単一吸入器による3剤定量配合吸入薬が、2剤配合吸入薬と比較して
統計学的に有意な改善を示した
第Ⅲ相KALOS試験の結果に基づく承認
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:アンドリュー・バーネット、以下、アストラゼネカ)は、「ビレーズトリ®14.4エアロスフィア®56吸入/120吸入」(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物160/14.4/4.8μg、以下、ビレーズトリ14.4)について、成人および12歳以上の小児における気管支喘息の治療薬として、2026年8月24日付で、厚生労働省より承認を取得しましたことをお知らせいたします。ビレーズトリは、ICS/LABA配合剤の有効性にLAMAを組み合わせた、単一吸入器による固定用量3剤併用療法です。
厚生労働省による本承認は、コントロール不良の喘息患者さんを対象とした第Ⅲ相KALOS試験およびLOGOS試験の結果に基づくものです。日本人も組み入れられたKALOS試験において、ビレーズトリ14.4はICS/LABAの2剤配合治療薬と比較して、投与12~24週の朝の投与前トラフFEV1のベースラインからの変化量が42mL(95%信頼区間:10~74mL,p=0.011)と、統計学的に有意な肺機能の改善を示しました1。主要な副次評価項目である12~24週のFEV1 AUC0-3のベースラインからの変化量において、ビレーズトリ14.4はKALOS試験で65mL(95%信頼区間:30~101mL,p<0.001)の改善を示し、統計学的に有意な改善が認められました。
今回の承認について、近畿大学病院 病院長 東田 有智先生は、次のように述べています。「標準的治療を受けているにもかかわらず、症状コントロールが不十分な喘息患者さんは依然として存在し、症状悪化への不安や日常的な呼吸困難、増悪のリスクを抱えています。今回の日本におけるビレーズトリ14.4の承認は、喘息患者さんに新たな治療選択肢をもたらすものであり、疾患負荷の軽減に貢献できると期待しています」。
また、帝京大学医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 教授 長瀨 洋之先生は、次のように述べています。「喘息とともに生きる多くの方々にとって、日々の症状や増悪への不安は依然として大きな課題です。日本におけるビレーズトリ14.4の承認は、3剤配合吸入薬を必要とする患者さんの疾患コントロール改善に資する新たな治療選択肢を提供する重要なマイルストーンです」。
アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のヴィクラム・チャンドは次のように述べています。「ビレーズトリは、COPD領域では3剤配合吸入薬として、すでに患者さんのアウトカム改善に貢献しています。今回、そのベネフィットを喘息患者さんにも拡大できることを大変嬉しく思います。当社は革新的なサイエンスによって、呼吸器疾患治療の進歩を引き続き牽引してまいります」。
厚生労働省の患者調査によると、日本における喘息の総患者数は約185万人と推計されており2、2剤併用療法を受けている人々の半数近くがコントロール不良とされています3。コントロール不良の場合、気道の炎症と気管支平滑筋の収縮により、喘鳴、息切れ、胸部絞扼感、咳嗽、場合によっては死に至る可能性があります4–6。標準治療薬が利用可能であるにもかかわらず、多くの患者さんで依然として十分なコントロールが得られておらず、肺機能の著しい悪化やQOLの低下が続いています5,6。
KALOS試験およびLOGOS試験の結果は、2026年2月にThe Lancet Respiratory Medicineに掲載されました1。両試験において、ビレーズトリ14.4に関する新たな安全性または忍容性シグナルは認められませんでした1。
ビレーズトリは、米国においては本年4月に、成人および12歳以上の小児の患者さんを対象に喘息治療薬として承認されており、欧州では欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)により、Trixeo Aerosphereの販売名で喘息治療薬として承認勧告を受けています。現在、中国を含む他の主要地域で規制当局審査が進行中です。また、ビレーズトリおよびTrixeoは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対しても、米国、EU、中国および日本(日本では「ビレーズトリエアロスフィア」として販売中*)を含む世界90カ国以上で承認されています。
*日本では、現在は「ビレーズトリエアロスフィア」として販売されていますが、このたびのビレーズトリ14.4の承認を受け、販売名を「ビレーズトリ7.2エアロスフィア」に変更する予定です。販売開始時期は未定です(2026年8月現在)。
以上
*****
喘息について
喘息は、世界中で3億6,300万人もの人々が罹患している有病率の高い慢性呼吸器疾患です7。コントロールされていない場合、気道の炎症と気管支平滑筋の収縮が喘鳴、息切れ、胸部絞扼感、咳嗽、場合によって死に至る可能性があります4-6。標準治療の薬剤が利用できる状況であるにもかかわらず、多くの患者さんでは依然としてコントロール不良の状態であり、肺機能に対する著しい低下と生活の質の低下が続いています5,6。
第Ⅲ相KALOSおよびLOGOS試験について
KALOS試験およびLOGOS試験(KALOS試験と同一の試験デザインで実施された国際共同試験であり、日本は不参加)は、同一デザインによる2本の無作為化、二重盲検、ダブルダミー、並行群間比較、多施設共同、24~52週間(可変期間)、第Ⅲ相試験であり、ブデソニド(ICS)とホルモテロールフマル酸塩(LABA)からなる2剤配合治療薬としてブデソニド/ホルモテロールMDI(エアロスフィア吸入器)*およびシムビコート®pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)*を対照群として設定し、ビレーズトリの有効性および安全性を評価することを目的とした試験です1,8,9。KALOS試験およびLOGOS試験には、無作為割り付けされた約4,300例の患者さんが対象となりました。
*ブデソニド/ホルモテロールMDIおよびシムビコートpMDIは国内未承認
KALOS試験とLOGOS試験では、主要評価項目、副次評価項目、および治療群間比較は、規制当局への申請アプローチに応じて異なります。厚生労働省に提出した申請資料は主にKALOS試験のデータであり、肺機能の主要評価項目は、ブデソニド/ホルモテロールMDIと比較した、12~24週の朝の投与前トラフFEV1のベースラインからの変化量でした1,8,9。また、主要な副次評価項目は、ブデソニド/ホルモテロールMDIと比較した、12~24週のFEV1 AUC0-3のベースラインからの変化量としています1。
KALOS試験における有害事象は各治療群間で同程度であり、ビレーズトリ14.4群で306/594例(51.5%)、ビレーズトリ7.2群で201/342例(58.8%)、ブデソニド/ホルモテロールMDI群で310/606例(51.2%)、シムビコートpMDI(加圧噴霧式定量吸入器)群で346/602例(57.5%)に認められました。
ビレーズトリエアロスフィア(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)について
ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物は、日本、中国および米国ではビレーズトリエアロスフェア、EUでは Trixeo Aerosphereの販売名で承認されており、単一吸入器によるブデソニド(吸入ステロイド剤)、グリコピロニウム(長時間作用性吸入抗コリン剤)、ホルモテロールフマル酸塩(長時間作用性吸入β2刺激剤)の3剤定量配合吸入薬であり、エアロスフィア加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)を用いて投与されます。
米国においては、12歳以上の喘息患者さんの治療薬として承認されており、EUでは欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)により、Trixeo Aerosphereの販売名で承認勧告を受けています。現在、喘息適応の規制当局への申請については、その他すべての主要地域で、審査が進行中です。成人のCOPD患者さんの治療薬として米国、EU、中国、日本を含む世界90カ国以上で承認されており、2025年には世界で680万人を超える患者さんに処方されました10。
アストラゼネカの呼吸器・免疫疾患領域について
バイオ医薬品領域の一環である呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する疾患領域のひとつで、当社にとって重要な今後の成長の原動力です。
50年の歴史の基盤として、また、免疫介在性疾患における医薬品ポートフォリオの拡大により、アストラゼネカは呼吸器疾患治療の確固たるリーダーの地位を築きました。アストラゼネカは、吸入薬、生物学的製剤やこれまで手の届かなかった生物学的標的を対象とした新たな治療法のパイプラインとポートフォリオにより、これらの消耗性の高い慢性疾患に存在する非常に高いアンメットニーズに応えられるよう全力で取り組んでいます。アストラゼネカは、主な死因からCOPDや喘息をなくし、免疫介在性疾患における臨床的寛解を達成することを目指し、患者さんの人生を変える医薬品をお届けすることを目標としています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/または、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患および感染症を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebook、Instagram、YouTubeもフォローしてご覧ください。
References
- Papi A, Wise R, Jackson D et al. Budesonide–glycopyrronium–formoterol fumarate dihydrate in uncontrolled asthma (KALOS and LOGOS): twin multicentre, double-blind, double-dummy, parallel-group, randomised, phase 3 trials. The Lancet Respiratory Medicine. 2026;14:350-362.
- 厚生労働省.令和5 年患者調査-傷病分類編(傷病別年次推移表).
Available at: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/r05syobyo.pdf. Accessed August 2026. - Nagase H, et al. Relationship Between Asthma Control Status and Health-Related Quality of Life in Japan: A Cross-Sectional Mixed-Methods Study. Adv Ther. 2023;40(11):4857-4876. doi:10.1007/s12325-023-02660-5. PMID:37698717.
- Fernandes AG, et al. Risk factors for death in patients with severe asthma. J Bras Pneumol. 2014;40(4):364-372.
- Davis J, et al. Burden of asthma among patients adherent to ICS/LABA: A real-world study. J Asthma. 2019 Mar;56(3):332-340.
- Buhl R, et al. One-year follow up of asthmatic patients newly initiated on treatment with medium- or high-dose inhaled corticosteroid-long-acting β2-agonist in UK primary care settings. Respir Med. 2020 Feb;162:105859.
- World Health Organization (WHO), “Asthma,” Fact sheet. Available at: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/asthma. Accessed August 2026.
- Clinicaltrials.gov. Study to Assess PT010 in Adult and Adolescent Participants with Inadequately Controlled Asthma (KALOS) [Online]. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04609878. Accessed August 2026.
- Clinicaltrials.gov. Study to Assess PT010 in Adult and Adolescent Participants with Inadequately Controlled Asthma (LOGOS) [Online]. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT04609904. Accessed August 2026.
- AstraZeneca. Data On File. REF-325003.