本資料はアストラゼネカ英国本社が2023年10月21日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
第Ⅲ相FLAURA2試験でタグリッソと化学療法の併用療法を受けた患者さんの59%で
脳転移巣の完全奏効が認められた
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、事前に規定された第Ⅲ相FLAURA2試験の探索的解析の結果を発表しました。盲検下独立中央判定(BICR)の評価では、タグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)と化学療法の併用療法はタグリッソ単剤療法と比較して、局所進行または転移性の上皮成長因子受容体変異(EGFRm)の非小細胞肺がん(NSCLC)でベースライン時に脳転移を有していた患者さん(本臨床試験に参加した患者さんの40%)の中枢神経系(CNS)における無増悪生存期間(PFS)を42%改善したと報告されました。
今回の結果は2023年10月21日、スペインのマドリッドで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において口頭発表されました(抄録 #LBA68)。
BICRの評価において、タグリッソと化学療法の併用療法は、タグリッソ単剤療法と比較してCNSの病勢進行または死亡リスクが42%減少しました(ハザード比[HR]0.58;95%信頼区間[CI]0.33-1.01)。2年時点におけるCNSでの病勢進行または死亡が認められなかった患者さんの割合はタグリッソと化学療法の併用療法群では74%であったのに対し、タグリッソ単剤療法群では54%でした。また、CNSでの完全奏効(CR)が認められた患者さんの割合も、タグリッソ単剤投与群で43%、化学療法との併用療法群で59%という結果が示されました。
Gustave Roussy Institute of Oncologyの胸部腫瘍医であり、本治験の治験責任医師であるDavid Planchard医学博士は、次のように述べています。「タグリッソは血液脳関門を通過することができ、脳転移のない患者さんよりも予後不良となることが多い中枢神経系への転移を伴う肺がん患者さんの転帰を改善することが証明されています。FLAURA2試験では、タグリッソに化学療法を併用することで、中枢神経系への転移を伴う患者さんの半数以上で完全奏効および脳内の腫瘍消失が認められました」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回の結果から、ベースライン時に脳転移を有していた患者さんにFLAURA2レジメンを用いたところ意義のある結果が認められ、脳にがんが転移した患者さんに希望をもたらしました。これらのデータは、FLAURA 2試験における無増悪生存期間の良好な最新結果に基づいており、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんにおける中心的治療としてのタグリッソの効果をさらに補強するものです」。
化学療法を併用した場合のタグリッソの安全性プロファイルは概ねコントロール可能であり、有害事象はタグリッソと化学療法併用群の方が発現率が高かったものの、併用療法群で見られた有害事象は各薬剤において確立されたプロファイルと一貫していました。本試験において、タグリッソが投与中止に至った割合は化学療法併用群では11%、タグリッソ単剤療法群では6%でした。
タグリッソと化学療法併用群において、タグリッソ投与期間の中央値は22.3カ月間であり、白金製剤を含む化学療法の投与期間の中央値は2.8カ月間、ペメトレキセドの投与期間の中央値は8.3カ月間でした。
FLAURA2試験のCNSに対する有効性結果概要i
2023年世界肺癌学会で発表された第Ⅲ相FLAURA2試験のPFSデータに基づき、局所進行または転移性EGFRm NSCLC成人患者さんの一次治療として、今月初めに米国食品医薬品局(FDA)より化学療法を併用したタグリッソの優先審査指定を取得しました。さらに2023年8月には、本設定においてタグリッソと化学療法の併用療法がFDAからブレークスルー・セラピーの指定を受けました。
※FLAURA2試験は、本邦においては製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。
以上
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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており1、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます2。すべてのNSCLC患者さんのうち大多数が進行がんと診断されます3。
EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります4。
FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相ランダム化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与を併用する治療を受けました。
この試験は、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で実施され、557人の患者さんが参加しました。主要評価項目はPFSで、副次評価項目である全生存期間を引き続き評価する予定であり、試験は現在進行中です。
タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中の適応で70万人近い患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm非小細胞肺がんの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。
タグリッソは米国、EU、中国および日本を含む100カ国以上で単剤療法として承認されています。これらの療法には、局所進行または転移性EGFRm NSCLC患者さんの一次治療、局所進行または転移性EGFR T790M変異陽性NSCLC患者さんの一次治療、および早期(IB、IIおよびIIIA期)EGFRm NSCLC患者さんの術後補助療法が含まれており、タグリッソによる統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるOSベネフィットが示されました。
EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がんと第Ⅲ相FLAURA試験における進行肺がんの両方で生存期間を延長させた唯一の分子標的治療薬です。
当社はまた、IA2~IA3期の切除可能な術後補助療法(ADAURA2試験)、術前補助療法(NeoADAURA)およびIII期の局所進行の切除不能な症例(LAURA試験)においても、第Ⅲ相試験を実施中です。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらに、他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュド®(トレメリムマブ)や第一三共と共同開発を進めているエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)およびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているOrpathys(savolitinib)、多様な作用機序にまたがる新薬候補と併用療法の新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれ、次々とイノベーションを展開しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。
※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
- World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed October 2023.
- LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://www.lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed October 2023.
- Cancer.Net. Lung Cancer - Non-Small Cell: Statistics. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed October 2023.
- Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.