アストラゼネカのタグリッソ、FLAURA2試験の結果に基づき、添付文書の用法及び用量に関連する注意を改訂

EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん患者さんの治療薬として
化学療法剤との併用療法が可能に

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、タグリッソ®錠40mgおよび同80mg(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)について、局所進行性または転移性の上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんを対象に、タグリッソと化学療法剤との併用療法が可能と判断されたため、「用法及び用量に関連する注意」等における記載を変更し、日本における電子化された添付文書(以下、電子添文)を改訂したことをお知らせいたします。

電子添文における主な変更点は以下の通りです。

電子添文における主な変更点

埼玉医科大学国際医療センターの教授であり、FLAURA2試験の治験責任医師である小林 国彦先生は次のように述べています。「今回の添付文書改訂により、進行性EGFRm NSCLCの患者さんに対して、化学療法との併用療法という新たな治療選択肢が提供できるようになりました。EGFR遺伝子変異陽性肺がん治療の標準治療であるタグリッソをベースに、新たに有効性が認められたこの併用療法が使用できることで、我々医師も患者さんそれぞれの病状(L858R遺伝子変異陽性や中枢神経転移など)やニーズに応じて、より良い治療を選択することができるとともに、その患者さんにとって最善の予後をもたらすことが期待されます」。

加えて、公益財団法人がん研究会 有明病院 呼吸器センター長および呼吸器内科部長の西尾 誠人先生は次のように述べています。「今回のFLAURA2の適応拡大は、特にEGFR遺伝子変異陽性が腺がんの約半数に確認される日本を含むアジア圏において顕著な治療の進歩と考えています。EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの患者に対して新たな効果的な治療オプションを提示できることは、素晴らしく重要なことだとも考えています」。

今回の改訂は、The New England Journal of Medicineで発表された国際共同第Ⅲ相無作為化非盲検試験(FLAURA2試験)1の結果に基づくものです。本試験では、EGFR 遺伝子変異を有する局所進行または転移性の非小細胞肺がんに対して治療歴のない患者さん557 例(タグリッソ併用療法群279 例、タグリッソ単独療法群278 例)(日本人94例[タグリッソ併用療法群47 例、タグリッソ単独療法群47 例])を対象として、一次治療におけるタグリッソ80mgおよび化学療法(ペメトレキセドナトリウムおよび白金系抗悪性腫瘍剤)の併用治療とタグリッソ80mg による単剤治療の有効性および安全性が比較されました1

タグリッソと化学療法の併用療法は、一次治療の標準治療であるタグリッソ単剤療法に対し、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を38%低下させました(ハザード比[HR]0.62;95%信頼区間[CI]0.49-0.79; p<0.0001)。治験担当医師評価によるPFS中央値は、タグリッソと化学療法の併用療法において25.5カ月であり、タグリッソ単剤療法(16.7カ月)に対して8.8カ月延長しました。

EGFRm NSCLC 患者さんの一次治療において、タグリッソ投与により臨床転帰は改善するものの、大部分の患者さんでは病勢進行が認められます。タグリッソの耐性化を抑制できるより有効性、安全性の高い治療法が求められるなか、本試験において、タグリッソ単剤療法群と比較してタグリッソ併用療法群では、PFSで統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長が認められました1

また、イベント発生割合41%時点におけるOSの中間解析結果は、タグリッソと化学療法の併用療法群で良好な傾向を示しました(HR 0.75;95% CI 0.57-0.97)。この中間解析では、OSは統計学的に有意ではありませんでしたが、引き続き重要な副次評価項目として最終解析時に評価します。

タグリッソはこれまでに、本邦では、2016年3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M 変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」の適応で製造販売承認を取得、2018年8月には効能又は効果を「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」に変更し、2022年8月に「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法」を適応として一部変更承認を取得しています。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女ともにがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており2、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます3。また、NSCLC患者さんの大多数が進行がんと診断されます4

EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります5

FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与する併用治療を受けました。

この試験には、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で557人の患者さんが登録されました。主要評価項目はPFSでした。試験は現在進行中であり、引き続き、副次評価項目である全生存期間を評価する予定です。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中で80万人以上の患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm NSCLCの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。

EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がんと、第Ⅲ相FLAURA試験および第Ⅲ相FLAURA2試験における進行期肺がんの両方で患者さんの予後を改善させた唯一の分子標的治療薬です。

当社はまた、IA2~IA3期の切除可能な術後補助療法(ADAURA2試験)、術前補助療法(NeoADAURA)およびIII期の局所進行の切除不能な症例(LAURA試験)においても、第Ⅲ相試験を実施中です。

また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらには他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japan とインスタグラム AstraZeneca / アストラゼネカもフォローしてご覧ください。

References

  1. Planchard D, et al. N Engl J Med. 2023;389:1935-48
  2. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed June 2024
  3. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed June 2024.
  4. Cagle PT, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
  5. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.

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