転移性去勢抵抗性前立腺がんに対する、トルカプの第Ⅲ相CAPItello-280試験の最新情報

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年4月29日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているトルカプの適応症は国内の承認状況と異なります。

アストラゼネカは、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者さんを対象に、トルカプ®(カピバセルチブ)とドセタキセルおよびアンドロゲン遮断療法(ADT)との併用療法における有効性と安全性について、ドセタキセルおよびADTとプラセボの併用療法と比較評価する第Ⅲ相CAPItello-280試験を中止します。

この決定は、事前に規定された中間解析データの検討結果を踏まえた独立データモニタリング委員会(IDMC)の勧告に基づいています。IDMCは、トルカプ併用療法群が対照群と比較して、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)と全生存期間(OS)という2つの主要評価項目を試験終了時に達成する可能性は低いと結論付けました。なお、トルカプの安全性プロファイルは、これまでの試験と一致していました。

当社は治験担当医師と協力し、患者さんへの必要なフォローアップを遂行します。本試験で得られたデータは、現在進行中の研究に役立てられます。

注釈

前立腺がんについて
前立腺がんは、男性では世界で2番目に多く診断されるがんであり、男性のがんによる5番目の死因です。2022年には、140万人以上が診断され、39万7000人以上が死亡しました1

転移性前立腺がんは死亡率の高いがんで、診断から5年後に生存している患者さんは3分の1に過ぎません2。前立腺がんの進展は多くの場合、テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進されます3

転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)について
進行前立腺がんの男性の約10~20%は、5年以内に去勢抵抗性前立腺がんを発症します4。mCRPC患者さんでは、男性ホルモンの作用を阻害するアンドロゲン遮断療法が行われているにもかかわらず、前立腺がんが進展し、体の他の部位に転移します3。これらの男性の少なくとも84%はCRPC診断時に転移を有しており、CRPC診断時に転移のない患者さんのうち33%は2年以内に転移を発症する可能性があります4。mCRPC患者さんの約半数は、1種類の積極的治療のみを受ける可能性があり、さらに治療を受ける患者さんは、その後に受ける治療効果の減少がよく起こります5,6

mCRPC治療におけるタキサンや新規のホルモン剤による治療の進歩にもかかわらず、mCRPCに対する治療にはいまだに高いアンメットニーズが存在します4,7,8

CAPItello-280試験について
CAPItello-280は、mCRPC患者さんを対象に、トルカプとドセタキセルおよびADTの併用療法と、ドセタキセルおよびADTとプラセボの併用療法を比較した、第Ⅲ相二重盲検ランダム化試験です。

この国際共同試験には、ADTによる治療を受けたにもかかわらず病勢進行が認められ、組織学的にmCRPCと確認された前立腺がんの成人患者さん1,033人が登録されました。CAPItello-280試験の2つの主要評価項目は、試験対象集団全体における治験責任医師の評価によるrPFSとOSです。主要な副次評価項目は、腫瘍にPTEN欠損が認められたmCRPC患者さんにおける治験責任医師の評価によるrPFSとOS、腫瘍にPTEN発現を認めたmCRPC患者さんにおける治験責任医師の評価によるrPFSとOS、試験対象集団全体における疼痛進行までの時間(TTPP)、および試験対象集団全体における最初の症候性骨関連事象(SSRE)までの期間です。

トルカプについて
トルカプは、ファーストインクラスの、AKTの3種類のアイソフォーム(AKT1、AKT2およびAKT3)の全てを強力に阻害するアデノシン三リン酸(ATP)競合阻害薬です。本剤は、400mgを1日2回、4日間の投与と3日間の休薬からなる間欠投与スケジュールに従って投与されます。この投与スケジュールは、忍容性および標的阻害の程度に基づいて、初期の試験段階で採用されました。

トルカプとフェソロデックス(フルベストラント)の併用療法は、CAPItello-291試験の結果に基づき、1つ以上の遺伝子変異(PIK3CA、AKT1またはPTEN)を有するHR陽性(またはエストロゲン受容体陽性)、HER2陰性の局所進行または転移性乳がんの成人患者さんに対する治療薬として、米国、EU、日本、中国およびその他数カ国で承認されています。トルカプはこれらの試験結果に基づき、内分泌療法実施中あるいは実施後に再発または病勢進行が認められた、HR陽性、HER2陰性の局所進行または転移性乳がんの成人患者さんに対する治療薬として、オーストラリアでも承認されています。

トルカプは、乳がんおよび前立腺がんの治療薬として、第Ⅲ相試験において評価中です。

トルカプは、Astex Therapeutics社との共同研究(およびInstitute of Cancer ResearchならびにCancer Research Technology Limited社との共同研究)を経て、アストラゼネカにより創製されました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Bray F, et al. Global cancer statistics 2022: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin. 2024 Apr 4. doi: 10.3322/caac.21834.
  2. Chowdhury S, et al. Real-World Outcomes in First-Line Treatment of Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: The Prostate Cancer Registry. Target Oncol. 2020;15(3):301-315.
  3. National Cancer Institute. Hormone Therapy for Prostate Cancer Fact Sheet. Available at: https://www.cancer.gov/types/prostate/prostate-hormone-therapy-fact-sheet. Accessed April 2025.
  4. Kirby M, et al. Characterising the Castration-Resistant Prostate Cancer Population: Systematic Review. Int J of Clin Pract. 2021;65(11):1180-1192.
  5. George DJ, et al. Treatment Patterns and Outcomes in Patients with Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer in a Real-World Clinical Practice Setting in the United States. Clin Genitourin Cancer. 2020;18:284-294.
  6. de Wit, R, et al. Real-World Evidence of Patients with Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer Treated with Cabazitaxel: Comparison with the Randomized Clinical Study CARD. Prostate Cancer Prostatic Dis. 2022;2660.
  7. UroToday. What is Changing in Advanced Prostate Cancer? Available at: https://www.urotoday.com/journal/everyday-urology-oncology-insights/articles/122176-what-is-changing-in-advanced-prostate-cancer.html. Accessed April 2025.
  8. Liu J, et al. Second-Line Hormonal Therapy for the Management of Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: A Real-World Data Study Using a Claims Database. Sci Rep. 2020;10(1):4240.

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