アストラゼネカのタグリッソと化学療法の併用療法、EGFR遺伝子変異陽性の進行肺がんに対する治療薬として、欧州でCHMPが承認勧告

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年6月3日に発信したプレスリリースを抜粋し、日本語に翻訳したものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。
FLAURA2試験は製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。

タグリッソと化学療法の併用療法が、標準治療と比較して
無増悪生存期間(PFS)中央値を9カ月近く延長することを示した
FLAURA2試験の結果に基づく勧告

アストラゼネカのタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)は、化学療法(ペメトレキセドおよび白金系抗悪性腫瘍剤)との併用療法について、エクソン19欠失型またはエクソン21(L858R)点突然変異が確認された腫瘍を有する局所進行性または転移性の上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんを対象とした一次治療薬として、欧州連合(EU)で承認勧告されました。

欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、The New England Journal of Medicineにも掲載された第Ⅲ相FLAURA2試験の結果に基づき、肯定的な見解を示しました。

本試験の結果では、タグリッソに化学療法を追加することにより、一次治療の世界的な標準治療であるタグリッソの単剤療法に対し、病勢進行または死亡のリスクが38%低下したことが示されました(ハザード比[HR]0.62;95%信頼区間[CI]0.49-0.79;p<0.0001)。治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、タグリッソと化学療法の併用療法を受けた患者さんで25.5カ月であり、タグリッソ単剤療法(16.7カ月)と比較して8.8カ月改善しました。

全生存期間(OS)に関する2回目の中間解析時の結果は(イベント発現割合41%時点)イベント数が不十分でしたが、タグリッソと化学療法の併用療法では、タグリッソ単剤療法と比較して、OSのベネフィットに対する良好な傾向が認められました(HR 0.75;95% CI 0.57-0.97)。本試験では、重要な副次評価項目としてOSを引き続き評価します。

欧州では毎年、45万人以上が肺がんと診断されています1。最もよくみられる肺がんであるNSCLCの患者さんのうち、欧州の患者さんの約10~15%にEGFRmを伴う腫瘍がみられます2,3。さらに、NSCLC患者さんの大多数は進行がんと診断されています4

仏グスタフ・ルッシーがん研究所の胸部腫瘍医であり、本試験の治験責任医師であるDavid Planchard医学博士は、次のように述べています。「FLAURA2試験の結果は、EGFRm NSCLCの患者さんにおけるオシメルチニブ単剤療法の確立された有効性に基づくもので、化学療法を追加することにより、無増悪生存期間に約9カ月の意義のある改善がみられたことを示しています。本日の肯定的な勧告は、病勢進行までの期間を延長できる新たな治療選択肢を欧州の患者さんに提供するための重要な一歩です。これは、すでに単剤療法として承認済みのオシメルチニブの適応をさらに拡大するもので、これによって医師は、患者さん固有の疾患ニーズに合わせた治療法を提供する機会が得られることになります」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「本日のニュースは、EGFRm NSCLCにおける標準治療としてのタグリッソの重要性を補強するものです。欧州で承認されれば、患者さんはタグリッソ単剤療法と化学療法との併用療法の選択肢が得られることになり、これは脳転移のある患者さんやL858R点突然変異のある患者さんの治療時に特に重要です」。

タグリッソと化学療法の併用療法の安全性プロファイルはおおむね管理可能で、各薬剤の確立したプロファイルと一致していました。有害事象(AE)の発現率は、タグリッソと化学療法の併用療法群の方が高く、この差は主に化学療法に特徴的なAEに起因するものでした。有害事象による投与中止率は、タグリッソと化学療法の併用療法群で11%、単剤療法群で6%でした。

タグリッソは、米国、欧州、中国および日本を含む100カ国以上で単剤療法として承認されています。承認された適応には、局所進行または転移性EGFRm NSCLC患者さんの一次治療、局所進行または転移性EGFR T790M変異陽性NSCLCの患者さん、および早期EGFRm NSCLC患者さんの術後補助療法が含まれます。また、タグリッソと化学療法との併用療法は、局所進行または転移性EGFRm NSCLC患者さんの一次治療薬として、米国および他の数カ国でも承認されています。

以上

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肺がんについて
肺がんは、男女ともにがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており5、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます3。毎年、世界中で肺がんと診断される患者さんは240万人と推定されており、これらの患者さんの80~85%が最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています3,5-6。また、すべてのNSCLC患者さんのうち大多数が進行がんと診断されます7

欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFRmを有しています8-10EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が特に高くなります11

FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与する併用治療を受けました。

この試験には、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で557人の患者さんが登録されました。主要評価項目はPFSでした。試験は現在進行中であり、引き続き、副次評価項目であるOSを評価する予定です。

タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系(CNS)転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中で80万人近い患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm NSCLCの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。

EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がん、第Ⅲ相LAURA 試験における局所進行肺がん、第Ⅲ相FLAURA試験および第Ⅲ相FLAURA2試験における進行期肺がんで患者さんの予後を改善した唯一の分子標的治療薬です。
肺がん患者さんを可能な限り早期に治療するというアストラゼネカの継続的な取り組みの一環として、タグリッソは術前補助療法として第III相NeoADAURA試験を実施しており、今年後半に結果が得られる予定です。また、早期ステージの切除可能な術後補助療法として第III相ADAURA2試験にも取り組んでいます。

また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらには他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意義のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

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  2. Sanden SV, et al. Prevalence of Epidermal Growth Factor Receptor Exon 20 Insertion Mutations in Non-small-Cell Lung Cancer in Europe: A Pragmatic Literature Review and Meta-analysis. Targeted Onc. 2022;17:153-166.
  3. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for- patientscaregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed May 2024.
  4. Cagle PT, et al. Lung Cancer Biomarkers: Present Status and Future Developments. Archives Pathology Lab Med. 2013;137:1191-1198.
  5. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed May 2024.
  6. American Cancer Society. What Is Lung Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/about/what-is.html. Accessed May 2024.
  7. Cancer.Net. Lung Cancer - Non-Small Cell: Statistics. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed May 2024.
  8. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011;29:2121-27.
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  10. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013;66:79-89.
  11. Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.

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