カルケンスをベースとした固定期間療法、慢性リンパ性白血病の患者さんに対する一次治療として、EUにおいて承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年6月6日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているカルケンスの適応症は国内の承認状況と異なります。

第Ⅲ相AMPLIFY試験の結果、カルケンスの併用療法が
無増悪生存期間における統計学的に有意かつ臨床的に意義ある改善を示す

アストラゼネカのカルケンス®(アカラブルチニブ)とベネトクラクスとの固定期間併用療法(オビヌツズマブの有無を問わない)が、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者さんの治療薬として、欧州連合(EU)において承認されました。

欧州委員会による本承認は、医薬品評価委員会の肯定的な見解に続くものであり、米国血液学会(ASH)2024年年次総会で発表され、The New England Journal of Medicine誌に掲載された、ピボタル試験である第Ⅲ相AMPLIFY試験の良好な結果に基づくものです1

AMPLIFY試験の結果、3年時点で標準治療である免疫化学療法(治験責任(分担)医師が選択したフルダラビン・シクロホスファミド・リツキシマブまたはベンダムスチン・リツキシマブのいずれか)を受けた患者さんでは67%で病勢進行がみられなかったのに対し、カルケンスとベネトクラクスの併用療法を受けた患者さんでは77%、カルケンスとベネトクラクスおよびオビヌツズマブの併用療法を受けた患者さんでは83%で病勢進行がみられませんでした1。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、どちらの試験群でも未到達でしたが、免疫化学療法群では47.6カ月でした1。カルケンスとベネトクラクスの併用療法は、免疫化学療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを35%低減しました(ハザード比[HR]0.65;95%信頼区間[CI]0.49~0.87;p=0.0038)。カルケンスとベネトクラクスおよびオビヌツズマブの併用療法は、免疫化学療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを58%低減しました(HR 0.42;CI 0.30~0.59;p <0.0001)2

CLLは成人における最も一般的な白血病です。2024年には英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアで推定27,000人がCLLと診断されました3

ドイツ・ケルンにあるケルン大学病院の医学博士であり、AMPLIFY試験の治験責任医師であるBarbara Eichhorst氏は、次のように述べています。「慢性リンパ性白血病と診断された患者さんにとって、今回の承認は一次治療における新たな選択肢を提供するものであり、継続的な治療で発現する可能性のある長期的な副作用を最小限に抑え、薬剤耐性の低減につながる可能性があります。投与期間を固定したレジメンは患者さんにとって好ましく、治療期間中の服薬遵守の維持にも役立ちます」。

アストラゼネカのオンコロジー・ヘマトロジービジネスユニットのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるDave Fredricksonは次のように述べています。「本承認により、欧州全域で未治療の慢性リンパ性白血病患者さんに、新たな固定期間療法の選択肢が提供されます。カルケンスとベネトクラクスの併用療法は、EUで承認された最初で唯一の第二世代BTK阻害剤との経口併用療法の選択肢であり、患者さんと医師に、この治癒困難な血液がんの管理において柔軟性を提供します」。

カルケンスの安全性と忍容性は既知の安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

AMPLIFY試験の結果に基づき、これらのレジメンに関する申請が、現在いくつかの国で審査中です。

注釈

慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人における最も一般的な白血病の一種であり、2024年には米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、日本、中国で4万人がCLLの一次治療を受けたと推定されています3。CLL患者さんにおいては、診断時に症状がまったく現れない場合もありますが、脱力感、疲労感、体重減少、悪寒、発熱、寝汗、リンパ節の腫れ、腹痛などの症状が現れる場合もあります4。CLLでは、異常なリンパ球が血液、骨髄およびリンパ節に蓄積します。異常細胞数が増えるに従い、骨髄内で正常な白血球、赤血球および血小板を産生するためのスペースが減ります5。これにより、感染、貧血および出血を引き起こす可能性があります。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLにおいて異常細胞が増加する基本的な経路の一つです。

AMPLIFY試験について
AMPLIFY試験は、染色体17p欠失(del(17p))変異およびTP53変異を含まない未治療の成人CLL患者さんを対象に、カルケンスとベネトクラクスとの併用(オビヌツズマブの有無を問わない)の有効性および安全性を、治験責任(分担)医師が選択した免疫化学療法(フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブまたはベンダムスチン+リツキシマブ)と比較評価する、無作為化、国際共同、多施設共同、非盲検第Ⅲ相試験です6。患者さんには、カルケンスとベネトクラクスとの固定期間併用療法、カルケンスとベネトクラクスとオビヌツズマブとの固定期間併用療法、または標準治療である免疫化学療法のいずれかが、1:1:1の割合で無作為に割り当てられました6。カルケンスを含む両群は14サイクル(各28日間)の固定期間にわたって投与され、標準治療の免疫化学療法は6サイクルにわたって投与されました6

主要評価項目は、カルケンス+ベネトクラクス群における、独立審査委員会の判定に基づくPFSで、カルケンス+ベネトクラクス+オビヌツズマブ群におけるPFSを主な副次評価項目として評価しました6。その他の主な副次評価項目は、全生存期間(OS)、微小残存病変の陰性です6。同試験は北米、南米、欧州、アジア、オセアニアにわたる27カ国で実施されました6

AMPLIFY試験には、2019年から2021年にかけ、COVID-19パンデミック中でも継続して患者さんが登録されました6

カルケンスについて
カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、第二世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します7。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、米国と日本、中国では慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、また、EUをはじめとするその他多くの国ではCLLの治療薬として承認されています。カルケンスは、ベネトクラクスとの併用(オビヌツズマブの有無を問わない)で、CLLの固定期間療法の治療薬としてもEUにおいて承認されています。カルケンスは米国と欧州、その他の国においては未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)成人患者さんの治療薬として承認されています。また、中国、その他数カ国においては、少なくとも1回の前治療歴を有する成人MCL患者さんの治療薬として承認されています。なお現在、カルケンスは日本ではMCLの治療薬としては承認されていません。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である免疫化学療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は複数の科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、自家細胞療法のパイオニアであるGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の探索、開発、提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Brown J, et al. Fixed-duration acalabrutinib combinations in untreated chronic lymphocytic leukemia. NEJM. 2025;392:748-762.
  2. Brown J, et al. Fixed-duration acalabrutinib plus venetoclax with or without obinutuzumab versus chemoimmunotherapy for first-line treatment of chronic lymphocytic leukemia: interim analysis of the multicenter, open-label, randomized, Phase 3 AMPLIFY Trial. Presented at ASH 2024. Abstract 1009. 2024.
  3. AstraZeneca 2024. Full Year and Q4 2024 Financial Results Epidemiology Spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed May 2025.
  4. American Cancer Society. Signs and Symptoms of Chronic Lymphocytic Leukemia. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/detection-diagnosis-staging/signs-symptoms.html. Accessed May 2025.
  5. National Cancer Institute. Chronic lymphocytic leukemia treatment (PDQ®)–Patient version. Available at: https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq. Accessed May 2025.
  6. ClinicalTrials.gov. Study of Acalabrutinib (ACP-196) in Combination With Venetoclax (ABT-199), With and Without Obinutuzumab (GA101) Versus Chemoimmunotherapy for Previously Untreated CLL (AMPLIFY). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03836261. Accessed May 2025.
  7. Wu J, et al. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

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