本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年6月25日に発信したプレスリリースの一部を日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。
カナダがん臨床試験グループ(CCTG)が実施した第Ⅲ相ADJUVANT BR.31試験の結果概要によると、腫瘍細胞の25%以上にPD-L1が発現している早期(IB-IIIA)非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんにおいて、腫瘍完全切除後のイミフィンジ®(デュルバルマブ)はプラセボと比較して主要評価項目である無病生存期間(DFS)で統計学的有意性を達成しませんでした。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発担当エグゼクティブ バイスプレジデントのSusan Galbraithは次のように述べています。「ADJUVANT BR.31試験の結果については残念に思います。イミフィンジは治療環境の変化に貢献し、複数の第Ⅲ相試験において早期ステージの肺がん患者さんに対して肯定的な結果を達成してきました。我われは当社の広範な開発プログラムを通じて、肺がんで残されているアンメットニーズの解決に取り組んでいます」。
イミフィンジの安全性プロファイルは、既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性への懸念は報告されていません。本試験データは、今後の医学学会で発表される予定です。
イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない切除不能なステージIIIのNSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。
イミフィンジは、手術不能または非切除のステージI~IIのNSCLC(PACIFIC-4)および切除不能なステージIIIのNSCLC(PACIFIC-5、8、9)を含む、他のいくつかの早期肺がんを対象に、単剤療法および併用療法として検証研究が進行中です。
注釈
肺がんについて
毎年、世界中で肺がんと診断される患者さんは240万人と推定されており、肺がんは、男女ともにがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めています1,2。肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、これらの患者さんの80~85%がNSCLCと診断されています3,4。
NSCLC 患者さんの多くが進行がんで診断され、切除可能と診断されるのは約25~30%です5,6。早期肺がんは、偶発的に撮像された画像で発見され、診断されることがほとんどです7,8。
切除可能な病変をもつ患者さんの大部分は、腫瘍の完全切除と術後補助化学療法にもかかわらず、最終的には再発します9。 ステージ IBの患者さんのうち5年間生存するのは約58%のみです。ステージIIの患者さんでは36~46%、ステージIIIAの患者さんでは24%に減少し、医療ニーズが満たされていないことを反映しています10。
ADJUVANT BR.31
ADJUVANT BR.31試験は、CCTGが実施したランダム化二重盲検多施設第Ⅲ相試験で、術後補助化学療法の有無にかかわらず腫瘍完全切除後のステージIB(≥4cm)、II、またはIIIA(第7版AJCCがんステージングマニュアル)のNSCLC患者さん1,415名に対する術後補助治療としてイミフィンジを評価しています。アストラゼネカはイミフィンジを提供し、この試験を支援しました。患者さんは2:1の割合でランダム化され、最大48週間にわたり4週間ごとにイミフィンジ20 mg/kg静注か、プラセボを投与されました。
本試験は、カナダ、米国、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアを含む19の国と地域の269の施設で実施されています。主要評価項目は、腫瘍細胞の25%以上でPD-L1を発現し、EGFR遺伝子変異またはALK再構成が確認されていない患者さんのDFSです。主要な副次評価項目には、腫瘍細胞の1%以上でPD-L1を発現している患者さん、およびPD-L1腫瘍細胞発現状態を問わない患者さんのDFS、全生存期間(OS)および安全性が含まれます。DFSは、ランダム化から最初の再発や新たながん、またはあらゆる原因による死亡までの期間として定義され、医師と患者さんの両方によって重要な臨床的尺度として認識されています。
カナダがん臨床試験グループ(CCTG)
CCTGは、がん臨床試験の共同研究グループで、抗がん剤や支持療法の第Ⅰ〜Ⅲ相試験をカナダ全土の85以上の病院やがんセンターで実施しています。クイーンズ大学の運営センターから、CCTGは2万人の治験責任医師や治験担当者の国際的なネットワークを通して、6大陸40カ国の10万人が登録する600件以上の臨床試験を支援してきました。CCTGはCanadian Cancer Societyの全国プログラムであり、その目的はすべてのがん患者さんの生存率と生活の質を向上させることです。
イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、現在、複数の種類の肺がんに対して、多くの国々で承認されています。イミフィンジは、化学放射線療法後に病勢進行していない切除不能なステージIIIのNSCLC患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり、世界的な標準治療です。また、進展型SCLC(ES-SCLC)の治療薬としても承認されており、転移性のNSCLCの治療においても短期間のイジュド®(トレメリムマブ)および化学療法との併用療法として承認されています。
イミフィンジは、第Ⅲ相AEGEAN試験に基づき、切除可能な早期ステージの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんにおいて、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無イベント生存期間(event-free survival)を示しました。手術前の術前化学療法との併用療法として、また術後の単剤療法として、スイスではこの試験に基づき承認されています。
限局型小細胞肺がん(SCLC)について、イミフィンジは第Ⅲ相ADRIATIC試験にて、標準治療である同時化学放射線療法後に増悪しなかった患者さんに対し、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の二つの主要評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示しました。
肺がんにおける適応に加えて、イミフィンジは局所進行性または転移性の胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法において承認されています。また、本剤は、切除不能なHCCに対する単剤療法として日本および欧州で承認されており、米国では、ミスマッチ修復機能欠損を有する原発性進行・再発子宮体がんに対し、イミフィンジと化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)の併用療法後にイミフィンジ単剤療法を行う治療が承認されています。
2017年5月に世界で初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、乳がん、数種類の消化器がん、婦人科がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても臨床試験が実施されています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、治療および治療を超えて肺がんを抱える人々に意義のある改善を提供するために取り組んでいます。
アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、二重特異性抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおける免疫治療薬の使用も支持しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社の革新的な医薬品は125カ国以上で販売されており、世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
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