AMPLIFY第Ⅲ相試験において、カルケンスとベネトクラクスとの、固定期間併用療法は、オビヌツズマブの有無にかかわらず、慢性リンパ性白血病の一次治療で無増悪生存期間を有意に改善

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年7月29日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。

全生存期間においても良好な傾向が認められた

アストラゼネカのカルケンス®(アカラブルチニブ)はベネトクラクスとの固定期間併用療法について、オビヌツズマブの投与の有無にかかわらず、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者さんに対し、標準治療である化学免疫療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善を、AMPLIFY第Ⅲ相試験の中間解析における良好な結果により示しました。

副次評価項目である全生存期間(OS)については、カルケンスとベネトクラクスの併用療法は、オビヌツズマブの投与の有無にかかわらず、標準治療である化学免疫療法と比較して、良好な傾向が認められました。今回の解析時点では、OSのデータは未成熟であり、同試験では引き続き主な副次的評価項目としてOSを評価する予定です。

CLLは、白血球の異常産生により引き起こされ、世界中の成人においてもっとも多くみられるタイプの白血病であり、患者数が増えると予測されています1-3。一次治療では、約4万人の患者さんが従来の標準治療を受けています4。CLLは不治のがんと考えられていますが、患者さんは同疾患を罹患した状態で長年にわたり生存することがよくあり、継続的な治療を受け続ける可能性があります5

ダナファーバーがん研究所の血液腫瘍部門であるCLLセンターのセンター長およびハーバード大学医学大学院ワージントン・マーガレット・コレットの医学教授で、AMPLIFY試験の主任治験責任医師であるJennifer R. Brown氏は、次のように述べています。「AMPLIFY試験の結果は、アカラブルチニブとベネトクラクスとの固定期間併用療法が、オビヌツズマブの投与の有無を問わず、慢性リンパ性白血病患者さんに対して有効かつ忍容性の良好な治療選択肢となる可能性を示しました。固定期間療法では、この慢性疾患を抱えて生活している患者さんは治療を休止することができるため、長期間の有害事象および薬剤耐性の可能性を減らし、生活の質の向上につながるため、この結果は同療法における重要な進歩と言えます」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは、次のように述べています。「AMPLIFY第Ⅲ相試験から得られたPFSおよびOSの結果は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の固定期間療法への併用についての可能性を示しており、慢性リンパ性白血病患者さんのために科学を進歩させるうえでの当社のリーダーシップを強化するものです。本適応が承認された場合、カルケンスは病勢進行までの治療および固定期間療法の両方に利用可能な唯一の第二世代BTK阻害剤となり、患者さんおよびその医療提供者により多くの選択肢をもたらすことになります」。

安全性および忍容性は各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致していました。新たな安全性シグナルは特定されず、認められた心毒性は低い割合でした。

これらのデータは、今後の医学会で発表され、世界の規制当局と共有される予定です。

注釈

慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLでは、異常なリンパ球が骨髄、血液およびリンパ節に蓄積します1。CLL患者さんにおいては、診断時に症状がまったく現れない場合もありますが、脱力感、疲労感、体重減少、悪寒、発熱、寝汗、リンパ節の腫れ、腹痛などの症状が現れる場合もあります6。異常細胞数が増えるに従い、骨髄内で健全な白血球、赤血球および血小板を産生する余地がほとんどなくなります。これにより貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります1。ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLにおいて異常細胞が生存する基本的な経路の一つです。

AMPLIFY試験について
AMPLIFY試験は、染色体17p欠失(del(17p))変異およびTP53変異を含まない未治療の成人CLL患者さんを対象に、カルケンスとベネトクラクスとの併用にオビヌツズマブ投与を含めた場合と含めなかった場合の有効性および安全性を、治験責任医師が選択した化学免疫療法と比較評価する、無作為化、国際共同、多施設共同、非盲検第Ⅲ相試験です7。患者さんには、カルケンスとベネトクラクスとの固定期間併用療法、カルケンスとベネトクラクスとオビヌツズマブとの固定期間併用療法、または標準治療である化学免疫療法のいずれかが、1:1:1の割合で無作為に割り当てられました7

主要評価項目は、カルケンス+ベネトクラクス群における、独立審査委員会(IRC)の判定に基づくPFSで、主な副次的評価項目は、同群における、治験責任医師(INV)の判定に基づくPFSです。IRCおよびINVは、カルケンス+ベネトクラクス+オビヌツズマブ群におけるPFSを主な副次評価項目として評価しました。その他の主な副次評価項目には、OS、無イベント生存期間(EFS)、奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、次の治療までの期間(TTNT)です7。同試験は北米、南米、欧州、アジア、オセアニアにわたる27カ国で実施されました7

AMPLIFY試験には、2019年から2021年にかけ、COVID-19パンデミック中でも継続して患者さんが登録されました7。血液がん患者さんは、COVID-19による入院や死亡などの重大な転帰のリスクが、一般集団と比較して相変わらず極端に高くなっています8

カルケンスについて
カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、第二世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。カルケンスはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します9。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています。

カルケンスは、世界中で8万人以上の患者さんの治療に使用されており10、米国と日本ではCLLおよび小リンパ球性リンパ腫(SLL)の治療薬として、EUをはじめとする世界各国ではCLLの治療薬として、中国では再発または難治性のCLLおよびSLLの治療薬として承認されています。また、カルケンスは米国、中国、その他数カ国において、少なくとも1回の前治療歴を有する成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として承認されました。なおカルケンスは現在、日本およびEUではMCLの治療薬としては未承認です。

広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、カルケンスについて、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む複数のB細胞性の血液腫瘍に対する治療薬として、カルケンス単独療法と標準治療である化学免疫療法との併用療法を評価しています。

アストラゼネカにおける血液腫瘍領域について
アストラゼネカは、血液腫瘍領域における治療を再定義するため、サイエンスの限界に挑戦しています。
また、患者さんや介護者の方々、医師からの知見によって形作られる革新的な医薬品とアプローチを通じて、悪性、希少を含む血液疾患患者さんの生活に変革をもたらすことを目指しています。

販売中の製品に加え、当社は6つの科学的プラットフォームにわたり、疾患の根本的な原因を標的とする新規治療法の開発を主導しています。最近、希少な非悪性血液疾患の専門知識を有するアレクシオン社と、血液悪性腫瘍の細胞療法に特化したGracell Biotechnologies Inc.を買収したことで、当社の血液疾患パイプラインを拡大し、全面的な治療法の開発と提供を通じて、より多くの患者さんの高いアンメットニーズに応えることができるようになりました。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version: General Information About Chronic Lymphocytic Leukemia. Available online. Accessed July 2024.
  2. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia? Available online. Accessed July 2024.
  3. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126(23):871.
  4. Cerner CancerMPact and DRG databases. Reflects epidemiology estimates across G8 countries (Cerner CancerMPact for G7: US, EU, Japan; DRG database for China). Accessed July 2024.
  5. American Cancer Society. After Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/after-treatment/follow-up. Accessed July 2024.
  6. American Cancer Society. Signs and Symptoms of Chronic Lymphocytic Leukemia. Available online. Accessed July 2024.
  7. ClinicalTrials.gov. Study of Acalabrutinib (ACP-196) in Combination With Venetoclax (ABT-199), With and Without Obinutuzumab (GA101) Versus Chemoimmunotherapy for Previously Untreated CLL (AMPLIFY). Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03836261. Accessed July 2024.
  8. Dube S, et al. Continued Increased Risk of COVID-19 Hospitalisation and Death in Immunocompromised Individuals Despite Receipt of ≥4 Vaccine Doses: Updated 2023 Results from INFORM, a Retrospective Health Database Study in England. Poster P0409 at ECCMID 2024.
  9. Wu J, Zhang M, Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
  10. Data on File, REF-236261. AstraZeneca Pharmaceuticals LP.

tags

  • オンコロジー