アストラゼネカのカルケンス錠100mg、
慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)患者さんを対象に承認取得

胃酸分泌抑制剤等との併用が可能となり、患者さんと医師の選択肢を拡大
カプセル剤と同等の有効性、安全性、投与を提供

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、カルケンス®錠100mg(一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物、以下、カルケンス錠)が、成人の慢性リンパ性白血病(CLL)(小リンパ球性リンパ腫[SLL])を含む患者さんを対象とした治療薬として、製造販売承認を本日、取得しましたのでお知らせいたします。

厚生労働省による本承認は、消化管のpH条件に関わらず薬物が全て溶出するように改善した溶解性プロファイルを有するアカラブルチニブマレイン酸塩水和物100mg(遊離塩基換算)フィルムコーティング錠に対するもので、海外の健康被験者を対象に、新たな剤形となるカルケンス錠を投与したD8223C00013試験の結果に基づくものです。

カルケンスは、選択的かつ不可逆的なブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤であり、現在、国内では慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の成人患者さんに対する治療薬として承認されています。カルケンス®カプセル100mg(以下、カルケンスカプセル)は、pH 4を超える条件下では溶解性が低いことに関連して、国内添付文書では、プロトンポンプ阻害剤(PPI)との併用は可能な限り避けること、並びにH2 受容体拮抗剤及び制酸剤との併用では投与間隔を2時間以上あけて投与することについて注意喚起していました。しかし、血液がん患者さんの20~40%は、胃内pHを変化させる薬物の投与を受けていると推定されており1、カルケンスカプセルの使用は制限されていました。

アストラゼネカの取締役 研究開発本部長の大津 智子は次のように述べています。「今回の承認は、CLL/SLL治療におけるニーズを理解し、患者さん中心の治療ソリューションを提供するという当社の取り組みを強調するものです。がん患者さんは多剤併用する場合が多く、胃内pHを変化させる薬物も一般的に投与されています。本承認によりカルケンス錠がPPI等の胃酸分泌抑制剤とともに服用できるようになったことは服薬レジメンの簡素化につながり、より多くのCLL/SLL患者さんに本剤によるベネフィットをもたらすことが期待できます」。

CLL/SLLは、白血球の異常産生により引き起こされ、世界中の成人においてもっとも多くみられるタイプの白血病であり、患者数が増えると予測されています2-4。一次治療では、約4万人の患者さんが従来の標準治療を受けています5。CLLは欧米ではもっとも患者数の多い白血病ですが、日本および東アジアでは稀な疾患と見なされており、新たに診断される患者さんは、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満です6-8。CLL/SLLは不治のがんと考えられていますが、患者さんは同疾患を罹患した状態での生存期間が長く、継続的な治療が長期にわたり続くことも多くあります9

<製品概要>

製品名 カルケンス®錠100mg
英語表記:CALQUENCE® tablets 100mg
一般名 アカラブルチニブマレイン酸塩水和物
剤形 橙色の楕円形のフィルムコーティング錠
効能又は効果 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)
用法及び用量 通常、成人にはアカラブルチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
製造 販売元 アストラゼネカ株式会社

カルケンス錠は、D8220C00018試験[参考試験]およびD8223C00013試験[評価試験]において安全であり、忍容性も良好でした。また、健康被験者においてカルケンス錠とカルケンスカプセルの安全性および忍容性プロファイルに明確な差は認められませんでした。

カルケンス錠は、2022年8月に米国、2023年2月にEUで承認されています。

以上

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慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLでは、異常なリンパ球が骨髄、血液およびリンパ節に蓄積します2。CLL患者さんにおいては、診断時に症状がまったく現れない場合もありますが、脱力感、疲労感、体重減少、悪寒、発熱、寝汗、リンパ節の腫れ、腹痛などの症状が現れる場合もあります3。異常細胞が増えるに従い、骨髄内で健全な白血球、赤血球および血小板を産生する余地がほとんどなくなります。これにより貧血、感染および出血が引き起こされる可能性があります2。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLにおいて異常細胞が生存する基本的な経路の一つです。

カルケンスについて
カルケンスは、第二世代の選択的BTK阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します10。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、世界中で8万人以上の患者さんの治療に使用されており11、米国と日本ではCLLおよび小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする世界各国ではCLLの治療薬として、中国では再発または難治性のCLLおよびSLLの治療薬として承認されています。また、カルケンスは米国、中国、その他数カ国において、少なくとも1回の前治療歴を有する成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として承認されました。なおカルケンスは現在、日本およびEUではMCLの治療薬としては未承認です。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL/SLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である化学免疫療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。
また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は6つの科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。最近、希少な良性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、血液悪性腫瘍の細胞療法に特化したGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の開発と提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

References

  1. Smelick GS, Heffron TP, Chu L, Dean B, West DA, Duvall SL, et al. Prevalence of acid-reducing agents (ARA) in cancer populations and ARA drug-drug interaction potential for molecular targeted agents in clinical development. Mol Pharm. 2013;10(11):4055-62.
  2. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version: General Information About Chronic Lymphocytic Leukemia. Available online. Accessed December 2024.
  3. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia? Available online. Accessed December 2024.
  4. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126(23):871.
  5. Cerner CancerMPact and DRG databases. Reflects epidemiology estimates across G8 countries (Cerner CancerMPact for G7: US, EU, Japan; DRG database for China). Accessed December 2024.
  6. Yao Y, Lin X, Li F, et al. The global burden and attributable risk factors of chronic lymphocytic leukemia in 204 countries and territories from 1990 to 2019: analysis based on the global burden of disease study 2019. Biomed Eng Online. 2022;1: 4. doi: 10.1186/s12938-021-00973-6.
  7. Mahlich J, Okamoto S, Tsubota A. Cost of Illness of Japanese Patients with Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL), and Budget Impact of the Market Introduction of Ibrutinib. Pharmacoecon Open. 2017;1(3):195-202. doi:10.1007/s41669-017-0024-5.
  8. National Cancer Institute Cancer Information Service. Chronic Lymphocytic Leukemia/Small Lymphocytic Lymphoma. Available at: https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html. Accessed November 2022.
  9. American Cancer Society. After Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/after-treatment/follow-up. Accessed December 2024.
  10. Wu J, Zhang M, Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
  11. Data on File, REF-236261. AstraZeneca Pharmaceuticals LP.

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