アストラゼネカのイミフィンジとリムパーザ
日本における進行または再発子宮体がんの治療薬として承認取得

子宮体がんを対象に承認された
免疫チェックポイント阻害剤およびPARP阻害剤、両剤の併用療法では国内初

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え]、以下、イミフィンジ)について、「進行・再発の子宮体癌」の効能又は効果として、また、リムパーザ®(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)について、「ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の進行・再発の子宮体癌におけるデュルバルマブ(遺伝子組換え)を含む化学療法後の維持療法」を効能又は効果として、2024年11月22日付で承認を厚生労働省より取得しましたことをお知らせいたします。イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジ単独維持療法を行う一次治療は、ミスマッチ修復機能(MMR)の有無に関係なく承認されました。また、イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジとリムパーザの併用維持療法は、ミスマッチ修復機能が正常(pMMR)な患者さんに対し承認されました。

厚生労働省による本承認は、進行または再発子宮体がんを対象に、一次治療としての化学療法と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法、および維持療法を目的とした免疫チェックポイント阻害剤とPARP阻害剤の併用療法に対する初の承認です。本承認は、Journal of Clinical Oncologyで発表されたDUO-E第Ⅲ相試験の結果に基づくものです。

本試験では、イミフィンジ群は、MMR機能の有無にかかわらず、対照群と比較して患者さんの病勢進行または死亡のリスクを 29% 低減しました(ハザード比 [HR] 0.71;95% 信頼区間 [CI]:0.57-0.89;p=0.003)1。18カ月時点の無増悪生存割合は、対照群では 21.7%であったのに対し、イミフィンジ群では37.8%でした1。また、イミフィンジとリムパーザの併用療法群は、対照群と比較して、pMMR患者さんの病勢進行または死亡のリスクを43%低減しました(HR 0.57;95% CI 0.44-0.73)。18カ月時点の無増悪生存割合は、対照群では20.0%であったのに対し、イミフィンジとリムパーザの併用療法群では42.0%でした1

日本では、子宮体がんは女性のがんで6番目に多く、罹患数は増加傾向にあり、2022年には18,300人以上が診断され、約3,600人が死亡すると推計されています2,3。早期で診断された患者さんの5年生存率は約80~90%ですが、進行期の患者さんにおいては5年生存率が20%未満に低下することから、新たな治療選択肢が強く求められてきました4,5。また、子宮体がん患者さんの70~80%はミスマッチ修復機能が正常(pMMR)と言われています6,7

東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座の主任教授であり、日本におけるDUO-E試験の治験責任医師である岡本愛光先生は、次のように述べています。「進行または再発子宮体がんにおける一次治療の選択肢は限られています。今後、子宮体がんの患者数は大きく増えていくことが予想されることから、新たな治療選択肢を提供することは極めて重要です。今回の承認により、子宮体がん患者さんはミスマッチ修復機能の状態に関係なく、初めて免疫療法を一次治療に利用できるようになります。さらに、ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の患者さんは、維持療法としてPARP阻害剤を追加することでさらなる治療ベネフィットの可能性が期待できます」。

アストラゼネカの取締役 研究開発本部長の大津 智子は次のように述べています。「今回のイミフィンジとリムパーザについての国内承認は、5年生存率が20%未満という進行期の子宮体がん治療における大きな前進と言えます。子宮体がん患者さんの多くはミスマッチ修復機能が正常であり、一次治療においては化学療法以外の選択肢がなく、予後が悪いため、特にこのような子宮体がん患者さんにとって意義深い承認であると感じております」。

     
製品名 イミフィンジ®点滴静注120mg
イミフィンジ®点滴静注500mg
英語表記:
IMFINZI®Injection 120mg・500mg
リムパーザ®錠100mg
リムパーザ®錠150mg
英語表記:
Lynparza® Tablets 100mg・150mg
一般名 デュルバルマブ(遺伝子組換え) オラパリブ
効能又は効果
  • 切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 進展型小細胞肺癌
  • 切除不能な肝細胞癌
  • 治癒切除不能な胆道癌
  • 進行・再発の子宮体癌
  • 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
  • BRCA 遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
  • 相同組換え修復欠損を有する卵巣癌におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法
  • がん化学療法歴のあるBRCA 遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
  • BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法
  • BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌
  • BRCA 遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法
  • ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の進行・再発の子宮体癌におけるデュルバルマブ(遺伝子組換え)を含む化学療法後の維持療法
用法及び用量 〈進行・再発の子宮体癌〉
  • カルボプラチン及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1120mgを3週間間隔で、60分間以上かけて点滴静注する。その後の維持療法において、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合、維持療法における1回投与量は、20mg/kg(体重)とする。
〈ミスマッチ修復機能正常(pMMR)の進行・再発の子宮体癌におけるデュルバルマブ(遺伝子組換え)を含む化学療法後の維持療法〉
デュルバルマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
製造 販売元 アストラゼネカ株式会社 アストラゼネカ株式会社
プロモーション提携:MSD株式会社

両試験レジメンの安全性プロファイルは概ね管理可能かつ忍容性は良好で、個々の薬剤の既知のプロファイルとも概ね一致していました1

2024年6月、イミフィンジと化学療法の併用療法およびその後のイミフィンジ単剤維持療法は、米国でミスマッチ修復機能欠損(dMMR)のある原発性進行または再発子宮体がんに対して承認され、続いて2024年8月にはEUで、イミフィンジと化学療法の併用療法およびdMMR患者さんにはその後のイミフィンジ単剤維持療法、pMMR患者さんにはイミフィンジおよびリムパーザの併用維持療法が承認されました。DUO-E第Ⅲ相試験に基づき、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジとリムパーザの併用療法は、現在、さらに数カ国で承認申請中です。

以上

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子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮の内膜組織から発生する極めて不均一な疾患であり、診断時の平均年齢は60歳超で、すでに閉経している女性にもっとも多くみられます8-11

子宮体がん患者さんの大部分は、がんが子宮に限局している早期段階で診断されます12。これらの患者さんは、概して手術および/または放射線療法による治療を受け、高い5年生存率(約80~90%)を示しています9。進行した病期(III~IV期)の患者さんは、通常予後はより不良で、5年生存率は約20%未満に低下します5。化学療法と併用した免疫療法は、進行子宮体がんの中でも全患者さんの約20~30%を占めるdMMR患者さんに対する新たな標準治療として浮上しています13-17。特に子宮体がん患者さんの70~80%を占めるpMMR患者さんの新たな治療選択肢には、高いニーズがあります6,7

DUO-E試験について
DUO-E試験(GOG 3041/ENGOT-EN10)は、新たに診断された進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者さんを対象とした、3群無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第Ⅲ相試験であり、一次治療としてイミフィンジと白金製剤ベースの化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法と、その後のイミフィンジ単剤またはイミフィンジおよびリムパーザの併用による維持療法を実施した場合と、白金製剤ベースの化学療法単独とを比較検討しました。

DUO-E試験では、新たに診断された進行または再発の上皮性子宮体がんの患者さん699人がランダム化され、標準治療である白金製剤ベースの化学療法に加えて、イミフィンジ(1,120mg)またはプラセボの3週間ごとの投与を受けました。4~6サイクルの化学療法後、(病勢が進行しなかった)患者さんに維持療法として、イミフィンジ(1,500mg)またはプラセボか(4週間毎)、イミフィンジ(1,500mg)とリムパーザ(300mg、1日2回[150mg錠×2、1日2回])の併用またはプラセボが、病勢進行まで投与されました。

2つの主要評価項目は、各試験治療群と標準治療である化学療法単独群の比較における無増悪生存期間(PFS)で、両試験治療群ともに、新たに診断された進行または再発子宮体がん患者さんにおいて、標準治療群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるPFSの延長を示しました1。重要な副次評価項目は全生存期間(OS)、安全性および忍容性です。本試験では、全体集団において両試験治療群に対してOSの評価を継続しています。層別因子はMMRの状態、疾患の再発状態および地域でした。本試験はアストラゼネカが単独で実施し、米国、欧州、南米およびアジアを含む22カ国、253の医療施設で実施されました。

本試験の詳細情報については、ClinicalTrials.govをご確認ください。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

子宮体がんの適応に加えて、イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、本剤は、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)における術前化学療法との併用による周術期治療、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療における化学療法との併用、さらに、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法は、転移性NSCLCの治療薬として承認されています。

イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法においても承認されています。また、本剤は、切除不能なHCCに対する単剤療法として日本およびEUで承認されています。

イミフィンジは、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)において、術前化学療法と比較して統計的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したNIAGARA第Ⅲ相試験の結果に基づき、術前化学療法と併用した周術期治療薬としても世界各国の規制当局により審査中です。

2017年5月に初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。

※膀胱がん、乳がんに対するイミフィンジの適応は、本邦未承認です。

リムパーザについて
リムパーザはファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復関連(HRR)の欠損を有する、あるいは他の薬剤(新規ホルモン製剤[NHA]など)によりHRRの欠損が誘導される細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。

リムパーザによるPARP阻害により、DNAの一本鎖切断部位上にPARPがトラップされ、複製フォークの失速と崩壊が起こり、DNAの二本鎖切断が形成されてがん細胞死をもたらします。リムパーザはまた、免疫抗原性を増強し、抗腫瘍免疫反応の影響強化に役立つ可能性があります。

リムパーザは現在、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としての単独療法およびベバシズマブとの併用療法を含め、様々ながん種を対象に多くの国で承認されています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がん、および化学療法が臨床的に適応とならない転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)のアビラテロンとの併用療法(EUのみ)、BRCAmのmCRPC(米国および日本)、米国においては、BRCAmのmCRPCおよびNHA治療による前治療のあと進行したHRR関連遺伝子変異陽性mCRPC(EUおよび日本ではBRCAmのみ)に対して単剤療法が承認されています。中国においては、リムパーザはBRCAm mCPRCの治療薬、ならびにHRDを有する進行卵巣がんにおけるベバシズマブとの併用療法としての初回治療後の維持療法として承認されています。

リムパーザは単剤治療薬として、また、他の候補薬との併用治療薬として、アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われています。両社は、リムパーザを各社が開発しているPD-L1ならびにPD-1治療薬であるイミフィンジおよびキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)との併用で、独自に開発しており、商業化を予定しています。リムパーザは、全世界で約14万人の患者さんの治療に使用されています。リムパーザには幅広い臨床試験開発プログラムがあり、アストラゼネカとMSDは共同で、本剤が様々ながん種にわたる複数のPARP依存性腫瘍に対し、単剤療法および併用療法として、どのように影響するのか理解を進めています。リムパーザは、がん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患における免疫治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。アストラゼネカのFacebookInstagramYouTubeもフォローしてご覧ください。

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