イミフィンジ、早期の胃がんおよび食道胃接合部がん患者さんを対象とした、初めてかつ唯一の周術期免疫療法として、米国において承認

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年11月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。

化学療法単独と比較して、イミフィンジレジメンが病勢進行、再発または死亡のリスクを29%、
死亡リスクを22%低減した第III相MATTERHORN試験結果に基づく承認

アストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)は、標準治療であるFLOT化学療法(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)との併用により、切除可能な早期および局所進行(ステージII、III、IVA)の胃がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんを有する成人患者さんの治療薬として米国で承認されました。承認レジメンは、イミフィンジと化学療法の術前補助療法を行い、その後、イミフィンジと化学療法の術後補助療法、続くイミフィンジの単剤療法を含みます。

本承認は米国食品医薬品局(FDA)による優先審査に続くもので、第III相MATTERHORN試験の無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)のデータに基づいています。EFSの結果は2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッションで発表され、同時にNew England Journal of Medicineに掲載されました。OSの結果は2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会のProffered Paperセッションで発表されました。

胃がんは世界でがんによる死因の中では5番目に多いがんであり、毎年約100万人が診断されています1。2024年には、米国において早期および局所進行の胃がんまたはGEJがんの薬物治療を受けている患者さんは約6,500人でした2

アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼オンコロジー・ヘマトロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「この承認は、早期の胃がんおよび食道胃接合部がんの患者さんに対して新たな臨床パラダイムをもたらすものであり、イミフィンジとFLOTの併用による生存ベネフィットが時間経過とともに増大することが示されました。周術期におけるイミフィンジベースのレジメンとして米国で3件目の承認であり、この承認は周術期アプローチの有効性を改めて裏付け、早期がんに革新的治療を届けることで治癒を目指す当社の取り組みを強調するものです」。

ニューヨークのSloan Kettering記念がんセンター(MSK)消化器腫瘍内科の主任担当医であり、MATTERHORN試験の治験責任医師であるYelena Y. Janjigian氏は次のように述べています。「本日の承認は、胃がんおよび食道胃接合部がんの術前療法において、初めて承認された免疫療法レジメンであり、デュルバルマブによる明確な全生存期間のベネフィットが示され、早期疾患治療の新たなチャプターが切り開かれました。デュルバルマブをベースとする周術期レジメンによる治療後、約7割の患者さんが3年時点でも生存していました。この生存ベネフィットはPD-L1ステータスに関係なく認められ、治癒を目的とした本適応症における新たな標準治療を確立するものです」。

Hope for Stomach Cancerの創設者であり、エグゼクティブ ディレクターであるAki Smith氏は次のように述べています。「父を介護した経験から、早期の胃がんや食道胃接合部がんと診断された患者さんは、治癒を目的とした手術や治療を受けた後も、高い再発リスクに長らく直面してきたことを知っています。本日の承認は、予後改善に向けた大きな前進であり、この厳しい疾患に影響を受ける方々に新たな希望をもたらすものです」。

計画された中間解析において、イミフィンジをベースとする周術期レジメンで治療された患者さんは、化学療法単独群に対して、病勢進行、再発、または死亡のリスクを29%低下させたことが示されました(EFSハザード比[HR]0.71;95%信頼区間[CI]0.58-0.86; p<0.001)。EFS中央値の推定値は、対照群の32.8カ月に対し、イミフィンジをベースとする周術期レジメン群では未到達でした。また、1年経過時点で無イベントだった割合は、対照群では推定74.0%だったのに対し、イミフィンジをベースとする周術期レジメンで治療された患者さんでは推定78.2%、24カ月時点のEFS推定値はそれぞれ58.5%、67.4%でした。

最終OS解析において、イミフィンジとFLOT併用の周術期レジメンは化学療法単独と比較して死亡リスクを22%低下させました(ハザード比[HR]0.78;95%信頼区間[CI]0.63-0.96; p=0.021)。イミフィンジをベースとするレジメンで治療された患者さんの3年生存率は、FLOT単独群の62%と比較して、推定69%でした。追跡期間の延長に伴い、OS曲線の分離が継続し、イミフィンジを基盤とするレジメンの利益が時間とともに増大することが示唆されました。OSの利益はPD-L1ステータスにかかわらず認められました。

イミフィンジおよびFLOT化学療法の安全性プロファイルは、それぞれの既知のプロファイルと整合しており、手術完了率は化学療法単独と同程度でした。原因を問わないグレード3以上の有害事象の発現率は両群で同程度でした(イミフィンジ+FLOT群71.6%、FLOT単独群71.2%)。

米国での承認申請は、がん治療薬の国際的な同時申請・審査の枠組みを提供するProject Orbisの下で審査されました。Project Orbisの一環として、イミフィンジ+FLOTの周術期レジメンは同一適応について、オーストラリア、カナダ、スイスの規制当局においても審査中です。欧州連合(EU)、日本およびその他の複数の国でも規制当局への申請が審査中です。

注釈

胃がん/食道胃接合部がんについて
胃がんは世界的に5番目に多いがんであり、がんによる死因の中では5番目に多いとされています1。2022年には約100万人が新たに胃がんと診断され、約66万の死亡例が世界で報告されています1。多くの地域で、50歳未満の患者さんにおける胃がんの発生率は、他の消化器(GI)悪性腫瘍とともに増加しています3。2024年には、米国、欧州連合(EU)、日本において、早期および局所進行性胃がんまたは食道胃接合部がんの薬物治療を受けている患者さんは約4万3千人でした2。これらの地域では、2030年までに約6万2千人の患者さんが新たにこの疾患に診断されると予想されています4

食道胃接合部がんは胃がんの一種であり、食道と胃の結合部で発生し、広がっていきます5

切除可能な胃がん患者さんでは、治癒目的で手術を受け、術前/術後補助化学療法による治療を受けたにもかかわらず、疾患再発がよく認められます6。手術を受けた胃がんの患者さんの約4人に1人が1年以内に再発していて、5年生存率も依然として不良であり、5年間生存している患者さんは半分以下にすぎません6,7

MATTERHORN試験について
MATTERHORN試験は、切除可能な、II~IVA期の胃がん/食道胃接合部がんの患者さんに対する周術期治療としてイミフィンジを評価する、第Ⅲ相ランダム化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。周術期治療には、術前補助療法/術後補助療法とも呼ばれる、術前術後の治療が含まれます。本試験では、948人の患者さんがランダム化され、術前にはFLOTによる化学療法と1500mg固定用量のイミフィンジを併用投与、またはFLOTによる化学療法とプラセボ併用投与を4週間ごとに2サイクルを受けました。続いて術後にはイミフィンジまたはプラセボの投与を4週間ごとに最長で12サイクル受けました(これには、イミフィンジまたはプラセボに加え、FLOTによる化学療法を受ける2サイクルと、イミフィンジまたはプラセボだけの単剤療法を受ける追加の10サイクルが含まれます)。

MATTERHORN試験の主要評価項目はEFSであり、ランダム化の時点から以下のいずれかのイベント(最初に発生した方)の日付までの期間と定義されます。

  • RECIST ガイドライン(第1.1版、盲検下独立中央評価による)に基づいた、手術適応外または術前補助療法期間中に治験実施計画書に記載された以外の治療を必要とする病勢進行
  • 術後補助療法期間中のRECISTによる病勢進行/再発
  • 手術適応外、術前補助療法期間中に治験実施計画書に記載された以外の治療を必要とする、あるいは手術中に発見される、RECISTに該当しない病勢進行
  • 手術後の生検により確認された進行/再発
  • 死因を問わない死亡

主要な副次評価項目には、pCR率(術前補助療法後に切除した腫瘍組織に検出可能ながん細胞が認められなかった患者さんの割合と定義)、およびOSが含まれます。本試験は、米国、カナダ、欧州、南米、アジアを含めた20カ国、176施設において患者さんが登録されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

消化器がんにおいて、イミフィンジは、局所進行または転移性胆道がん(BTC)では化学療法との併用、切除不能な肝細胞がん(HCC)ではイジュド(トレメリムマブ)との併用で承認されています。イミフィンジは、日本とEUでは切除不能なHCCに対する単剤療法としても承認されています。

消化器がんの適応症に加えて、イミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療におけるOSに基づいた、世界的な標準治療です。また、イミフィンジは切除可能なNSCLCにおける術前補助化学療法と併用した周術期治療、また、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法として承認されています。イミフィンジは、白金製剤を含む同時CRT後に病勢進行が認められていない限局型小細胞肺がん(SCLC)にも承認されており、化学療法との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

術前補助化学療法との併用によるイミフィンジの周術期治療は、第Ⅲ相NIAGARA試験の結果に基づき、筋層浸潤性膀胱がん患者さんを対象に、米国、EU、日本とそのほかの国々で承認されています。さらに、2025年5月には、第Ⅲ相POTOMAC試験において、イミフィンジとBacillus Calmette-Guérin導入療法および維持療法の併用により、主要評価項目である高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんの無病生存期間を達成しました。
※日本での適応は、膀胱がんにおける術前・術後補助療法です。

イミフィンジと化学療法の併用およびその後のイミフィンジ単独療法は、原発性進行または再発子宮体がん(米国およびEUにおいては、ミスマッチ修復機能欠損のみ)の第一選択治療薬として承認されています。イミフィンジと化学療法の併用およびその後のリムパーザ(オラパリブ)およびイミフィンジは、EUおよび日本で、ミスマッチ修復機能が正常な進行または再発子宮体がんの患者さんに対して承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、41万4千人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、および数種類の消化器がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2022年、約500万人が新規に消化器がんと診断され、約330万人が死亡しました8

このプログラムにおいて、当社は胃がん、HCC、BTC、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、BTCやHCCなどで既に承認された適応に加え、現在、イジュドなどとの併用療法に関しても、早期から進行がんまでを対象とした広範な開発プログラムの中で、HCC、食道がん、胃がんの治療薬としての評価が行われています。

リムパーザはファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性の転移性膵がんの患者さんを対象に米国をはじめとする数カ国で承認されています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

また、PD-1/TIGIT二重特異性抗体であるrilvegostomig(AZD2936)は、BTCにおける術後補助療法として化学療法との併用、進行HCC患者さんにおける一次治療としてイジュドとの併用または非併用でのベバシズマブとの併用、またHER2陰性の切除不能または転移性の局所進行性胃がんおよび食道胃接合部がん患者さんにおける一次治療として、化学療法との併用で評価が行われています。Rilvegostomigは、未治療のHER2発現、局所進行または転移性BTCにおいて、エンハーツとの併用療法としても評価が行われています。

アストラゼネカは、胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とする補完的なメカニズムを提供する複数の治療法を開発しています。これらの中には、現在第Ⅲ相試験実施中でKYM Biosciences Inc.からライセンス供与されているファーストインクラスの抗体薬物複合体候補であるsonesitatug vedotin、第Ⅰ相試験実施中でHarbour Biomed社からライセンス供与されている新規Claudin 18.2/CD3 T細胞受容体二重特異抗体AZD5863、および現在、進行性固形がん患者さんを対象とした第I/II相試験にて評価中の抗体薬物複合体AZD4360などがあります。

また、初期開発段階として、当社はHCCにおいてグリピカン3(GPC3)を標的とするCAR-TであるC-CAR031/AZD7003を開発中です。C-CAR031/AZD7003は、中国のAbelZeta社と共同開発を進めており、現在、治験責任医師主導試験(IIT)で評価が行われています。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Stomach Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/7-stomach-fact-sheet.pdf. Accessed November 2025.
  2. AstraZeneca PLC. Investor Relations Epidemiology Spreadsheet. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed November 2025.
  3. Li Y, et al. Global burden of young-onset gastric cancer: a systematic trend analysis of the global burden of disease study 2019. Gastric Cancer. 2024;27(4):684-700.
  4. Kantar Health, validated with SEER stage at diagnosis and Cabasag et al. And Kuzuu et al. 2021.
  5. National Cancer Institute. Gastroesophageal junction. Available at: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/gastroesophageal-junction. Accessed November 2025.
  6. Li Y, et al. Postoperative recurrence of gastric cancer depends on whether the chemotherapy cycle was more than 9 cycles. Medicine. 2022;101(5):e28620.
  7. Ilic M, Ilic I. Epidemiology of stomach cancer. World J Gastroenterol. 2022;28(12):1187-1203.
  8. World Health Organization. World Cancer Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/populations/900-world-fact-sheet.pdf. Accessed November 2025.

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