カルケンスと化学免疫療法の併用療法、第Ⅲ相ECHO試験において、前治療歴のないマントル細胞リンパ腫の患者さんにおける病勢進行または死亡リスクを標準治療と比較して27%低減

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本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年6月16日に発信したプレスリリースを翻訳し、参考資料として提供するものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。

この対象患者さんにおいて、標準治療である化学免疫療法と比較して
良好な全生存期間の傾向を示した最初で唯一のBTK阻害剤

第Ⅲ相ECHO試験おいて、アストラゼネカのカルケンス®(一般名:アカラブルチニブ、以下、カルケンス)とベンダムスチンおよびリツキシマブとの併用療法は、前治療歴のないマントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんにおいて、標準治療である化学免疫療法(ベンダムスチン+リツキシマブ)と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示し、全生存期間(OS)においても良好な傾向が示されました。

これらの結果は、スペイン マドリードで開催された2024年欧州血液学会(EHA)のレイトブレーキングオーラルプレゼンテーションにて発表されました。(抄録番号#LBA3439)

カルケンス併用療法群は、標準治療である化学免疫療法群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを27%低減したことが示されました(ハザード比[HR]0.73;95%信頼区間[CI]0.57~0.94;p=0.016)。PFSの中央値は、標準治療の化学免疫療法群(n=299)では49.6カ月であったのに対し、カルケンス併用療法群(n=299)では66.4カ月でした。

副次評価項目であるOSにおいても、カルケンス併用療法群は標準治療である化学免疫療法群と比較して良好な傾向が示され、本併用療法の臨床的ベネフィットがさらに裏付けられました(HR 0.86;95% CI 0.65-1.13;p=0.2743)。OSデータは本解析時点では成熟しておらず、本試験では重要な副次評価項目としてOSの評価を継続する予定です。

ECHO試験は、COVID-19のパンデミック期間中に登録が行われたため、その影響を評価するために、事前に規定したCOVID-19に関連する死亡を打ち切りとする解析を実施しました。

PFSは両群でさらに改善し、カルケンス併用療法群では病勢進行または死亡のリスクが36%低下しました(HR 0.64;95%CI 0.48-0.84;p=0.0017)。PFSの中央値は、標準治療である化学免疫療法群で61.6カ月であったのに対し、カルケンス併用療法群では未到達でした(HR 0.64;95% CI 0.48-0.84;p=0.0017)。本解析では、OSについては、カルケンス併用療法群に良好な傾向が認められました(HR 0.75; 95% CI 0.53-1.04; p=0.0797)。

米国ヒューストンのMDアンダーソンがんセンターのPuddin Clarke寄附講座の教授で、マントル細胞リンパ腫プログラムオブエクセレンスのディレクター、および臨床試験共同ディレクターであり、本試験の治験責任医師であるMichael Wang医学博士は、次のように述べています。「典型例で悪性度の高い形態を示す非ホジキンリンパ腫の一種であるマントル細胞リンパ腫の患者さんにとって、ECHO試験の結果は、MCL患者さんの大半を占める65歳以上の成人患者さんに対する新たな効果的な治療選択肢として期待されます。カルケンス併用療法を受けた患者さんにおいて化学免疫療法と比較して認められたPFSの改善は、MCLの一次治療における唯一のBTK阻害剤として、標準治療を変える可能性を示しています」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「ECHO試験のデータは、マントル細胞リンパ腫患者さんの予後改善における重要な進展を示しています。OSの改善傾向とともに、PFSの16.8カ月の延長は、臨床的に極めて意義のあることです。したがって、カルケンスと化学免疫療法の併用療法は、この疾患の患者さんにとって重要かつ新たな選択肢になると期待しています」。

結果概要:ECHO試験

結果概要:ECHO試験

カルケンスの安全性と忍容性は既知のプロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。グレード3以上の有害事象(AE)は、カルケンス併用療法群の88.9%(n=264)と標準治療である化学免疫療法群の88.2%(n=262)に発現しました。これにはグレード3以上の心房細動がそれぞれ3.7%(n=11)と1.7%(n=5)、グレード3以上の高血圧が5.4%(n=16)と8.4%(n=25)、グレード3以上の大出血が2.0%(n=6)と3.4%(n=10)、グレード3以上の感染症が41.1%(n=122)と34.0%(n=101)が含まれました。重篤なAEおよびグレード5の事象は、各群で同程度でした(それぞれ69%[n=205]と62%[n=184]、12.1%[n=36]と10.1%[n=30])。投与中止に至った有害事象は、カルケンス併用療法群の10.4%(n=31)とプラセボ群の6.4%(n=19)に認められました。本試験では、カルケンス併用療法群の9.4%(n=28)と標準治療である化学免疫療法群の6.7%(n=20)に発現したグレード5の事象を含め、COVID-19に関連する有害事象が認められました。

EHAで発表したアストラゼネカのその他のデータ
これらの確かなデータに加え、EHA 2024で発表されるデータは、当社が広範にわたる血液腫瘍に対して新たな併用療法を創出できるよう、次世代T細胞エンゲージャー、細胞療法および抗体薬物複合体を含む、複数のモダリティにおよぶ多様で革新的なパイプラインを進展させていることを示しています。
新規のCD19xCD3 T細胞エンゲージャーであるAZD0486に関する進行中の第I相用量漸増試験の結果では、複数の前治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者さんにおいて追跡期間中央値11カ月時点で持続的な奏効が示されました。AZD0486 2.4mg以上の用量で84%の完全奏効率が認められました。また、サイトカイン放出症候群(CRS)イベントはダブルステップアップ型の投与スケジュールにより効果的に軽減され、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)イベントは観察されませんでした。

オーラルプレゼンテーションでは、新たに診断された移植適応の高リスク多発性骨髄腫患者さんを対象とした、アストラゼネカ初の血液腫瘍に対する細胞治療薬GC012F(AZD0120)の医師主導治験の予備データが共有されました。初期の結果によると、GC012Fの全奏効率は100%、微小残存病変陰性の厳格な完全奏効率は95%で、忍容性は良好でした。グレード1~2のCRSは患者の27%(6/22)が経験し、ICANSや神経毒性は認められませんでした。GC012Fは、アストラゼネカの完全子会社であるGracell Biotechnologies社が開発したnext-day FasTCAR製造プラットフォームを使用して製造された、新規のBCMAxCD19二重標的自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法です。

注釈

マントル細胞リンパ腫について
MCLは、希少かつ典型例では悪性度の高い形態を示す非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種であり、多くの場合、進行期で診断され、暗殻と呼ばれるリンパ節の領域内でBリンパ球が悪性細胞に変異することによって生じます1,2。MCL患者は初期には治療反応性がありますが、再発する傾向があります3。MCLは非ホジキンリンパ腫の約3~6%を占め、欧米諸国での人口10万人当たりの年間発生率は0.5例です。米国では、毎年約4,000例のMCLが新たに診断されると推定されています3,4。世界中でMCLと診断された患者は2万7500人以上いると推定されています5,6

ECHO試験について
ECHO試験は、前治療歴のない65歳以上の成人MCL患者さん(n=598)を対象に、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブの併用療法の有効性および安全性を、標準治療の化学免疫療法(ベンダムスチンおよびリツキシマブ)と比較評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同第Ⅲ相試験です7。患者さんを1対1に無作為に割り付け、カルケンスまたはプラセボを1日2回、28日サイクルで経口投与し、さらに各サイクルの1日目と2日目にべンダムスチンを、1日目にリツキシマブを投与しました。導入療法を6サイクル行った後、すべての患者さんでカルケンスまたはプラセボと、ベンダムスチンおよびリツキシマブの併用療法を継続し、カルケンスまたはプラセボとリツキシマブの維持療法を2年間行い、その後病勢が進行するまでカルケンスまたはプラセボのみを投薬します7

主要評価項目は独立判定委員会の評価によるPFSで、主な副次評価項目はOS、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、奏効までの期間(TTR)でした7。この試験には、北米、南米、欧州、アジア、オセアニアの27カ国が参加しました7
ECHO試験は2017年5月から2023年3月まで、COVID-19の流行期を通じて患者さんの組入れが実施されました。血液がん患者さんは、COVID-19による入院や死亡などの重篤な転帰となるリスクが、一般集団に比べると依然として不釣り合いに高いままです8

カルケンスについて
カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します9。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、世界中で8万人以上の患者の治療に使用されており、米国と日本ではCLLおよび小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする世界各国ではCLLの治療薬として、中国では再発または難治性のCLLおよびSLLの治療薬として承認されています。また、カルケンスは米国、中国、その他数カ国において、少なくとも1回の前治療歴を有する成人MCL患者の治療薬として承認されました。なおカルケンスは現在、日本およびEUではMCLの治療薬としては承認されていません。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である化学免疫療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。
また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は6つの科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。最近、希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、血液悪性腫瘍の細胞療法に特化したGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の開発と提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Lymphoma Research Foundation. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://lymphoma.org/aboutlymphoma/nhl/mcl/. Accessed May 2024.
  2. National Organization for Rare Disorders. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://rarediseases.org/rare-diseases/mantle-cell-lymphoma/. Accessed May 2024.
  3. Cheah C, Seymour J, Wang ML. Mantle cell lymphoma. J Clin Oncol. 2016;34(11):1256-1269. doi: 10.1200/JCO.2015.63.5904.
  4. MD Anderson Cancer Center. What to know about mantle cell lymphoma. Available at: https://www.mdanderson.org/cancerwise/what-to-know-about-mantle-cell-lymphoma-symptoms-diagnosis-and-treatment.h00-159385101.html. Accessed May 2024.
  5. GLOBOCAN. Non-Hodgkin Lymphoma. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/34-non-hodgkin-lymphoma-fact-sheet.pdf. Accessed May 2024.
  6. Lynch DT, Koya S, Acharya U, et al. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK536985/. Accessed May 2024.
  7. ClinicalTrials.gov. A Study of BR Alone Versus in Combination With Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated MCL. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT02972840. Accessed May 2024.
  8. Dube S, et al. Continued Increased Risk of COVID-19 Hospitalisation and Death in Immunocompromised Individuals Despite Receipt of ≥4 Vaccine Doses: Updated 2023 Results from INFORM, a Retrospective Health Database Study in England. Poster P0409 at ECCMID 2024.
  9. Wu J, Zhang M, Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

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