トルカプの併用療法、第Ⅲ相CAPItello-281試験において、PTEN欠損を有する転移性ホルモン感受性前立腺がんに対し、画像診断に基づく無増悪生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年11月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているトルカプの適応症は国内の承認状況と異なります。

前立腺がんにおける特異的なサブタイプに対してベネフィットを示した
最初で唯一のAKT阻害剤併用療法

第Ⅲ相CAPItello-281試験の良好な結果概要によると、PTEN欠損を有するde novo転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)患者さんにおいて、アストラゼネカのトルカプ®(カピバセルチブ)とアビラテロンおよびアンドロゲン遮断療法(ADT)の併用療法が、アビラテロンとADTおよびプラセボの併用療法と比較して、主要評価項目である画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

全生存期間(OS)は、今回の解析時点ではイベント数が不十分でしたが、トルカプの併用療法群はアビラテロンとADTおよびプラセボ群に比べて早期にOSの改善傾向を示しました。本試験はOSを重要な副次評価項目としてさらに評価するために計画通り継続されます。

前立腺がんは、世界において、男性で2番目に多いがんであり、がんによる男性の死亡原因の第5位です1。転移性前立腺がんの患者さんのうち、診断から5年後に生存している方は3分の1に過ぎません2。de novo mHSPCは、転帰不良と生存不良を伴う進行性疾患です3,4。毎年、概ね20万人がmHSPCと診断され、これら患者さんの4人に1人が腫瘍にPTEN欠損を有しています5。PTEN欠損を示す腫瘍バイオマーカーを持つ患者さんは特に予後が悪いとされています6

フランス、ヴィルジュイフのギュスターヴ・ルシーがん研究所およびパリ=サクレ―大学の医学博士であり、本試験の国際治験調整医師であるKarim Fizazi氏は次のように述べています。「PTEN欠損を有する進行性の前立腺がん患者さんは、現在、特に予後が悪く、既存の治療を改善する新たな治療法が緊急に必要です。CAPItello-281試験で示された、カピバセルチブとアビラテロン-プレドニゾンおよびアンドロゲン遮断療法の併用療法による結果は、これらの患者さんにとって前進を意味します」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「これらの結果は、AKT阻害薬を標準治療に追加することが、PTEN欠損を有する転移性ホルモン感受性前立腺がんの患者さんにベネフィットをもたらすことを初めて示しています。疾患の主要な要因を標的とすることで既存の治療を改善し、重大なアンメットニーズのある領域におけるこの併用療法の潜在的な役割を示すことができました。全生存期間を含めた重要な副次評価項目の成熟度を高めることが重要となります」。

CAPItello-281試験におけるトルカプとアビラテロンおよびADT併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルとおおむね一貫していました。

データは今後の医学会で発表され、世界の規制当局と共有されます。

注釈

前立腺がんについて
前立腺がんは、男性では世界で2番目に多く診断されるがんであり、男性のがんによる5番目の死因です。2022年には、約140万人以上が診断され、約39万7000人が死亡しました1

転移性前立腺がんは死亡率の高いがんで、診断から5年後に生存している患者さんは3分の1に過ぎません2。前立腺がんの進展は多くの場合、テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進されます7

転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)について
転移性去勢感受性前立腺がん(mCSPC)としても知られるmHSPCの患者さんでは、前立腺のがん細胞はがんの成長を促進するために高レベルのアンドロゲンを必要とします4,7。ADTなどのホルモン療法は、男性ホルモンの作用を阻害し、体内のアンドロゲン濃度を下げるために広く使用されています4,8。しかし、この治療法に対する耐性は一般的なため、がんの成長や去勢抵抗性への進行を遅らせたり、体の他の部位への進展を遅らせるために、この治療をさらに拡大して使用する必要があります3,4,8

de novo mHSPC患者さんの場合、初回診断時にがんは体の遠隔部位に転移しています9

PTENの喪失または欠損はがん細胞の増殖を促進し、PI3K/AKT経路の調節不全を引き起こして、前立腺がん患者さんの転帰不良につながります6,10

CAPItello-281試験について
CAPItello-281試験は、PTEN欠損を有するde novo mHSPC患者さんの治療におけるアビラテロンおよびADTとトルカプの併用療法の有効性と安全性について、アビラテロンおよびADTとプラセボの併用療法と比較評価する、二重盲検、無作為化第Ⅲ相試験です。

この国際試験には、組織学的に確認されたde novoホルモン感受性前立腺がんおよび中央判定で確認されたPTEN欠損を有する1,012人の成人患者さんが登録されました。CAPItello-281試験の主要評価項目は、治験責任医師が評価したrPFSであり、副次評価項目はOSです。

トルカプについて
トルカプは、ファーストインクラスの、AKTの3種類のアイソフォーム(AKT1、AKT2およびAKT3)の全てを強力に阻害するアデノシン三リン酸(ATP)競合阻害薬です。本剤は、400mgを1日2回、4日間の投与と3日間の休薬からなる間欠投与スケジュールに従って投与されます。この投与スケジュールは、忍容性および標的阻害の程度に基づいて、初期の試験段階で採用されました。

トルカプは、CAPItello-291試験の結果に基づき、1つ以上の遺伝子変異(PIK3CA、AKT1またはPTEN)を有するHR陽性(またはER陽性)、HER2陰性の局所進行または転移性乳がんの成人患者さんに対する治療薬として、米国、EU、日本、およびその他数カ国で承認されています。トルカプはこれらの試験結果に基づき、内分泌療法実施中あるいは実施後に再発または病勢進行が認められた、HR陽性、HER2陰性の局所進行または転移性乳がんの成人患者さんに対する治療薬として、オーストラリアでも承認されています。

トルカプは現在、乳がん(CAPItello-292)および前立腺がん(CAPItello-280およびCAPItello-281)の治療薬として、確立された治療との併用療法として、第Ⅲ相試験において評価中です。

トルカプは、Astex Therapeutics社との共同研究(およびInstitute of Cancer ResearchならびにCancer Research Technology Limited社との共同研究)を経て、アストラゼネカにより創製されました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. Bray F, et al. Global cancer statistics 2022: GLOBOCAN estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries. CA Cancer J Clin. 2024 Apr 4. doi: 10.3322/caac.21834.
  2. Chowdhury S, et al. Real-World Outcomes in First-Line Treatment of Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: The Prostate Cancer Registry. Target Oncol. 2020;15(3):301-315.
  3. Hussain M, et al. Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer and Combination Treatment Outcomes A Review. JAMA Oncol. 2024;10(6):807-820.
  4. American Society of Clinical Oncology Educational Book. Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: Toward an Era of Adaptive and Personalized Treatment. Available at: https://ascopubs.org/doi/pdf/10.1200/EDBK_390166. Accessed November 2024.
  5. Cerner CancerMPact database. Accessed November 2024.
  6. Cuzick J et al. Prognostic value of PTEN loss in men with conservatively managed localised prostate cancer. Br J Cancer. 2013;108(12):2582-2589.
  7. National Cancer Institute. Hormone Therapy for Prostate Cancer Fact Sheet. Available at: https://www.cancer.gov/types/prostate/prostate-hormone-therapy-fact-sheet. Accessed November 2024.
  8. Cancer Research UK. Hormone therapy for metastatic prostate cancer. Available at: https://www.cancerresearchuk.org/about-cancer/prostate-cancer/metastatic-cancer/treatment/hormone-therapy-for-metastatic-prostate-cancer. Accessed November 2024.
  9. McManus H et al. The Past, Present, and Future of Treatment Intensification for Metastatic Hormone–Sensitive Prostate Cancer. J Clin Oncol 2023; 41:3576-3579.
  10. Gasmi A et al. Overview of the Development and Use of Akt Inhibitors in Prostate Cancer. J Clin Med. 2021;11(1):160.

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