カルケンスと免疫化学療法の併用療法、米国において前治療歴のないマントル細胞リンパ腫の患者さんの治療薬として承認取得

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2025年1月17日に発信したプレスリリースを抜粋して日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているカルケンスの適応症は国内の承認状況と異なります。

免疫化学療法単独群と比較して16カ月以上の無増悪生存期間の改善を示した 第Ⅲ相ECHO試験の結果に基づく

米国においてMCLに対する一次治療薬として承認された、最初で唯一のBTK阻害剤

アストラゼネカのカルケンス®(アカラブルチニブ)とベンダムスチンおよびリツキシマブとの併用療法は、米国において、自家造血幹細胞移植が不適応の、前治療歴のないマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんに対する治療薬として承認されました。

本承認は、優先審査を経て米国食品医薬品局(FDA)により認められました。これは、2024年欧州血液学会(EHA)で発表された第Ⅲ相ECHO試験の結果に基づくものです。

MCLはまれで、一般的に悪性度の高い非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種であり、進行期で診断されることが多い病気です1,2。米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、日本、中国におけるMCL患者数は、2万1,000人以上と推定されています3

Puddin Clarke寄附講座の教授で、マントル細胞リンパ腫プログラムのエクセレンスディレクターであり、本試験の治験責任医師であるMichael Wang医学博士は、次のように述べています。「この悪性度の高いがんを管理するにあたり、特に高齢患者さんにおいては効果を最大化しつつ忍容性を維持することが求められます。ECHO試験の画期的な結果は、新しい標準治療を定義する上でのアカラブルチニブ併用療法の有望さを裏付けるものであり、本日の承認は、このレジメンにおけるマントル細胞リンパ腫の高齢患者さんの一次治療としての変革的な可能性を示しています」。

アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデントであり、オンコロジー・ヘマトロジービジネスユニット責任者のDave Fredricksonは次のように述べています。「本日の承認により、カルケンスは病勢進行のない期間を約1年半延長することが立証され、米国のマントル細胞リンパ腫患者さんにとって重要な新しい治療選択肢となります。本承認は、この病気を抱えて生きる人々に新しい効果的な治療選択肢を提供するとともに、血液がん全般における標準治療としてのカルケンスに対する私たちの確信をさらに強化するものです」。

リンパ腫研究財団の最高執行責任者であるMeghan Gutierrez氏は次のように述べています。「米国におけるマントル細胞リンパ腫の一次治療では、新しい治療選択肢が長らく求められてきました。この希少かつ往々にして悪性度の高いがんの患者さんには、診断時点で重篤な症状がある可能性があり、治療初期において患者さんに意義ある予後の改善をもたらす効果的な治療法を得ることは、非常に大きな進展です」。

ECHO試験の結果において、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブとの併用療法群は、標準治療である免疫化学療法群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを27%低減したことが示されました(ハザード比[HR]0.73;95%信頼区間[CI]0.57~0.94;p=0.016)。PFSの中央値は、免疫化学療法単独群では49.6カ月であったのに対し、カルケンス併用療法群では66.4カ月でした。

本承認により、2017年10月にFDAが認めた少なくとも1回の治療歴のある成人MCL患者さんに対するカルケンスの迅速承認が、完全承認へと移行しました。

ECHO試験は、COVID-19のパンデミック期間中に患者さんの登録が行われました。COVID-19に関連する死亡を除外した解析では、両群ともにPFSがさらに改善し、カルケンス併用療法群では病勢進行または死亡のリスクが36%低下しました(HR 0.64;95%CI 0.48-0.84)。解析時点でOSのデータはイベント数不十分でしたが、COVID-19に関連する死亡を除外した場合、免疫化学療法群の患者さんの69%が再発または病勢進行時にBTK阻害剤による治療を受けたにもかかわらず、OSにおいてもカルケンス群に良好な傾向が見られました(HR 0.75; 95% CI 0.53–1.04)。

カルケンスの安全性と忍容性は既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

米国の承認申請に対しては、「Project Orbis」の下で審査が行われました。「Project Orbis」は参加する国際パートナー国間で抗がん剤の承認申請を共同で審査する枠組みです。「Project Orbis」の一環として、カルケンスと免疫化学療法との併用療法も同様の適応に対し、オーストラリア、カナダ、スイスの規制当局により審査中です。また、ECHO試験の結果に基づき、EU、日本およびその他の国においても規制当局により審査中です。

注釈

マントル細胞リンパ腫について
MCL患者さんは初期には治療反応性がありますが、再発する傾向があります4。MCLは非ホジキンリンパ腫の約3~6%を占め、欧米諸国での人口10万人当たりの年間発生率は0.5例です。米国では、毎年約4,000例のMCLが新たに診断されると推定されています4,5

ECHO試験について
ECHO試験は、前治療歴のない65歳以上の成人MCL患者さん(n=598)を対象に、カルケンスとベンダムスチンおよびリツキシマブの併用療法の有効性および安全性を、標準治療の免疫化学療法(ベンダムスチンおよびリツキシマブ)と比較評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同第Ⅲ相試験です6。患者さんを1対1に無作為に割り付け、カルケンスまたはプラセボを1日2回、病勢進行または許容できない毒性が現れるまで継続して経口投与しました。さらに、すべての患者さんは各サイクルの1日目と2日目にべンダムスチンを、1日目にリツキシマブを投与する28日間のサイクルを6回受け、患者さんが導入療法に反応した場合は、リツキシマブの維持療法を2年間行いました6

主要評価項目は独立判定委員会の評価によるPFSで、他の有効性評価項目はOS、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、奏効までの期間(TTR)でした6。この試験は、北米、南米、欧州、アジア、オセアニアの27カ国で実施されました6

ECHO試験は2017年5月から2023年3月まで、COVID-19の流行期を通じて患者さんの組入れが実施されました。COVID-19 が結果に与える影響を評価するため、FDAとの合意に基づき、COVID-19 による死亡を除外する、事前に規定した PFS および OS の解析が行われました。血液がん患者さんは、COVID-19による入院や死亡などの重篤な転帰となるリスクが、一般集団に比べると依然として不均衡に高いままです7

カルケンスについて
カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、第二世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します8。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、世界中で8万5,000人以上の患者の治療に使用されており9、米国と日本では慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする世界各国ではCLLの治療薬として、中国では再発または難治性のCLLおよびSLLの治療薬として承認されています。また、カルケンスは米国では未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として、中国、その他数カ国においては、少なくとも1回の前治療歴を有する成人MCL患者さんの治療薬として承認されました。なおカルケンスは現在、日本およびEUではMCLの治療薬としては承認されていません。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である免疫化学療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。 また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は複数の科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、自家細胞療法のパイオニアであるGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の探索、開発、提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Lymphoma Research Foundation. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://lymphoma.org/aboutlymphoma/nhl/mcl/. Accessed January 2025.
  2. National Organization for Rare Disorders. Mantle Cell Lymphoma. Available at: https://rarediseases.org/rare-diseases/mantle-cell-lymphoma/. Accessed January 2025.
  3. AstraZeneca 2024. Q3 2024 Financial Results. Available at: https://www.astrazeneca.com/investor-relations.html. Accessed January 2025.
  4. Cheah C, Seymour J, Wang ML. Mantle cell lymphoma. J Clin Oncol. 2016;34(11):1256-1269. doi: 10.1200/JCO.2015.63.5904.
  5. MD Anderson Cancer Center. What to know about mantle cell lymphoma. Available at: https://www.mdanderson.org/cancerwise/what-to-know-about-mantle-cell-lymphoma-symptoms-diagnosis-and-treatment.h00-159385101.html. Accessed January 2025.
  6. ClinicalTrials.gov. A Study of BR Alone Versus in Combination With Acalabrutinib in Subjects With Previously Untreated MCL. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT02972840. Accessed January 2025.
  7. Dube S, et al. Continued Increased Risk of COVID-19 Hospitalisation and Death in Immunocompromised Individuals Despite Receipt of ≥4 Vaccine Doses: Updated 2023 Results from INFORM, a Retrospective Health Database Study in England. Poster P0409 at ECCMID 2024.
  8. Wu J, Zhang M, Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
  9. Data on File, REF-236261. AstraZeneca Pharmaceuticals LP.

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