アストラゼネカのイミフィンジ、第Ⅲ相AEGEAN試験において、術前術後の投与により切除可能なNSCLC患者さんの再発、病勢進行もしくは死亡リスクを32%低減

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年4月16日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

AACR2023において、術前化学療法にイミフィンジを追加した併用療法の
病理学的完全奏効の達成割合は、術前化学療法単独との比較で4倍であることが発表された

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相AEGEAN試験の良好な結果を発表しました。切除可能な早期(IIA~IIIB)の非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象とした本試験では、術前化学療法へのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])の併用および術後のイミフィンジ単剤療法による治療が、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間(EFS)の延長を示しました。

主要評価項目の1つである病理学的完全奏効(pCR)についても、以前に報告された中間解析において、術前化学療法へのイミフィンジの併用が、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ意義のある改善を示しました。最終解析結果は、これまでに報告された中間解析における良好な結果と一致していました。

この結果は、フロリダ州オーランドで開催された米国癌学会(AACR)年次総会のプレナリーセッションで発表されました(抄録#CT005)。

事前に計画されたEFSの中間解析において、術前術後にイミフィンジベースのレジメンで治療を受けた治療群では、化学療法単独群と比較して、再発、病勢進行または死亡のリスクが32%低下したことが示されました(イベント発現割合32%時点における解析、EFSハザード比[HR]0.68、95%信頼区間[CI]0.53-0.88; p=0.003902)。pCRの最終解析では、術前のイミフィンジと化学療法併用群ではpCR達成割合が17.2%であったのに対し、術前化学療法単独群では4.3%でした(pCRの差13.0%; 95% CI 8.7-17.6)。本試験は、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を含む主要な副次評価項目を評価するため、計画通り継続します。

テキサス大学 アンダーソンがんセンターの胸部/頭頸部腫瘍科教授および科長であるJohn V.Heymach医学博士は次のように述べています。「現在、あまりに多くの切除可能な非小細胞肺がん患者さんが、疾患の再発と予後不良を経験しています。今回示された結果から、手術前後にイミフィンジを追加する治療法は、がん患者さんの予後を変え、根治の可能性を高め得る、併用療法の中軸となる治療アプローチとなることが期待できます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「AEGEAN試験は、切除可能な肺がんにおいて、この新規のイミフィンジベースのレジメンが患者さんの転帰を有意に改善させることを示しており、肺がんの根治が最も期待できる早期ステージでの診断がいかに重要であるかが改めて立証されました。この重要で新しい治療選択肢を患者さんに提供することを目標として、これらのデータを世界各国の規制当局と話し合えることを期待しています」。

結果の概要

結果の概要

イミフィンジの忍容性は全般的に良好であり、術前化学療法とイミフィンジとの併用療法の安全性は、既知のプロファイルと一貫していました。イミフィンジ併用群では77.6%が手術を完了することができたのに対し、化学療法単独群では76.7%でした。原因を問わずグレード3/4の有害事象発生割合は、イミフィンジ併用群の42.3%に対し、化学療法単独では43.4%でした。

※IIA~IIIB期の切除可能なNSCLC患者さんを対象として、術前化学療法にイミフィンジを併用し、術後補助療法としてイミフィンジを単剤で用いる治療は、本邦未承認です。

以上

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肺がんについて
世界で肺がんと診断される患者さんは年間220万人と推定されています1。肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています1。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、80~85%がNSCLCと診断されています2,3

NSCLCの患者さんの多くが進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは全体の約25~30%です4,5。早期肺がんは、偶発的に撮像された画像で発見され、診断されることがほとんどです6,7

切除可能と診断されて、腫瘍の完全切除および術後補助化学療法を行っても、ほとんどの患者さんが最終的に再発します4。また、II期の5年生存率は56~65%に過ぎません8。さらに、IIIA期では41%、IIIB期では24%にまで低下することから、依然高いアンメットニーズが存在していることがうかがえます8

AEGEAN試験について
AEGEAN試験は、PD-L1発現の有無を問わず、切除可能なIIA期からIIIB期(AJCC Cancer Staging Manual第8版における定義)のNSCLC患者さんに対する周術期治療としてのイミフィンジを評価する、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。周術期療法には、術前および術後の治療が含まれ、ネオアジュバント/アジュバント療法とも呼ばれます。本試験では、802人の患者さんが無作為化され、手術前に3週間ごとに1500mgの固定用量のイミフィンジと化学療法、またはプラセボと化学療法を4サイクル受け、さらに手術後にイミフィンジまたはプラセボを4週間ごとに(最大12サイクル)投与されました。EGFRまたはALK遺伝子変異が明らかな患者さんは、有効性の主要解析の対象から除外しました。

主要評価項目は、pCR(術前治療後にリンパ節を含めて活動可能ながんが認められない状態)と、EFS(無作為割付けからがんの再発、根治的手術が不可能な進行、死亡などの事象までの期間)です。主要な副次評価項目は、mPR(術前化学療法後のがん細胞の残存率が10%以下)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、安全性およびQOLです。最終的な病理学的効果の解析は、全患者さんが試験プロトコルに従って、手術および病理診断を受けた後に実施しました。本試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアなど25カ国以上の264施設で実施されています。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能なIII期の局所進行NSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。

また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型SCLCの治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多く国々でも承認されています。2021年の探索的解析では、CASPIAN試験の最新の結果から、イミフィンジと化学療法の併用療法が、化学療法単独と比較して、3年経過時点での生存患者数を3倍に改善したことが示されました。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で転移性NSCLCの治療薬として承認されています。

肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは米国、欧州、日本およびその他数カ国では局所進行または転移性胆道がんにおける化学療法との併用療法で、米国、EUおよび日本では切除不能な肝細胞がんにおけるイジュドとの併用療法で、および数カ国では進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬として承認されています。

2017年5月に初めて承認されて以来、10万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

アストラゼネカでは、切除可能なNSCLC(ADJUVANT BR.31)および切除不能なNSCLC(PACIFIC-2、4、5、8、9)、限局型SCLC(ADRIATIC)など、肺がんの初期段階におけるイミフィンジの検証に焦点を当てた臨床試験が進行中です。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮内膜がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。

なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ®(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュドや第一三共と共同開発を進めているエンハーツおよびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているsavolitinibなど、新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれます。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん腫において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の活用も推進しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at:
https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed April 2023.
2. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at:
https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed April 2023.
3. Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
4. Pignon JP, et al. Lung Adjuvant Cisplatin Evaluation: A Pooled Analysis by the LACE Collaborative Group. J Clin Oncol. 2008;26(21):3552-3559.
5. Le Chevalier T. Adjuvant Chemotherapy for Resectable Non-Small-Cell Lung Cancer: Where is it Going? Ann Oncol. 2010;21:vii196-198.
6. Sethi S, et al. Incidental Nodule Management – Should There Be a Formal Process? J Thorac Onc. 2016:8;S494-S497.
7. LUNGevity Foundation. Screening and Early Detection. Available at:
https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/screening-early-detection. Accessed April 2023.
8. Goldstraw P, et al. The IASLC Lung Cancer Staging Project: Proposals for Revision of the TNM Stage Groupings in the Forthcoming (Eighth) Edition of the TNM Classification for Lung Cancer. J Thorac Oncol. 2016;11(1):39-51.

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