本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年7月25日に発信したプレスリリースを抜粋して日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。
米国食品医薬品局(FDA)の抗がん剤諮問委員会(ODAC)は、第Ⅲ相AEGEAN試験の結果に基づき、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、アストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)が忍容性のある安全性プロファイルをもって主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)を達成したことを認めました。本試験では、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子が確認されていない、切除可能な早期(IIA-IIIB)NSCLCの成人患者さんを対象に、術前化学療法との併用、および術後での単剤療法として、イミフィンジによる治療を行いました。議論においては、本試験の試験デザインからは、周術期レジメンの術前化学療法と術後補助療法におけるそれぞれの寄与を明確に導き出すことはできないものの、患者さんにとって重要なレジメンになる可能性があると指摘されました。
FDAは、2023年10月にThe New England Journal of Medicineにて発表された、AEGEAN試験の良好な主要結果に基づき、2023年9月にイミフィンジについて本適応における生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理しました。
テキサス大学アンダーソンがんセンター(テキサス州・ヒューストン)の胸部/頭頸部腫瘍科教授および科長であるJohn V. Heymach医学博士は次のように述べています。「切除可能な非小細胞肺がん患者さんの大半が、手術および術前化学療法を受けたとしても再発に直面しています。ODACは、手術前後にデュルバルマブを用いることで、この喫緊のアンメットニーズに対応できる可能性を認めました。これにより、この根治を目指せる本適応において、患者さんが進行や再発イベントがなく生きられる時間を大きく延ばすことが期待できます」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「AEGEAN試験のデータについてのODACの議論では、切除可能な肺がん患者さんにおいてイミフィンジベースのこのレジメンが顕著なベネフィットをもたらしたことが強調されました。私たちはFDAと緊密に連携し、柔軟な化学療法の中心となるこの免疫療法の新たな選択肢を患者さんに提供することに全力を尽くしてまいります」。
AEGEAN試験において計画されていたEFSの中間解析結果では、化学療法単独の場合と比較して、手術前後にイミフィンジベースのレジメンで治療した患者さんにおいて、再発、進行イベントまたは死亡のリスクが32%低下するという統計学的に有意かつ臨床的に意義のある結果が認められました(イベント発現割合32%;EFSハザード比0.68; 95%信頼区間[CI]0.53~0.88; p=0.003902)。病理学的完全奏効(pCR)の最終解析において、イミフィンジと術前化学療法との併用療法のpCR達成割合は、術前化学療法単独の場合の4.3%に対し、17.2%という結果でした(pCR達成割合の差13.0%; 95%CI 8.7~17.6)。
イミフィンジの忍容性はおおむね良好で、術前および術後療法において新たな安全性シグナルは認められませんでした。さらに、イミフィンジを術前化学療法に追加した場合、この併用療法の既知の安全性プロファイルと一致しており、化学療法単独と比較して患者さんの手術完遂を損なうことはありませんでした。
ODACはFDAに対し、がんの治療に使用される市販薬および治験薬について独立した専門家機関としての助言および勧告を提供しています。FDAはODACからのフィードバックを考慮して提出書類を審査しますが、その勧告に縛られることはありません。
イミフィンジはAEGEAN試験の結果に基づき、スイスおよび英国において、EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子が確認されていないステージIIおよびIIIの切除可能なNSCLC成人患者さんの治療として承認されています。本治療法におけるイミフィンジの適応は現在欧州、中国およびその他数カ国において審査中です。
イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない切除不能なステージIIIのNSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。
注釈
肺がんについて
毎年、世界で肺がんと診断される患者さんは年間240万人と推定されています1。肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています1,2。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、80~85%がNSCLCと診断されています3,4。
NSCLCの患者さんの多くが進行がんで診断され、診断時に切除可能な状態であるのは全体の約25~30%です5,6。早期肺がんは、偶発的に撮像された画像で発見され、診断されることがほとんどです7,8。
切除可能な病変をもつ患者さんの大部分は、腫瘍の完全切除と術後補助化学療法にもかかわらず、最終的には再発します9。また、ステージIIの5年生存率は36~46%に過ぎません10。さらに、ステージIIIAでは24%、ステージIIIBでは9%にまで低下することから、依然高いアンメットニーズが存在していることがうかがえます10。
AEGEAN試験について
AEGEAN試験は、PD-L1発現の有無を問わず、切除可能なステージIIAからIIIB(AJCC Cancer Staging Manual第8版における定義)のNSCLC患者さんに対する周術期治療としてのイミフィンジを評価する、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。周術期療法には、術前および術後の治療が含まれ、ネオアジュバント/アジュバント療法とも呼ばれます。本試験では、802人の患者さんが無作為化され、手術前に3週間ごとに1,500mgの固定用量のイミフィンジと化学療法、またはプラセボと化学療法を4サイクル受け、さらに手術後にイミフィンジまたはプラセボを4週間ごとに(最大12サイクル)投与されました。EGFRまたはALK遺伝子変異が明らかな患者さんは、有効性の主要解析の対象から除外しました。
主要評価項目は、pCR(術前治療後にリンパ節を含めてがん細胞の残存が認められない状態)と、EFS(無作為割付けからがんの再発、根治的手術が不可能な進行、死亡などの事象までの期間)です。主要な副次評価項目は、mPR(術前化学療法後のがん細胞の残存率が10%以下)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、安全性およびQOLです。最終的な病理学的効果の解析は、全患者さんが試験プロトコルに従って、手術および病理診断を受けた後に実施しました。本試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど25カ国以上の264施設で実施されています。
イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、進展型SCLCの治療薬としても承認されており、さらには転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュド®(トレメリムマブ)および化学療法との併用療法として承認されています。
限局型小細胞肺がん(SCLC)について、イミフィンジは第Ⅲ相ADRIATIC試験にて、標準治療である同時化学放射線療法後に増悪しなかった患者さんに対し、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の2つの主要評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。
肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法において承認されています。また、本剤は、切除不能なHCCに対する単剤療法として日本および欧州で承認されており、米国では、ミスマッチ修復機能欠損を有する原発性進行・再発子宮体がんに対し、イミフィンジと化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)の併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。
2017年5月に初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、乳がん、膀胱がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意義のある改善を提供するために取り組んでいます。
アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
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