本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年3月21日に発信したプレスリリースを抜粋し、日本語に翻訳したものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
FLAURA2試験は製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。
併用療法は、事前に規定した病勢進行後の予後に一貫した有効性を示した
第Ⅲ相FLAURA2試験の結果から、アストラゼネカのタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)と化学療法の併用療法が、局所進行または転移性の上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんにおいて、病勢進行後の予後において臨床的に意義のある、かつ一貫した有効性をもたらすことが示されました。タグリッソと化学療法の併用療法は、2年間の追跡においても全生存期間(OS)の良好な改善傾向を示しました。これらの結果は、チェコ共和国プラハで開催された2024年欧州肺がん会議(ELCC)で発表されました(抄録#4O)。
これは、国際肺がん学会(IASLC)による2023年世界肺がん会議(WCLC)で発表され、The New England Journal of Medicineに掲載された、タグリッソと化学療法の併用療法が主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したデータに続くものです。これらの結果に基づき、米国食品医薬品局(FDA)による優先審査を受け、2024年2月に米国において、タグリッソと化学療法の併用療法が承認されました。
イベント発生割合41%時点におけるOSの中間解析結果は、タグリッソと化学療法の併用療法群で良好な傾向を示し(ハザード比[HR]0.75;95%信頼区間[CI]0.57-0.97)、ベースライン時の性別、人種、EGFR遺伝子変異のタイプ、診断時の年齢、喫煙歴、全身状態および中枢神経系(CNS)転移の状態を含む事前に規定したサブグループにおいて一貫した結果でした。この中間解析では、OSは統計学的に有意ではありませんでしたが、引き続き重要な副次評価項目として最終解析時に評価します。
また、タグリッソと化学療法の併用療法は、事前に規定した病勢進行後の評価項目である、無作為割り付けから初回の後治療開始までの期間(TFST; HR 0.73; 95% CI 0.56-0.94)、二次治療での病勢進行までの期間(PFS2; HR 0.70; 95% CI 0.52-0.93)および無作為割り付けから2回目の後治療開始までの期間(TSST; HR 0.69; 95% CI 0.51-0.93)においても一貫した有効性を示しました。
Dana-Farberがん研究所の腫瘍内科医でありFLAURA2試験の治験責任医師であるPasi A.Jänne医学博士は次のように述べています。「標準治療のオシメルチニブに化学療法を併用した場合の病勢進行後の予後改善、中でも全生存期間の有望な傾向は、進行性EGFR遺伝子変異陽性の肺がんの患者さんを勇気づけるものです。これらの結果は、とくに脳転移を有する患者さん、L858R変異陽性の患者さん、または他の予後不良の要因を抱える患者さんにとって、新たな治療選択肢の重要性をさらに証明するものです」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「FLAURA2試験は、EGFRm 非小細胞肺がん患者さんにおいて、タグリッソは単剤療法または化学療法との併用療法のいずれにおいても、標準療法として裏付け、進行がんの一次治療において報告されている最も長い無増悪生存期間という有益性をもたらします。私たちは、全生存期間の良好な傾向をうれしく思うとともに、OSのイベント数が十分となったときのデータを楽しみにしています」。
重要な病勢進行後の結果概要: FLAURA2
FLAURA2試験における追加の安全性解析もELCCで発表されました(抄録#10P)。有害事象の発現割合および重症度は、タグリッソと白金製剤を含む初回化学療法併用後に最も高く、維持療法期間の経過とともに低下しました。
FLAURA2試験の患者報告アウトカムもELCCで発表されました(抄録#9P)。その結果では、タグリッソと化学療法の併用療法後に、健康関連QOL(HRQoL)の改善傾向と呼吸困難(息切れ)、胸痛および咳嗽の症状の改善傾向を示しました。タグリッソに化学療法を追加したことによるHRQoLの低下は、いずれも臨床的に意味あるものではなく、一時的であり、白金製剤を含む化学療法終了後には解消されました。
タグリッソは、米国、EU、中国および日本を含む100カ国以上で単剤療法として承認されています。承認された適応には、局所進行または転移性のEGFRm NSCLC、局所進行または転移性のEGFR T790M変異陽性NSCLC、および早期EGFRm NSCLCの補助療法が含まれます。また、第Ⅲ相FLAURA2の結果に基づき、数カ国で規制当局への承認申請が検討されています。
肺がん患者さんを可能な限り早期に治療するというアストラゼネカの継続的な取り組みの一環として、タグリッソは術前補助療法として第Ⅲ相NeoADAURA試験を実施しており、今年後半に結果が得られる予定です。また、早期ステージの切除可能な術後補助療法として第Ⅲ相ADAURA2試験にも取り組んでいます。これらの第Ⅲ相試験はそれぞれ、早期ステージにおけるタグリッソの有効性を検証する役割を果たします。
注釈
肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており1、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます2。毎年、世界中で肺がんと診断される患者さんは240万人と推定されており、これらの患者さんの80~85%が最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています。また、すべてのNSCLC患者さんの大多数が進行がんと診断されます1-3。
欧米ではおよそ10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています4-6。EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります7。
FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与する併用治療を受けました。
この試験には、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で557人の患者さんが登録されました。主要評価項目はPFSでした。試験は現在進行中であり、引き続き、副次評価項目である全生存期間を評価する予定です。
タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中で80万人以上の患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm NSCLCの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。
EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がんと、第Ⅲ相LAURA試験における局所進行期肺がんと、第Ⅲ相FLAURA試験および第Ⅲ相FLAURA2試験における進行期肺がんの両方で患者さんの予後を改善させた唯一の分子標的治療薬です。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらには他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
- World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed March 2024.
- LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed March 2024.
- Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
- Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in
Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of
European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013;6:2800-2812. - Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011;29:2121-2127.
- Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013;66:79-89.
- Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.