カルケンスと免疫化学療法の併用療法、EUにおいて、マントル細胞リンパ腫の一次治療における最初で唯一のBTK阻害剤として、CHMPが承認勧告

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年3月31日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているカルケンスの適応症は国内の承認状況と異なります。

免疫化学療法単独群と比較して16カ月以上の無増悪生存期間の改善を示した
第Ⅲ相ECHO試験の結果に基づく勧告

アストラゼネカのカルケンス®(アカラブルチニブ)とベンダムスチンおよびリツキシマブとの併用療法は、欧州連合(EU)において自家造血幹細胞移植が不適応の、前治療歴のないマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんに対する治療薬として、承認勧告を受けました。

欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的な見解は、2024年欧州血液学会で発表された第Ⅲ相ECHO試験の結果に基づくものです。

ECHO試験の結果において、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブとの併用療法群は、標準治療である免疫化学療法群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを27%低減したことが示されました(ハザード比[HR]0.73;95%信頼区間[CI]0.57~0.94;p=0.016)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、免疫化学療法単独群では49.6カ月であったのに対し、カルケンス併用療法群では66.4カ月でした。

カルケンスをMCLの一次治療における併用療法として推奨する今回の勧告は、再発または難治性MCLの成人患者さんの治療におけるカルケンスの単剤療法に対するCHMPの最近の肯定的見解に続くものです。

ミュンヘン大学病院医学部の医学博士で、この試験の治験責任医師でもあるMartin Dreyling氏は、次のように述べています。「ピボタル試験であるECHO試験の結果は、この稀で悪性度の高いがんの管理において、カルケンスの併用療法が大きな効果を発揮することを実証しました。今回の勧告は、MCLの一次治療における大きな進歩であり、特に有効性と忍容性のバランスを必要とする高齢患者さんにとって重要です」。

アストラゼネカのオンコロジー・ヘマトロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回のCHMPの肯定的な勧告は、MCLの一次治療における選択肢としてのカルケンスの可能性をさらに強化するものであり、カルケンスの併用療法は、この適応症においてPFSをおおむね1年半延長することを示しています。承認されれば、カルケンスは、欧州でこれらの患者さんに承認される初のBTK阻害剤として、標準治療を変革する可能性があります」。

MCLは稀で、一般的に悪性度の高い非ホジキンリンパ腫の一種であり、進行期で診断されることが多い病気です1,2。2024年には、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアで6,000人以上の患者さんがMCLと診断されたと推定されています3

カルケンスの安全性と忍容性は既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

ECHO試験の結果に基づき、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブの併用療法は、米国および他の数カ国でこの適応症で承認されています。現在、日本および他の数カ国でこの適応症に関する申請が審査中です。

注釈

マントル細胞リンパ腫(MCL)について
MCL患者さんは初期には治療反応性がありますが、再発する傾向があります4。MCLは非ホジキンリンパ腫の約3~6%を占め、欧米諸国での人口10万人当たりの年間発生率は0.5例です。21,000人以上のMCL患者さんが、米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、日本、中国に存在すると推定されています5

ECHO試験について
ECHO試験は、前治療歴のない65歳以上の成人MCL患者さん(n=635)を対象に、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブの併用療法の有効性および安全性を、標準治療の免疫化学療法(ベンダムスチンおよびリツキシマブ)と比較評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同第Ⅲ相試験です6。患者さんを1対1に無作為に割り付け、カルケンスまたはプラセボを1日2回、病勢進行または許容できない毒性が現れるまで継続して経口投与しました。さらに、すべての患者さんは各サイクルの1日目と2日目にベンダムスチンを、1日目にリツキシマブを投与する28日間のサイクルを6回受け、患者さんが導入療法に反応した場合は、リツキシマブの維持療法を2年間行いました6

主要評価項目は独立判定委員会の評価によるPFSで、他の有効性評価項目は全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、奏効までの期間(TTR)でした6。この試験は、北米、南米、欧州、アジア、オセアニアの27カ国で実施されました6

ECHO試験は2017年5月から2023年3月まで、COVID-19の流行期を通じて患者さんの組入れが実施されました。COVID-19が結果に与える影響を評価するため、FDAとの合意に基づき、COVID-19による死亡を打ち切りとする、事前に規定したPFSおよびOSの解析が行われました。血液がん患者さんは、COVID-19による入院や死亡などの重篤な転帰となるリスクが、一般集団に比べると依然として不均衡に高いままです6-8

カルケンスについて
カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、第二世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します8。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、米国と日本では慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする世界各国ではCLLの治療薬として、中国では再発または難治性のCLLおよびSLLの治療薬として承認されています。カルケンスは米国とその他の国においては未治療のMCL成人患者さんの治療薬として承認されています。また、米国、中国、その他数カ国においては、少なくとも1回の前治療歴を有する成人MCL患者さんの治療薬として承認されています。なお現在、カルケンスは日本ではMCLの治療薬としては承認されていません。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である免疫化学療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は複数の科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、自家細胞療法のパイオニアであるGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の探索、開発、提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Lymphoma Research Foundation. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://lymphoma.org/aboutlymphoma/nhl/mcl/. Accessed March 2025.
  2. National Organization for Rare Disorders. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://rarediseases.org/rare-diseases/mantle-cell-lymphoma/. Accessed March 2025.
  3. AstraZeneca 2024. Q3 2024 Financial Results. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed March 2025.
  4. Cheah C, Seymour J, Wang ML. Mantle cell lymphoma. J Clin Oncol. 2016;34(11):1256-1269. doi: 10.1200/JCO.2015.63.5904.
  5. Lynch DT, Koya S, Acharya U, et al. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK536985. Accessed March 2025.
  6. ClinicalTrials.gov. A Study of BR Alone Versus in Combination With Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated MCL. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT02972840 Accessed March 2025.
  7. Luque-Paz D, et al. B-cell malignancies and COVID-19: a narrative review. Clin Microbiology and Infection. 2023; 29(332-337).
  8. Wu J, et al. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

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