イミフィンジの周術期レジメン、筋層浸潤性膀胱がん患者さんを対象とした 第Ⅲ相NIAGARA試験の事後探索的解析において、病理学的完全奏効の有無に関わらず、無イベント生存期間および全生存期間を改善

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年2月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。

イミフィンジは、術前化学療法単独群と比較して
膀胱がんの遠隔転移および死亡のリスクを低下させた

第Ⅲ相NIAGARA試験の事後探索的サブグループ解析結果では、術前化学療法とアストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)による周術期治療による併用療法が、根治的膀胱全摘除術(膀胱を摘出する手術)をともなう術前化学療法と比較して、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者さんにおいて、病理学的完全奏効(pCR)の有無に関わらず、無イベント生存期間(EFS)と全生存期間(OS)の延長を示しました。患者さんは、根治的膀胱全摘除術前に術前化学療法との併用として4サイクルのイミフィンジ投与と、術後に8サイクルのイミフィンジの単剤療法を受けました。

これらの新たな結果は、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された2025年米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表されました(抄録番号#659)。

NIAGARA試験では、イミフィンジ周術期レジメンでの治療は、pCRを達成した患者さんと達成しなかった患者さんの両方において、対照群に比べてEFSとOSを延長しました。このレジメンでは、病勢進行、再発、手術未施行、または死亡のリスクを、pCRを達成した患者さんでは42%、達成しなかった患者さんでは23%低下させました。また、pCRを達成した患者さんでは死亡のリスクを28%、達成しなかった患者さんでは16%低下させました。

また、イミフィンジ周術期レジメンは、intent-to-treat(ITT)集団において、対照群と比較して無転移生存期間(MFS)および疾患特異的生存期間(DSS)という2つの副次評価項目を延長し、遠隔転移または死亡のリスクを33%、膀胱がんに特有の死亡のリスクを31%低下させました(詳細はデータ表を参照)。

ニューヨークのマウントサイナイ医科大学Tisch Cancer Institute泌尿生殖器腫瘍内科部長、Lillian and Howard Stratton医学教授であり、NIAGARA試験の治験責任医師でSteering CommitteeメンバーであるMatthew ND. Galsky博士は次のように述べています。「これらNIAGARA試験のデータは、筋層浸潤性膀胱がんにおけるデュルバルマブ周術期レジメンの説得力のある有効性を確認し、患者さんが病理学的完全奏効を達成したか否かに関係なく、このレジメンが有効な結果をもたらすことを示しています。この知見と、デュルバルマブ周術期レジメンが遠隔転移するまでの期間を延長したデータは、より良い治療オプションを必要とする筋層浸潤性膀胱がん患者さんにとって喜ばしいニュースです」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発チーフ・メディカルオフィサー兼オンコロジー・チーフ・ディベロップメントオフィサーであるCristian Massacesiは次のように述べています。「NIAGARA試験は、無イベント生存期間と全生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した、筋層浸潤性膀胱がんにおける周術期免疫療法レジメンとして最初の第Ⅲ相試験です。予後が悪いとされる遠隔転移リスクを33%低下させたことは、イミフィンジの周術期レジメンがこの疾患での新しい標準治療となる可能性をさらに支持しています」。

これらの新しい結果は、ヨーロッパ腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表され、The New England Journal of Medicine誌に掲載された、NIAGARAにおけるEFSの主要評価項目およびOSの重要な副次評価項目の達成に基づいています。ITT集団において、イミフィンジの周術期レジメンで治療された患者さんにおいては、病勢進行、再発、手術未施行、または死亡のリスクが対照群に比べて32%低下し、死亡のリスクが25%低下しました。また、pCR率が対照群に比べて10%改善しました。

NIAGARA試験 事後探索的解析の概要

 
  pCR達成患者 pCR未達成患者 ITT集団
  イミフィンジを含むレジメン
(n=199)
術前化学療法 (n=146) イミフィンジを含むレジメン(n=334) 術前化学療法(n=384) イミフィンジを含むレジメン(n=533) 術前化学療法(n=530)
pCRi
pCR率 (%) - - - - 37.3 27.5
p値ii - - 0.0005
EFSi
EFS率, 24 カ月 (%) 92.1 85.8 53.3 49.5 67.8 59.8
ハザード比 (95%信頼区間) 0.58
(0.33-1.00)
0.77
(0.63-0.95)
0.68
(0.56-0.82)
OSi
OS率, 24カ月 (%) 95.5 91.1 74.1 68.9 82.2 75.2
ハザード比 (95%信頼区間) 0.72
(0.37-1.43)
0.84
(0.66-1.07)
0.75
(0.59-0.93)

NIAGARA試験 追加の副次評価項目結果概要 (ITT)

 
  イミフィンジを含むレジメン
(n=533)
術前化学療法
(n=530)
MFSi
MFS率, 24カ月 (%) 75.1 65.1
MFSイベント数 (%) 152
(28.5)
201
(37.9)
MFS中央値
(95%信頼区間) (月)
NRii
(NRii-NRii)
NRii
(48.0-NRii)
ハザード比
(95%信頼区間)
0.67
(0.54-0.83)
DSSi
DSS率, 24カ月 (%) 89.2 82.2
膀胱がんによる死亡数 (%) 85
(15.9)
114
(21.5)
DSS中央値
(95%信頼区間) (月)
NRii
(NRii-NRii)
NRii
(NRii-NRii)
ハザード比 (95%信頼区間) 0.69
(0.52-0.91)

イミフィンジの忍容性は全般的に良好であり、術前および術後補助療法において新たな安全性シグナルは観察されませんでした。さらに、術前化学療法にイミフィンジを追加する療法は、この併用療法の既知のプロファイルと一致し、術前化学療法単独と比較して患者さんの手術への耐性を損なうことはありませんでした。免疫介在性有害事象(imAE)は、イミフィンジの既知のプロファイルと一致しており、管理可能でほとんどが低グレードでした。

術前化学療法との併用によるイミフィンジ周術期治療は、MIBC患者さんの治療として、2024年12月に米国で優先審査指定を受けました。また、NIAGARA試験に基づき、欧州連合(EU)、日本、およびその他数カ国においても規制当局により審査中です。

注釈

筋層浸潤性膀胱がんについて
膀胱がんは世界中で9番目に多いがんであり、毎年61万4000人以上の患者さんが診断されています1。膀胱がんで最も多いのは、尿路上皮細胞から発生する尿路上皮がんです2。膀胱がん患者さんの約4人に1人は、膀胱筋層内への腫瘍の浸潤(遠隔転移なし)があり、MIBCとして知られています3,4

MIBCにおいては、治癒目的の治療として、約11万7000人の患者さんが、術前化学療法と根治的膀胱全摘除術を含む現在の標準治療を受けています5,6。しかし、膀胱全摘除術を受けた患者さんにおいても約50%が再発を経験し、予後が不良です6。治癒目的の治療では、手術後の再発を予防する治療選択肢が喫緊に必要とされています。

NIAGARA試験について
NIAGARA試験はMIBC患者さんに対する根治的膀胱全摘除術前後の周術期治療薬としてのイミフィンジを評価する、第Ⅲ相国際多施設共同ランダム化非盲検試験です。本試験では、1,063人の患者さんが、膀胱全摘除術前にイミフィンジと術前化学療法の併用療法を受け、術後にイミフィンジを投与する群と、膀胱全摘除術の前に術前化学療法単独を受けた後、術後に追加治療を行わない群にランダム化されました。

この試験は、北米、南米、欧州、オーストラリアとアジアを含む22カ国および地域の192施設で実施されています。2つの主要評価項目は、EFS、および膀胱全摘除術時にがん細胞が検出されない (T0N0M0) 患者の割合として定義されたpCRです。重要な副次評価項目はOSと安全性です。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、化学放射線療法(CRT)後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療における全生存期間(OS)に基づいた、世界的な標準治療です。また、イミフィンジは切除可能な非小細胞肺がんにおける術前化学療法と併用した周術期治療、また、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法として承認されています。イミフィンジは、白金製剤を含む同時CRT後に病勢進行が認められていない限局型小細胞肺がん(SCLC)にも承認されており、化学療法(エトポシド+カルボプラチン/シスプラチン)との併用療法で進展型SCLCの治療薬としても承認されています。

イミフィンジは、局所進行性または転移性の胆道がんに対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用に加え、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対するイジュドとの併用で承認されています。
また、イミフィンジは、日本およびEUでは切除不能な肝細胞がんに対する単剤療法として承認されています。

イミフィンジは、米国ではミスマッチ修復機能欠損を有する(dMMR)の原発性進行または再発子宮体がんにおいて、化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)との併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療も承認されています。EUでは、ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の進行性または再発性子宮体がん患者さんに対して、イミフィンジと化学療法の併用後にリムパーザ(オラパリブ)とイミフィンジの併用療法を行う治療、dMMRの患者さんに対しては、イミフィンジと化学療法の併用後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。日本では、原発性進行または再発子宮体がんの一次治療として、イミフィンジと化学療法の併用後にイミフィンジ単剤療法が承認されており、pMMR患者さんに対しては、イミフィンジと化学療法の併用後にイミフィンジとリムパーザの併用が承認されています。日本では、原発性進行または再発性子宮体がんの一次治療として、イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジ単剤療法が承認されており、また、pMMR患者さんに対して、イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジとリムパーザの併用療法が承認されています。

2017年5月に世界で初めて承認されて以来、37万4千人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

アストラゼネカのがん免疫治療(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Bladder Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/30-bladder-fact-sheet.pdf. Accessed February 2025.
  2. American Cancer Society. What Is Bladder Cancer? Available at: https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed February 2025.
  3. Burger M, et al. Epidemiology and Risk Factors of Urothelial Bladder Cancer. Eur Urol. 2013;63(2):234-241.
  4. National Collaborating Centre for Cancer. Bladder Cancer: Diagnosis and Management. London: National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK356289. Accessed February 2025.
  5. Cerner CancerMPact database. Accessed February 2025. Reflects epidemiology estimates across G8 countries (US, EU, Japan, China).
  6. Witjes JA, et al. EAU Guidelines on Muscle-invasive and Metastatic Bladder Cancer. Eur Urol. 2021;1-94.

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