サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋 孝彦、以下、サノフィ)とアストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、長期間作用型モノクローナル抗体であるベイフォータス®筋注50mgシリンジおよび同100mgシリンジ(一般名:ニルセビマブ(遺伝子組換え)、以下、ベイフォータス®)について、2025年8月からアストラゼネカの製造販売承認をサノフィが承継することをお知らせします。
ベイフォータス®は「生後初回又は2回目のRS(Respiratory Syncytial)ウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児及び幼児における、RSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制」*ならびに「生後初回のRSウイルス感染流行期の前出以外のすべての新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防」を適応として、2024年3月に日本で承認され、同年5月に発売されました。
*こちらの適応のみ保険適用
製造販売承認の承継後も引き続き、2017年3月にアストラゼネカ及びサノフィのそれぞれのグローバル本社同士が締結したベイフォータス®の開発および商業化に関する契約に基づき、サノフィが商業化を主導し、サノフィとアストラゼネカがコ・プロモーションを実施します。
以上
RSウイルスについて
RSウイルスは、新生児、乳幼児および低年齢の小児の下気道感染の最も一般的な原因とされており、世界的には2019年に5歳未満の小児のうち3,300万人がRSウイルスによる下気道感染を発症し、360万人が入院したと推定されています1。日本においても乳幼児のRSウイルス感染症の報告数は年々増加しており、年間10万例以上が報告されています2。RSウイルスによる下気道感染は、肺胞および細気管支の感染、炎症を特徴とする重篤で生命を脅かす可能性のある疾患であり3、RSウイルス感染症の重要なリスク因子として早産児、慢性肺疾患、ダウン症候群、先天性心疾患(CHD)および免疫不全症等の基礎疾患が挙げられています。しかしRSウイルス感染症による入院の大多数を占めているのは基礎疾患を有さない健康な乳幼児であることから、RSウイルス感染症は基礎疾患の有無にかかわらず、幅広い小児にとって深刻な健康被害をもたらしうる重篤な疾患であり、すべての新生児および乳幼児でRSウイルス感染症の発症を予防することは、公衆衛生上の重要な優先事項と考えられます4。
ベイフォータス®筋注50mg/100mgシリンジ(一般名:ニルセビマブ(遺伝子組換え))
ベイフォータス®は、アストラゼネカ独自の半減期延長(YTE)技術を利用し、アストラゼネカとサノフィが共同で開発およびコ・プロモーションする、単回投与の長期間作用型抗体です。RSウイルス感染流行期に出生した、または生後初めてRSウイルス感染流行期を迎える新生児と乳児、および生後2回目のRSウイルス感染流行期を迎える、RSウイルス感染症による重症化リスクの高い生後24ヵ月齢までの乳幼児に対して効果を発揮する抗体薬としてデザインされています。ベイフォータス®は新生児や乳幼児に抗体を単回で直接投与することにより、RSウイルスによる下気道疾患(LRTD)に対して免疫系の活性化を必要とせず抗体を介した迅速な疾患の予防および発症抑制を可能にします。
ベイフォータス®は、RSウイルス感染流行期開始にタイミングを合わせて使用することができます1。
ベイフォータス®は、世界中のいくつかの主要な規制当局により、迅速に開発を行うための指定を受けています。これには、中国国家薬品監督管理局の医薬品審査センターの画期的治療薬指定および優先審査指定、米国食品医薬品局の画期的治療薬指定、欧州医薬品庁(EMA)の PRIority MEdicines(PRIME)指定が含まれます。日本においては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が「小児領域における新薬開発促進のための医薬品選定等に関する研究」において、「優先的に開発すべき医薬品」としています。
ベイフォータス®の効能又は効果に関連する注意には、重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児および幼児に使用する場合、以下のいずれかに該当することを確認した上で投与することが記載されています。
〇生後初回のRSウイルス感染流行期の、流行初期において
・在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児
・在胎期間29~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児
〇生後初回および生後2回目のRSウイルス感染流行期の、流行初期において
・過去6ヵ月以内に慢性肺疾患の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児
・24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児および幼児
・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児
・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児
アストラゼネカとサノフィの提携
2017年3月、アストラゼネカ及びサノフィのそれぞれのグローバル本社同士はニルセビマブの開発および商業化に関する契約締結を発表しました。本契約に基づき、アストラゼネカは開発および製造を主導し、サノフィは商業化活動を主導し、収益を計上します。両社は米国を除くすべての地域でコストと利益を折半します。
米国におけるニルセビマブの開発および商業化に関連する、アストラゼネカ・グループ会社、サノフィ・グループ会社およびSobi間の利益配分契約の改定を受け、2018年11月に締結したアストラゼネカとの以前の契約に代えて、Sobiがサノフィと直接提携関係を結びました。
サノフィについて
サノフィは、研究開発型のAIを活用したバイオ医薬品企業であり、人々の暮らしをより良くし、力強い成長をもたらすことに尽力しています。免疫科学領域の深い知見を活かし、世界中の何百万人もの人々の治療と予防を行う医薬品やワクチンを提供し、さらなる貢献のために革新的なパイプラインの構築にも注力しています。「人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追求する」という使命のもと、医療・環境・社会が抱える課題に真摯に向き合い、社員と国や地域社会にとって前向きな変化を生み出すことを目指しています。
サノフィは、ユーロネクスト(EURONEXT: SAN)とナスダック(NASDAQ: SNY)に上場しています。
日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、http://www.sanofi.co.jpをご参照ください。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebook、Instagram、YouTubeもフォローしてご覧ください。
References
- Li Y, Wang X,et al. Lancet. 2022;399(10340):2047-64.
- 堤裕幸.感染症学雑誌. 2005; 79(11): 857-63.
- Hall CB. N Engl J Med. 2001;344(25):1917-28.
- Giersing BK,et al.Vaccine.2019;37(50):7355-62.