| 本資料はアストラゼネカ英国本社が2022年12月15日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。 |
アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])およびMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米およびカナダ以外ではMSD)は、米国食品医薬品局(FDA)が、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の患者さんの治療薬としてのリムパーザ(一般名:オラパリブ)とアビラテロンおよびprednisone/プレドニゾロンとの併用療法の追加承認申請(sNDA)について、さらなる審査を行うため、処方箋医薬品ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAが目標とする審査の判断期日を3カ月延長することを通知したことを発表しました。両社は、審査完了にむけて、FDAと引き続き協力します。
当該sNDAは、2022年6月にNEJM Evidenceに発表された第Ⅲ相PROpel試験の結果に基づいて提出され、2022年8月には優先審査品目に指定されました。アストラゼネカとMSDは、mCRPC患者さんがこの治療を受けられるように、FDAと協力していきます。
欧州医薬品庁の欧州医薬品評価委員会(CHMP)は11月、化学療法が臨床上適応とならないmCRPCの成人患者さんに対する治療薬として、EUでアビラテロンおよびprednisone/プレドニゾロンとの併用療法におけるリムパーザの承認を推奨する肯定的な見解を示しました。この併用療法はその他数カ国でも薬事承認審査中です。
リムパーザは、第Ⅲ相PROfound試験の結果に基づき、エンザルタミドまたはアビラテロンによる前治療後に進行した相同組換え修復(HRR)遺伝子変異を有するmCRPC(BRCA遺伝子変異陽性および他のHRR遺伝子変異陽性)患者さんに対する単剤療法として米国で承認されており、欧州、日本および中国では、新規ホルモン製剤治療を含む前治療後に進行したBRCA遺伝子変異陽性mCRPC患者さんに対する治療として承認されています。
※転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)のアビラテロンとの併用療法におけるリムパーザの適応およびPrednisoneは、本邦未承認です。
以上
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転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)について
転移性前立腺がんは死亡率の高いがんです1。前立腺がんの進展は多くの場合、テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進されます2。
男性ホルモンの作用を阻害するアンドロゲン除去療法を行ったにもかかわらず、前立腺がんが増殖し、他の部位に転移した場合、mCRPCと診断されます3。進行性前立腺がんの患者さんの約10~20%は5年以内に去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)へと進行し、そのうち84%以上の患者さんはCRPC診断時に転移を有しています3。また、CRPC診断時に転移のない患者さんであっても、そのうちの33%は2年以内に転移が確認されます4。
タキサン系抗がん剤と新規ホルモン製剤(NHA)による治療により、この10年間でmCRPC治療は進歩していますが、この集団におけるアンメットニーズは高いと考えられます3,5,6,7。
PROpel試験について
PROpel試験は、化学療法またはNHAによる治療歴のないmCRPC患者さんを対象に、アビラテロンに加えてリムパーザを投与した場合の有効性、安全性、忍容性をプラセボおよびアビラテロンとの併用と比較検討する無作為化二重盲検多施設共同第Ⅲ相試験です。
両治療群の患者さんには、Prednisoneまたはプレドニゾロンのいずれかを1日2回投与しました。主要評価項目は治験責任(分担)医師が評価したrPFSであり、盲検下での独立中央評価(BICR)による感度分析を行い、副次評価項目には全生存期間(OS)、2回目の病勢進行または死亡までの期間(PFS2)、初回の後治療までの期間(TFST)およびQOLの評価が含まれます。
第Ⅲ相PROpel試験では、リムパーザはアンドロゲン受容体(AR)経路を標的とするNHAであるアビラテロンと併用されました。
ARシグナル伝達は、前立腺がんにおける腫瘍細胞の増殖と生き残りに重要な転写プログラムに関与しています8,9。前臨床試験では、PARPシグナル伝達とAR経路との相互作用が確認されており、HRR欠損を有する前立腺がんでもHRR欠損のない前立腺がんでも、リムパーザとアビラテロンのようなNHAの併用による抗腫瘍作用が報告されています10-12。
PARP1タンパク質は、アンドロゲン受容体の転写活性に必要であることが報告されています。したがって、リムパーザでPARPを阻害すると、アンドロゲン受容体の標的遺伝子の発現が損なわれ、NHAの活性が高まると考えられています8,11,13。また、アビラテロンは、HRR欠損を誘発し、PARP阻害に対する感受性を高めると考えられる一部のHRR遺伝子の転写を変化/阻害する可能性があると考えられています10,12,14,15。
さらなる情報については、ClinicalTrials.gov.をご覧ください。
リムパーザについて
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異など、あるいは他の薬剤(NHAなど)により誘発される相同組換え修復(HRR)の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。
リムパーザによるPARPの抑制は、DNA一本鎖切断、複製フォーク停止に結合したPARPの捕捉、それらの崩壊およびDNA二本鎖切断の生成およびがん細胞死をもたらします。
リムパーザは現在、様々ながん種を対象に多くの国で承認されており、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法を含め、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法として、単独療法およびベバシズマブとの併用療法がそれぞれ用いられています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がん、およびHRR関連遺伝子変異陽性mCRPC(EUおよび日本ではBRCAmのみ)に対しても承認されています。中国においては、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬、ならびにBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんにおける初回治療後の維持療法として承認されています。
アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われているリムパーザは、全世界で75,000人を超える患者さんの治療に使用されています。リムパーザはPARP阻害剤として最も広範な臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは、さまざまながん種にわたり、リムパーザが単剤療法および他の薬剤との併用療法としてPARP依存性腫瘍に及ぼす影響を解明するために協業しています。リムパーザは、がん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。
アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、英国アストラゼネカ社とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(北米およびカナダ以外ではMSD)は、世界初のPARP阻害薬であるリムパーザおよび、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害薬であるKoselugo(セルメチニブ)について、複数のがん種において共同開発・商業化するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。
両社は、リムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として共同開発します。なお、リムパーザおよびセルメチニブと、各々の会社が保有するPD-L1またはPD-1阻害薬との併用療法は各々の会社で開発します。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
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2. Cancer.Net. Prostate Cancer: Types of Treatment. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/prostate-cancer/types-treatment. Accessed December 2022.
3. Kirby, M, et al. Characterising the Castration-Resistant Prostate Cancer Population: a Systematic Review. Int J of Clin Pract. 2021;65(11):1180-1192.
4. George D, et al. Treatment Patterns and Outcomes in Patients With Metastatic Castration-resistant Prostate Cancer in a Real-world Clinical Practice Setting in the United States. Clin Genitourin Cancer. 2020 Aug;18(4):284-294.
5. UroToday. What is Changing in Advanced Prostate Cancer? Available at
https://www.urotoday.com/journal/everyday-urology-oncology-insights/articles/122176-what-is-changing-in-advanced-prostate-cancer.html. Accessed December 2022.
6. Liu J, et al. Second-line Hormonal Therapy for the Management of Metastatic Castration-resistant Prostate Cancer: a Real-World Data Study Using a Claims Database. Sci Rep. 2020;10(1):4240.
7. UroToday. Beyond First-line Treatment of Metastatic Castrate-resistant Prostate Cancer. Available at
https://www.urotoday.com/library-resources/mcrpc-treatment/114592-beyond-first-line treatment-of-metastatic-castrate-resistant-prostate-cancer.html. Accessed December 2022
8. Schiewer MJ, et al. Dual Roles of PARP-1 Promote Cancer Growth and Progression. Cancer Discov. 2012;2(12):1134-1149.
9. Schiewer MJ & Knudsen KE. AMPed up to treat prostate cancer: novel AMPK activators emerge for cancer therapy. EMBO Mol Med. 2014;6(4):439-441.
10. Li L, et al. Androgen Receptor Inhibitor–Induced “BRCAness” and PARP Inhibition are Synthetically Lethal for Castration-Resistant Prostate Cancer. Sci Signal. 2017; 10(480):eaam7479.
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14. Goodwin JF, et al. A Hormone-DNA Repair Circuit Governs the Response to Genotoxic Insult. Cancer Discov. 2013;3(11):1254-1271.
15. Tarish FL, et al. Castration Radiosensitizes Prostate Cancer Tissue by Impairing DNA Double-Strand Break Repair. Sci Transl Med. 2015;7(312):312re11.