アストラゼネカのカルケンス錠100mg、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の治療において、ベネトクラクスとの期間限定治療が可能に

日本において、添付文書の用法及び用量に関連する注意を改訂

統計学的に有意かつ臨床的に意義ある無増悪生存期間の改善を示した
海外第Ⅲ相AMPLIFY試験の結果に基づく改訂

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:アンドリュー・バーネット、以下、アストラゼネカ)は、カルケンス®錠100mg(一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物、以下、カルケンス錠)について、慢性リンパ性白血病(CLL)(小リンパ球性リンパ腫を含む)の成人患者さんを対象とするカルケンス錠とベネトクラクスとの期間限定治療(固定期間治療)に関し、「用法及び用量に関連する注意」等における記載を変更し、日本における電子化された添付文書(以下、電子添文)を改訂したことをお知らせいたします。

電子添文における主な変更点は以下の通りです。

 
5. 効能又は効果に関連する注意 ·参照項として、「17.臨床成績17.1.3海外第III相試験(AMPLIFY試験)」を追加
7. 用法及び用量に関連する注意 〈未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉において、ベネトクラクスの併用、及び本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等の用法及び用量について、以下の項を変更。
·「7.3 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項の内容、特に用法及び用量を十分に理解した上で投与すること。[17.1.2-17.1.4参照]」
·「7.4 本剤、ベネトクラクス及びオビヌツズマブ(遺伝子組換え)の併用について、有効性及び安全性は確立していない。[17.1.3 参照]」
11. 副作用 ·既承認効能の承認の根拠となった主要な臨床試験結果において、AMPLIFY試験の結果を合算のうえ再算出した副作用発現頻度に記載変更
17. 臨床成績 ·「17.1.3 海外第III相試験(AMPLIFY試験)」を追加
23. 主要文献 AMPLIFY試験他、書誌情報を追加及び更新
·12)Brown JR, et al. N Engl J Med. 2025;392(8):748-762.

※カルケンス錠 電子添文より一部抜粋

本改訂は、米国血液学会(ASH)2024年年次総会で発表され、The New England Journal of Medicine誌に掲載された、ピボタル試験である第III相AMPLIFY試験の良好な結果に基づくものです1
AMPLIFY試験の結果、主要評価項目である独立評価委員会判定による無増悪生存期間(PFS)の中間解析において、カルケンスカプセル(アカラブルチニブ、以下、カルケンス)とベネトクラクスの併用療法は、免疫化学療法と比較して統計学的に有意な延長を示し、病勢進行または死亡のリスクを35%低減しました(ハザード比[HR]0.65;95%信頼区間[CI]0.49~0.87;p=0.0038)1。無増悪生存期間の中央値は、カルケンスとベネトクラクスの併用療法で未到達、免疫化学療法群で47.6カ月でした1。標準治療である免疫化学療法(治験責任(分担)医師が選択したフルダラビン・シクロホスファミド・リツキシマブまたはベンダムスチン・リツキシマブのいずれか)を受けた患者さんでは3年時点で66.5%で病勢進行または死亡がみられなかったのに対し、カルケンスとベネトクラクスの併用療法を受けた患者さんでは76.5%で病勢進行または死亡がみられませんでした1

CLLは、主に高齢者に発生するB細胞性腫瘍で、小リンパ球性リンパ腫(SLL)は末梢血や骨髄への浸潤がないCLLと同一の細胞の腫瘍と定義されています2。日本における2023年時点のCLLの患者数は約7,000人と報告されています3。CLLは治癒が難しく、一次治療後の再発は少なくありません。

アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のヴィクラム・チャンドは次のように述べています。「カルケンスとベネトクラクスの併用療法は、免疫化学療法と比較して、無増悪生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義ある改善を示しました。加えて、1サイクル28日間で14サイクルの期間限定治療は、治療不要な観察期間をもたらし、患者さんのQOL向上と治療期間中の服薬遵守の維持に役立つ可能性があります。日本の慢性リンパ性白血病患者さんに、経口剤のみかつ化学療法を含まない一次治療の新たな選択肢を提供する本改訂は、血液腫瘍患者さんの現在の標準治療を改善するという当社のコミットメントを強調するものです」。

カルケンスの安全性と忍容性は既知の安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

カルケンス(錠剤またはカプセル)とベネトクラクスの併用療法は、米国EU、カナダ、英国および他の数十カ国において承認されており、AMPLIFY試験の結果に基づき、これらのレジメンに関する申請が、現在いくつかの国で審査中です。

以上

*****

慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは欧米においては成人における最も一般的な白血病の一種であり、2024年には米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、日本、中国で4万人がCLLの一次治療を受けたと推定されています4。CLL患者さんにおいては、診断時に症状がまったく現れない場合もありますが、脱力感、疲労感、体重減少、悪寒、発熱、寝汗、リンパ節の腫れ、腹痛などの症状が現れる場合もあります5。CLLでは、異常なリンパ球が血液、骨髄およびリンパ節に蓄積します。異常細胞数が増えるに従い、骨髄内で正常な白血球、赤血球および血小板を産生するためのスペースが減ります6。これにより、感染、貧血および出血を引き起こす可能性があります。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLにおいて異常細胞が増加する基本的な経路の一つです。

AMPLIFY試験について
AMPLIFY試験は、染色体17p欠失(del(17p))およびTP53変異を含まない未治療の成人CLL患者さんを対象に、カルケンスとベネトクラクスとの併用(オビヌツズマブの有無を問わない)の有効性および安全性を、治験責任(分担)医師が選択した免疫化学療法(フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブまたはベンダムスチン+リツキシマブ)と比較評価する、無作為化、国際共同、多施設共同、非盲検第Ⅲ相試験です7。患者さんには、カルケンスとベネトクラクスとの期間限定治療、カルケンスとベネトクラクスとオビヌツズマブとの期間限定治療、または標準治療である免疫化学療法のいずれかが、1:1:1の割合で無作為に割り当てられました7。カルケンスを含む両群は14サイクル(1サイクルは28日間)の期間限定で投与され、標準治療の免疫化学療法は6サイクル投与されました7

主要評価項目は、カルケンス+ベネトクラクス群における、独立評価委員会の判定に基づくPFSで、カルケンス+ベネトクラクス+オビヌツズマブ群におけるPFSを主な副次評価項目として評価しました7。その他の主な副次評価項目は、微小残存病変の陰性割合、全生存期間(OS)です7。同試験は北米、南米、欧州、アジア、オセアニアにわたる27カ国で実施されました7

AMPLIFY試験には、2019年から2021年にかけ、COVID-19パンデミック中でも継続して患者さんが登録されました7

カルケンスについて
カルケンスは、第二世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します8。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、米国と日本、中国では慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする他の各国ではCLLの治療薬として承認されています。カルケンスは、米国では未治療の成人CLL患者さんに対するベネトクラクスと併用の固定期間治療として、またEU、カナダ、英国を含む世界57カ国では、オビヌツズマブの有無を問わないベネトクラクスとの併用療法として承認されています。カルケンスは米国、欧州、日本とその他の国において、未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)成人患者さんの治療薬としても承認されています。また、中国および他の数カ国においては、少なくとも1回の前治療歴を有する成人MCL患者さんの治療薬として承認されています。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である免疫化学療法との併用療法を評価しています。

※カルケンス®カプセル100mg(アカラブルチニブ)は、AMPLIFY試験の結果に基づく電子添文における用法及び用量に関連する注意の改訂をしておりません。また、MCLに係る効能又は効果の承認を取得しておりません。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は複数の科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、自家細胞療法のパイオニアであるGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の探索、開発、提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.com/または、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

  1. Brown J, et al. Fixed-duration acalabrutinib combinations in untreated chronic lymphocytic leukemia. NEJM. 2025;392:748-762.
  2. Hallek M, et al. iwCLL guidelines for diagnosis, indications for treatment, response assessment, and supportive management of CLL. Blood. 2018; 131(25): 2745-60.
  3. 令和5 年患者調査、厚生労働省 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040234427. Accessed May 2026.
  4. AstraZeneca 2024. Full Year and Q4 2024 Financial Results Epidemiology Spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed May 2026.
  5. American Cancer Society. Signs and Symptoms of Chronic Lymphocytic Leukemia. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/detection-diagnosis-staging/signs-symptoms.html. Accessed May 2026.
  6. National Cancer Institute. Chronic lymphocytic leukemia treatment (PDQ®)–Patient version. Available at: https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq. Accessed May 2026.
  7. ClinicalTrials.gov. Study of Acalabrutinib (ACP-196) in Combination With Venetoclax (ABT-199), With and Without Obinutuzumab (GA101) Versus Chemoimmunotherapy for Previously Untreated CLL (AMPLIFY). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03836261. Accessed May 2026.
  8. Wu J, et al. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).

tags

  • オンコロジー