本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年9月26日に発信したプレスリリースを抜粋して日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているタグリッソの適応症は国内の承認状況と異なります。
タグリッソが無増悪生存期間の中央値を3年以上に延長したことを示した
第Ⅲ相LAURA試験の結果に基づく
アストラゼネカのタグリッソ®(オシメルチニブ)は、白金製剤をベースにした同時または逐次化学放射線療法(CRT)治療中または治療後に病勢が進行しなかった切除不能なステージIIIの上皮成長因子受容体遺伝子変異を有する(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんの治療薬として米国で承認されました。タグリッソは、FDAで承認された検査でエクソン19欠失型またはエクソン21(L858R)点突然変異が検出された患者さんに対して投与されます。
この承認は、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッションで発表され、同時にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された第Ⅲ相LAURA試験の結果に基づき、米国食品医薬品局(FDA)による優先審査を受けたものです。
盲検下での独立中央判定による評価では、タグリッソはプラセボと比較して病勢進行または死亡のリスクを84%低下させました(ハザード比0.16;95%信頼区間0.10-0.24; p<0.001)。無増悪生存期間(PFS)中央値は、プラセボ群では5.6カ月であったのに対し、タグリッソ群では39.1カ月でした。
全生存期間(OS)の結果は、今回の解析ではイベント数未到達でした。本試験では副次評価項目であるOSを引き続き評価します。
米国では毎年20万人以上が肺がんと診断されており、これらの患者さんの80~85%が最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています1-3。さらに、米国のNSCLC患者さんの約15%にEGFR遺伝子変異が認められます4。NSCLCと診断された患者さんのほぼ5人に1人が、切除不能な腫瘍を有します5。
米国アトランタのエモリー大学ウインシップがん研究所のエグゼクティブディレクターであり、本試験の治験責任医師でもあるSuresh Ramalingam氏は、次のように述べています。「この承認は、ステージIIIのEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者さんにとって、オシメルチニブのベネフィットを受ける機会が得られる画期的な進歩となります。LAURA試験において、オシメルチニブで治療された患者さんは3年以上病勢進行なく生存しており、このすばらしいベネフィットは、肺がん患者さんをできるだけ早期に検査し診断することの重要性を裏付けるものです」。
アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「ステージIIIの切除不能なEGFRm NSCLC患者さんへのタグリッソの承認は、これまで標的療法の選択肢がなかったこの変異を有する患者さんの重要なニーズに対応するものです。LAURA試験の結果は、本疾患においてタグリッソが標準療法として与えうる強力な影響を示しています。この承認により、全ステージのEGFRm NSCLC患者さんにベネフィットがもたらされます」。
LAURA試験におけるタグリッソの安全性および忍容性は、確立されたプロファイルと一致しており、新たな安全性上の問題は確認されませんでした。
タグリッソは、EGFRm転移性NSCLC患者さんに対する単剤療法および化学療法との併用療法が一次治療、並びに早期ステージに対する術後補助療法において承認されています。タグリッソは、現在、この適応について世界中の他の国々の規制当局により審査中です。
注釈
肺がんについて
毎年、世界中で肺がんと診断される患者さんは240万人と推定されています6。肺がんは、男女ともにがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており6、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます。また、すべてのNSCLC患者さんのうち大多数が進行がんと診断されます7。
欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています8-9。EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります10。
LAURA試験について
LAURA試験は、白金製剤ベースの根治的化学放射線療法後に病勢が進行しなかった、切除不能なステージIIIのEGFRm NSCLC患者さんを対象とした、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、国際共同第Ⅲ相試験です。対象患者さんには、病勢進行、許容できない毒性、またはその他の中止基準を満たすまで、タグリッソ80mgが1日1回経口錠剤で投与されました。病勢進行時には、プラセボ群の患者さんにもタグリッソによる治療が提供されました。
本試験には、米国、欧州、南米、アジアを含む15カ国以上の145以上の施設で216名の患者さんが登録されました。主要評価項目はPFSの解析です。本試験は現在も進行中であり、副次評価項目であるOSを引き続き評価する予定です。
タグリッソについて
タグリッソ(オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系(CNS)転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中で80万人近い患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm NSCLCの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。
EGFRm NSCLCにおける標準治療としてタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がん、第Ⅲ相LAURA試験における局所進行肺がん、第Ⅲ相FLAURA試験および化学療法との併用での第Ⅲ相FLAURA2試験における進行期肺がんで患者さんの予後を改善しました。
肺がん患者さんを可能な限り早期に治療するというアストラゼネカの継続的な取り組みの一環として、タグリッソは術前補助療法として第Ⅲ相NeoADAURA試験を実施しており、今年後半に結果が得られる予定です。また、早期ステージの切除可能な術後補助療法として第Ⅲ相ADAURA2試験にも取り組んでいます。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるOrpathys(サボリチニブ)とタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらには他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
- Centers for Disease Control and Prevention. U.S. Cancer Statistics Lung Cancer Stat Bite. Available at: https://www.cdc.gov/united-states-cancer-statistics/publications/lung-cancer-stat-bite.html. Accessed August 2024.
- LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://www.lungevity.org/lung-cancer-basics/types-of-lung-cancer. Accessed August 2024.
- American Cancer Society. What Is Lung Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/lung-cancer/about/what-is.html. Accessed August 2024.
- Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011;29(15):2121-2127.
- Quint LE. Lung cancer: assessing resectability. Cancer Imaging. 2004;4(1):15-18.
- World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed August 2024.
- Cagle P, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Arch Pathol Lab Med. 2013;137(9):1191-1198.
- Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013;6(12): 2800-2812.
- Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013;66(2):79-89.
- Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.