最初の悪化/再燃までの期間を延長した第Ⅲ相NATRON試験に基づく承認
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:アンドリュー・バーネット、以下、アストラゼネカ)は、ファセンラ®皮下注30mgシリンジ/30mgペン(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、以下、ファセンラ)が、「好酸球増多症候群(HES)」に対し、日本で承認を取得しましたことをお知らせいたします。
厚生労働省による本承認は、HES患者さんを対象にファセンラの有効性と安全性を評価した第Ⅲ相NATRON試験の結果に基づくものです。本試験において、ファセンラ投与群はプラセボ投与群と比較して、最初のHESの悪化/再燃までの期間を延長し、最初のHESの悪化/再燃リスクを65%低下させ、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある有効性が認められました(最初のHES悪化/再燃を経験した割合:ファセンラ投与群19.4% vs プラセボ投与群42.4%;ハザード比0.35;95% 信頼区間(CI):0.18,0.69;p=0.0024)1。
HESは、血中および組織中の好酸球数が高値を示す希少疾患で、体内のさまざまな臓器に進行性かつ致死性の高い障害を引き起こす可能性があります2,3。現在、疾患活動性を有するHESにおいて、日本では依然として治療選択肢が限られており、疾患コントロールと患者さんのQOL(生活の質)を両立させることが困難なケースも少なくありません。
今回の承認について、東京大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 教授 黒川 峰夫先生は次のように述べています。「好酸球増多症候群の患者さんにファセンラという新たな治療選択肢が加わることは、HESの臓器障害に伴う症状に苦しむ患者さんにとって意義のある進展です。月1回投与の注射製剤により、疾患の悪化や再燃を有意に減少させ、さらに患者さんの生活の質に影響する倦怠感にも対処することができる可能性に期待をしています」。
アストラゼネカの取締役 研究開発本部長のヴィクラム・チャンドは次のように述べています。「ファセンラのHESに対するこの度の承認は、その確立した臨床プロファイルと、好酸球性炎症を標的とする独自の作用機序に基づくものであり、好酸球性疾患の治療に変革をもたらすものです。炎症の根本的なドライバーに直接働きかけることで、重い疾患負担と限られた治療選択肢に直面する患者さんに、引き続き貢献できることをうれしく思います」。
NATRON試験におけるファセンラの安全性および忍容性プロファイルは、本剤の既知のプロファイルと一致していました。
ファセンラは現在、米国、日本、EU、中国を含む80カ国以上で重症好酸球性喘息の追加維持治療として承認されています4-7。また、米国および日本では、6歳以上の小児および青年に対しても承認されています。さらに、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の成人患者さんの治療薬として、日本を含む70カ国以上で承認されています。
以上
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好酸球増加症候群(HES)について
HESは、影響を受ける臓器によって多様な症状を呈し、診断が困難となる場合があります。症状には、体重減少、発熱、寝汗、倦怠感、咳、胸痛、浮腫、腹痛、皮疹、筋肉痛、筋力低下、意識混濁および昏睡などが含まれ、時間の経過とともに臓器または組織障害へ進行する可能性があります。
第III相NATRON試験について
NATRON試験は、HES患者さんを対象に、ファセンラ30mgまたはプラセボを4週間ごとに皮下投与し、その有効性および安全性を評価した、第III相、多施設共同、ランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。主要評価項目は、最初のHESの悪化/再燃までの期間であり、HESの悪化/再燃とは、HESの臨床症状の悪化または検査異常により、2日以上にわたり経口コルチコステロイド(OCS)の投与量が10mg/日以上増量された、あるいは、細胞毒性療法および/または免疫抑制療法を新規開始または増量された、あるいは入院を要した、のいずれかに該当する事象として定義されました。
治験参加者(n=133)は、HESに対する基礎治療に加えて、二重盲検投与期間24週間中、4週間ごとにファセンラ30mgまたはプラセボの皮下投与を受ける群に、1:1の比でランダム化されました。
本試験は主要評価項目を達成し、ファセンラ投与群は最初のHES悪化/再燃までの期間を
延長するとともに、プラセボ投与群と比較して最初のHESの悪化/再燃リスクを65%有意に低下させました(最初のHES悪化/再燃を経験した割合:ファセンラ投与群19.4% vs プラセボ投与群42.4%;ハザード比 0.35;95% 信頼区間(CI):0.18,0.69;p=0.0024)。重要な副次評価項目には、HESの悪化/再燃を経験した患者さんの割合、HESの悪化/再燃の年間発現率、最初の血液学的再発(絶対血中好酸球数1,000cells/μL以上)までの期間、ならびに投与24週におけるPROMIS疲労スコアのベースラインからの変化量が含まれました。
ファセンラについて
ファセンラは、協和発酵キリンの完全出資子会社であるBioWa社から導入され、アストラゼネカが開発しました。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebook、Instagram、YouTubeもフォローしてご覧ください。
References
- Ogbogu, P, et al. Benralizumab For Patients With Hypereosinophilic Syndrome: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Phase 3 Trial (NATRON). Presented at the American College of Allergy, Asthma, & Immunology (ACAAI) Annual Scientific Meeting; 2025 6-10 November; Orlando, FL.
- American Partnership for Eosinophilic Disorders. Hypereosinophilic Syndromes. Available at: apfed.org/about-ead/hypereosinophilic-syndrome/. Accessed May 2026.
- American Partnership for Eosinophilic Disorders. APFED Hypereosinophilic Syndromes Brochure. December 2017. Available at: apfed.org/wp-content/uploads/2017/12/APFED_HES_bro_final.pdf Accessed May 2026.
- AstraZeneca Annual Report 2023. Available at: https://www.astrazeneca.com/content/dam/az/Investor_Relations/annual-report-2023/pdf/AstraZeneca_AR_2023.pdf. Accessed May 2026.
- AstraZeneca news release. Available at: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2024/fasenra-approved-in-china-for-the-treatment-of-severe-eosinophilic-asthma.html. Accessed May 2026.
- AstraZeneca Data on file. 2024. REF- 244520.
- Wechsler ME, et al. Mepolizumab or Placebo for Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis. N Engl J Med. 2017:376;1921-1932.