本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年8月14日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されているリムパーザとイミフィンジの適応症は国内の承認状況と異なります。
子宮体がんに対する、初めての免疫治療薬とPARP阻害剤の併用療法として承認取得
イミフィンジは、ミスマッチ修復機能欠損を有する患者さんの治療薬としても承認取得
アストラゼネカのイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびリムパーザ®(オラパリブ)は、原発性進行または再発子宮体がんの特定の患者さんに対する治療薬として、欧州連合(EU)で承認を取得しました。一次治療でのイミフィンジと化学療法の併用療法およびその後のリムパーザおよびイミフィンジの併用療法は、ミスマッチ修復機能が正常(pMMR)な患者さんに対する治療として承認されました。また、イミフィンジと化学療法の併用療法およびその後のイミフィンジ単剤療法は、ミスマッチ修復機能欠損を有する(dMMR)患者さんに対する治療として承認されました。
欧州委員会による承認は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的な意見に従ったものであり、Journal of Clinical Oncology誌に掲載された第Ⅲ相DUO-E試験で事前に規定されたミスマッチ修復(MMR)機能状態別の探索的サブグループ解析に基づいています。
本試験では、pMMR患者さんにおいて、リムパーザとイミフィンジの併用療法群は、対照群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを43%低下させました(無増悪生存期間中央値15.0カ月対9.7カ月、ハザード比[HR]0.57;95%信頼区間[CI]0.44-0.73)1。また、dMMR患者さんにおいて、イミフィンジ群は、対照群と比較して、病勢進行または死亡のリスクを58%低下させました(中央値未到達対7.0カ月、HR 0.42;95% CI 0.22-0.80)1。
ベルギーのLeuven大学病院の婦人科腫瘍医であり、DUO-E試験の治験責任医師であるEls Van Nieuwenhuysen氏は次のように述べています。「今回の承認は、欧州における進行または再発子宮体がん患者さん、特に治療選択肢が限られているpMMR患者さんにとって朗報となります。オラパリブとデュルバルマブの併用レジメン、およびデュルバルマブ単剤レジメンは、ミスマッチ修復機能の有無にかかわらず、欧州のすべてのこれらのレジメン治療対象の子宮体がん患者さんの予後を改善する可能性があります」。
アストラゼネカのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者であるDave Fredricksonは次のように述べています。「イミフィンジとリムパーザに対する今回の承認は、子宮体がんにおける免疫療法とPARP阻害剤による併用療法として初の承認であり、患者さんにとっても大きな前進となります。欧州では、子宮体がんは女性のがんの中で4番目に多く、これまでpMMR患者さんの70~80%は、可能な治療選択肢がほとんどありませんでした」。
両試験レジメンの安全性プロファイルは概ね管理可能かつ忍容性は良好で、個々の薬剤の既知のプロファイルとも概ね一致していました1-3。
DUO-E試験の結果に基づき、イミフィンジとリムパーザは、現在、日本、その他数カ国で承認申請中です。イミフィンジと化学療法の併用療法は、米国において、原発性進行または再発のdMMR子宮体がん患者さんの治療薬として承認されました。
注釈
子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮の内膜組織から発生する極めて不均一な疾患であり、診断時の平均年齢は60歳超で、すでに閉経している女性にもっとも多くみられます4-7。
子宮体がん患者さんの大部分は、がんが子宮に限局している早期段階で診断されます8。これらの患者さんは、概して手術および/または放射線療法による治療を受け、高い5年生存率(約80~90%)を示しています9。進行した病期(III~IV期)の患者さんは、通常予後はより不良で、5年生存率は約20%未満に低下します10。化学療法と併用した免疫療法は、進行子宮体がんの中でも全患者さんの約20~30%を占めるdMMR患者さんに対する新たな標準治療として浮上しています11-14。特に子宮体がん患者さんの70~80%を占めるpMMR患者さんの新たな治療選択肢には、高いニーズがあります15,16。
欧州では、2022年には12万5000人近くの女性が子宮体がんと診断されています17,18。
DUO-E試験について
DUO-E試験(GOG 3041/ENGOT-EN10)は、新たに診断された進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者さんを対象とした、3群無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第Ⅲ相試験であり、一次治療としてイミフィンジと白金製剤ベースの化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法と、その後のイミフィンジ単剤またはイミフィンジおよびリムパーザの併用による維持療法を実施した場合と、白金製剤ベースの化学療法単独とを比較検討しました。
DUO-E試験では、新たに診断された進行または再発の上皮性子宮体がんの患者さん699人がランダム化され、標準治療である白金製剤ベースの化学療法に加えて、イミフィンジ(1,120mg)またはプラセボの3週間ごとの投与を受けました。4~6サイクルの化学療法後、(病勢が進行しなかった)患者さんに維持療法として、イミフィンジ(1,500mg)またはプラセボか(4週間毎)、イミフィンジ(1,500mg)とリムパーザ(300mg、1日2回[150mg錠×2、1日2回])の併用またはプラセボが、病勢進行まで投与されました。
2つの主要評価項目は、各試験治療群と標準治療である化学療法単独群の比較における無増悪生存期間(PFS)で、両試験治療群ともに、新たに診断された進行または再発子宮体がん患者さんにおいて、標準治療群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるPFSの延長を示しました1。重要な副次評価項目は全生存期間(OS)、安全性および忍容性です。本試験では、全体集団において両試験治療群に対してOSの評価を継続しています。層別因子はMMRの状態、疾患の再発状態および地域でした。本試験はアストラゼネカが単独で実施し、米国、欧州、南米およびアジアを含む22カ国、253の医療施設で実施されました。
本試験の詳細情報については、ClinicalTrials.govをご確認ください。
イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、本剤は、進展型の小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、さらに、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法は、転移性NSCLCの治療薬として承認されています。
イミフィンジは、第Ⅲ相AEGEAN試験に基づき、切除可能な早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんにおいて、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無イベント生存期間(event-free survival)の延長を示しました。手術前の術前化学療法との併用療法として、また術後の単剤療法として、スイスと英国ではこの試験に基づき承認されています。
限局型小細胞肺がん(SCLC)について、イミフィンジは第Ⅲ相ADRIATIC試験にて、標準治療である同時化学放射線療法後に増悪しなかった患者さんに対し、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の二つの主要評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。
肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法において承認されています。また、本剤は、切除不能なHCCに対する単剤療法として日本およびEUで承認されており、米国では、ミスマッチ修復機能欠損を有する原発性進行・再発子宮体がんに対し、イミフィンジと化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)の併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。
2017年5月に初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、乳がん、膀胱がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。
リムパーザについて
リムパーザはファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復関連(HRR)の欠損を有する、あるいは他の薬剤(NHAなど)によりHRRの欠損が誘導される細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。
リムパーザによるPARP阻害により、DNAの一本鎖切断部位上にPARPがトラップされ、複製フォークの失速と崩壊が起こり、DNAの二本鎖切断が形成されてがん細胞死をもたらします。リムパーザはまた、免疫抗原性を増強し、抗腫瘍免疫反応の影響強化に役立つ可能性があります。
リムパーザは現在、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としての単独療法およびベバシズマブとの併用療法を含め、様々ながん種を対象に多くの国で承認されています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がん、および化学療法が臨床的に適応とならない転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)のアビラテロンとの併用療法(EUのみ)、BRCAmのmCRPC(米国および日本)、米国においては、BRCAmのmCRPCおよびNHA治療による前治療のあと進行したHRR関連遺伝子変異陽性mCRPC(EUおよび日本ではBRCAmのみ)に対して単剤療法が承認されています。中国においては、リムパーザはBRCAm mCPRCの治療薬、ならびにHRDを有する進行卵巣がんにおけるベバシズマブとの併用療法としての初回治療後の維持療法として承認されています。
リムパーザは単剤治療薬として、また、他の候補薬との併用治療薬として、アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われています。両社は、リムパーザを各社が開発しているPD-L1ならびにPD-1治療薬であるイミフィンジおよびキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)との併用で、独自に開発しており、商業化を予定しています。リムパーザは、全世界で約14万人の患者さんの治療に使用されています。リムパーザには幅広い臨床試験開発プログラムがあり、アストラゼネカとMSDは共同で、本剤が様々ながん種にわたる複数のPARP依存性腫瘍に対し、単剤療法および併用療法として、どのように影響するのか理解を進めています。リムパーザは、がん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。
アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患における免疫治療薬の使用も支持しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカは、がん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
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