アストラゼネカのイミフィンジと化学療法の併用療法、進行胆道がんに対する初めての免疫治療薬として米国で承認を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年9月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

イミフィンジと化学療法の併用療法が化学療法単独と比較して死亡リスク20%の低下を示した第Ⅲ相TOPAZ-1試験の結果に基づく承認

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、局所進行または転移性胆道がん(BTC)の成人患者さんの治療薬として、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)と化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法が、米国で承認されたことを発表しました。

米国食品医薬品局(FDA)による今回の承認は、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の結果に基づいています。TOPAZ-1試験の中間解析では、イミフィンジと化学療法の併用により、化学療法単独と比べて死亡リスクが20%低下することが示されました(ハザード比[HR]0.80、95%信頼区間[CI]0.66-0.97、p=0.021)。治療開始から2年後の時点での患者さんの生存率は、イミフィンジと化学療法の併用療法で25%(4人に1人)、化学療法単独で10%(10人に1人)と推定されました。結果は、PD-L1の発現状況や腫瘍の原発部位にかかわらず、事前に規定されたすべてのサブグループで一致していました。

BTCは胆管や胆嚢にできる希少で悪性度の高いがんです1,2。米国では毎年約23,000人がBTCと診断されています1。BTCの患者さんの予後は不良で、5年生存率は約5~15%です3

ワシントンDCにある、メドスタージョージタウン大学病院・ジョージタウンロンバルディ総合がんセンターの消化器がんプログラムのリーダーであり、第Ⅲ相TOPAZ-1試験の治験責任医師でもあるAiwu Ruth He准教授は次のように述べています。「進行胆道がんの治療は10年以上もの間大きな進展がありませんでした。今回の承認は、忍容性が良好で、より効果的な新規の治療選択肢を早急に必要としている進行胆道がんの患者さんにとって、大きな一歩となるものです。イミフィンジと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比べて生存期間の延長を示しており、予後不良という問題に長年直面してきた進行胆道がんにおいて新たな標準治療となるべきものです」。

アストラゼネカのオンコロジービジネスユニットのエグゼクティブバイスプレジデントであるDave Fredricksonは次のように述べています。「今回の承認により、米国の進行胆道がん患者さんは、生存期間を延長でき、忍容性が良好な免疫治療に基づく治療選択肢を初めて手にすることができました。イミフィンジと化学療法の併用療法が承認されたことは、進行胆道がん治療への期待に挑戦し、アンメットニーズの高い消化器がん患者さんの治療を変革するという、当社が掲げる高い目標の達成に一歩近づくものです」。

また、米国胆管がん財団のCEOであるStacie Lindseyは次のように述べています。「胆道がんの患者さんは、一次治療における新たな選択肢を長年待ちわびていました。当財団は、全米の患者さんやそのご家族に大きな恩恵をもたらすアストラゼネカ社の希少がん研究への取り組みを称賛します。加えて、多くの希少がんの患者さんがこの治療薬の恩恵を受けられるのは、治験に参加いただいた患者さんたちのおかげですので、協力いただいた患者さんには特に感謝を申し上げたいと思います」。

第Ⅲ相TOPAZ-1試験の結果は、米国臨床腫瘍学会の2022年度消化器がん(ASCO GI)シンポジウムで発表され、New England Journal of Medicine Evidence誌にも掲載されました。イミフィンジと化学療法の併用療法の忍容性は概ね良好であり、化学療法単独と比較して、有害事象を原因とする投与中止率の上昇は認められませんでした。

2022年7月、イミフィンジと化学療法の併用療法は、TOPAZ-1試験から得られたデータに基づき、局所進行または転移性BTCの一次治療薬においてカテゴリー1の推奨レジメンとしてNCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCNガイドライン®)に追加されました4

米国FDAに提出したTOPAZ-1試験の結果は、複数の国の規制当局が抗がん剤の承認申請を同時審査する枠組みである「Project Orbis」のもとで審査されました。「Project Orbis」の一環として、イミフィンジと化学療法の併用療法は、同一の適応症についてオーストラリア医薬品行政局、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)、カナダ保健省、イスラエル保健省医薬品局、シンガポール健康科学庁、スイス医薬品局および英国の医薬品・医療製品規制庁などの規制当局でも審査が実施されています。

今回の米国における承認取得は、イミフィンジの本適応について優先審査指定および希少疾病用医薬品の指定取得に続くものです。現在、TOPAZ-1試験の結果に基づいた販売承認申請は、欧州、日本やその他の国々においても、規制当局による審査が進行中です。

※進行胆道がんの一次治療としてのイミフィンジの化学療法との併用療法は、本邦未承認です。

以上

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胆道がんについて
胆道がん(BTC)は、胆管、胆嚢または十二指腸乳頭部(胆管と膵管が小腸に結合する部分)から発生する希少で進行の早い消化器(GI)がんです1,2。胆管がんは中国や東南アジアで多くみられますが、欧米諸国でも罹患率が増加しています1,3。胆嚢がんは南米の一部の地域、インドおよび日本で多く見られます5

胆管や胆嚢で発症するBTCは、早期では無症状のことが多く、新規患者さんのほとんどが、進行期になってから診断されます。進行期のBTCでは治療選択肢が限られており、予後も不良です3,5,6

TOPAZ-1試験について
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性BTC患者さん685例を対象とした、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。本試験では、BTCの一次療法として、イミフィンジと化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)の併用療法と、プラセボと化学療法の併用療法を比較しました。

主要評価項目は全生存期間(OS)であり、主要な副次評価項目は無増悪生存期間、全奏効率および安全性でした。この試験は、米国、欧州、南米、さらに韓国、タイ、日本や中国などのアジアの数カ国を含む17カ国105施設で実施されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、米国におけるBTCの承認に加え、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能な局所進行(ステージIII)の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として承認されたがん免疫治療薬です。

また、イミフィンジは、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の治療薬として、米国、欧州、日本、中国およびその他の世界中の多くの国々で承認されています。2021年にCASPIAN試験から得られた最新の結果では、イミフィンジと化学療法との併用により患者さんの3年生存率が化学療法単独の3倍に上昇することが示されました。

2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。

イミフィンジの臨床ベネフィットはその他の様々ながんでも認められており、切除不能な進行肝細胞がん(HIMALAYA試験)および転移性NSCLC(POSEIDON試験)を対象とした第Ⅲ相試験で良好な結果が得られています。

※イミフィンジの切除不能な進行肝細胞がん、転移性NSCLCに対する適応は本邦未承認です。

消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました6

このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝細胞がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、現在、トレメリムマブなどとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、肝細胞がん、BTC、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、膵がんや結腸直腸がんなど、様々な消化器がんの治療薬として、広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを実施しています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
がん免疫治療(IO)はヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは主に、抗腫瘍免疫応答からの回避を克服するよう設計されたものです。当社は、がん種を問わず、より多くのがん患者さんの長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしています。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者さんにとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中です。

さらに、当社のIOポートフォリオをアストラゼネカオンコロジー全パイプラインあるいは研究パートナーの放射線療法、化学療法、標的低分子化合物と併用することにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Marcano-Bonilla L, et al. Biliary tract cancers: epidemiology, molecular pathogenesis and genetic risk associations. CCO. 2016;5(5).
2. ESMO. What is Biliary Tract Cancer. Available at:
https://www.esmo.org/content/download/266801/5310983/1/EN-Biliary-Tract-Cancer-Guide-for-Patients.pdf.
Accessed September 2022.
3. Turkes F, et al. Contemporary Tailored Oncology Treatment of Biliary Tract Cancers. Gastroenterol Res Pract. 2019:7698786.
4. Referenced with permission from the NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®) for Breast Cancer V2.2022. © National Comprehensive Cancer Network, Inc. 2022. All rights reserved. Accessed September 2022. To view the most recent and complete version of the guideline, go online to NCCN.org. NCCN makes no warranties of any kind whatsoever regarding their content, use or application and disclaims any responsibility for their application or use in any way.
5. Rawla P, et al. Epidemiology of gallbladder cancer. Clin Exp Hepatol. 2019;5(2):93-102.
6. Banales JM, et al. Cholangiocarcinoma 2020: the next horizon in mechanisms and management. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2020;17:557-588.

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