きいとされています2

POTOMAC試験について
POTOMAC試験は、第Ⅲ相国際多施設共同ランダム化非盲検試験であり、割付け前にTURBTを受けたBCG未治療の高リスクNMIBC患者さんを対象に、イミフィンジとBCG療法の併用療法を評価するものです。この試験において、1,018人の患者さんは、イミフィンジとBCG導入療法および維持療法の併用群、またはイミフィンジとBCG導入療法のみの併用群、もしくはBCG導入療法および維持療法群に1:1:1の割合でランダム化割付けされました。試験では、患者さんは2年間のBCG維持療法の有無にかかわらず、6週間のBCG導入療法を受けました。DFSの追跡期間中央値は5年を超えており、POTOMAC試験はNMIBC関連の試験の中でも、長期にわたる観察期間が特徴的です。

本試験は、カナダ、オーストラリア、欧州、アジアにわたる12カ国、120以上の施設で実施されました。主要評価項目は、ランダム化から高リスク疾患の初回再発、進行、またはあらゆる原因による死亡までの期間と定義されるDFSで、イミフィンジとBCG導入療法および維持療法の併用療法をBCG導入療法および維持療法の単独療法と比較しました。副次評価項目には、イミフィンジとBCG導入療法のみとの併用療法を対照群と比較したDFS、2つの治験治療群における5年時点の全生存率および安全性が含まれました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

膀胱がんにおける適応に加え、イミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療における全生存期間(OS)に基づいた、世界的な標準治療です。また、イミフィンジは切除可能な NSCLCにおける術前補助化学療法と併用した周術期治療、また、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュド(トレメリムマブ)および化学療法併用療法として承認されています。イミフィンジは、白金製剤を含む同時CRT後に病勢進行が認められていない限局型小細胞肺がん(SCLC)にも承認されており、化学療法(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

肺がんに対する適応に加え、イミフィンジは局所進行または転移性の胆道がんに対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイジュドとの併用療法が承認されています。また、イミフィンジは、日本、中国、EUではHCCに対する単剤療法としても承認されています。

切除可能な胃がんおよび食道胃接合部がんでは、標準治療の化学療法にイミフィンジを追加した周術期治療が米国およびEUで承認されています。また、2026年4月には、第Ⅲ相EMERALD-3試験において、イミフィンジとイジュド、レンバチニブ、および肝動脈化学塞栓療法(TACE)との併用療法が、塞栓療法の適応となる切除不能HCC患者さんを対象として、TACE単独と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

イミフィンジと化学療法の併用およびその後のイミフィンジ単剤療法は、原発性進行または再発子宮体がん(米国およびEUにおいては、ミスマッチ修復機能欠損疾患のみ)の第一選択治療薬として承認されています。イミフィンジと化学療法の併用およびその後のリムパーザ(オラパリブ)およびイミフィンジの併用療法は、ミスマッチ修復機能が正常な進行または再発子宮体がんの患者さんを対象として、EUおよび日本で承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、41万4,000人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がんおよび婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は包括的で多様なIOポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカはがん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法やイジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体、細胞治療、T細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も進めています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化でき、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。持続的なイノベーションにより、医療活動と患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと、開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/または、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. AstraZeneca PLC. Investor relations epidemiology spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed May 2026.
  2. Gontero P, et al. EAU Guidelines on Non–muscle-invasive Bladder Cancer (TaT1 and CIS). 2025. Edn. presented at the EAU Annual Congress Madrid 2025. ISBN 978-94-92671-29-5.
  3. Porten SP, et al. High-risk non–muscle-invasive bladder cancer: definition and epidemiology. Curr Opin Urol. 2012;22:385-389.
  4. Porreca A, et al. Time to progression is the main predictor of survival in patients with high-risk non–muscle-invasive bladder cancer: Results from a machine learning-based analysis of a large multi-institutional database. Urol Oncol. 2024;42(3):69.e17-69.e25.
  5. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Bladder Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/30-bladder-fact-sheet.pdf. Accessed May 2026.
  6. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed May 2026.
  7. Fuge O, et al. Immunotherapy for bladder cancer. Res Rep Urol. 2015;7:65-79.

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