長時間作用型モノクローナル抗体sipavibart、免疫不全患者集団を対象とする第III相SUPERNOVA試験でCOVID-19発症抑制の主要評価項目を達成

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年5月16日に発信したプレスリリースを抜粋し、日本語に翻訳したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
本リリースに記載するsipavibartは本邦未承認です。

第III相SUPERNOVA COVID-19曝露前発症抑制試験の結果から、開発中の長時間作用型モノクローナル抗体(LAAB)であるアストラゼネカのsipavibart(開発コード:AZD3152)が対照群(チキサゲビマブ/シルガビマブまたはプラセボ)と比較して免疫不全患者集団の症候性COVID‐19の発症率を統計学的に有意に低下させたことが示されました。

本試験は、2つの主要評価項目を達成しました。1つはSARS-CoV-2のすべての変異株によって引き起こされる症候性COVID-19発症の相対リスクの減少、もう1つはF456L変異を有さないSARS-CoV-2変異株によって引き起こされる症候性COVID-19発症の相対リスクの減少でした。SUPERNOVA試験では、試験期間中にCOVID-19症例において複数の異なるSARS-CoV-2変異株が確認されるという、変異株が進化し続ける状況において、sipavibartの潜在的な有用性が示されました。

SUPERNOVA試験は、免疫不全患者さんに対する有効性データを提供する唯一の大規模な第III相国際試験であり、最近のSARS-CoV-2変異株に対するCOVID-19抗体の潜在的ベネフィットを実証しています。免疫不全患者さんには、血液がん患者さん、臓器移植レシピエント、透析を要する末期腎不全患者さん、B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者さん、免疫抑制剤を使用中の患者さんが含まれています。免疫不全患者さんは、人口の約4%にもかかわらず、COVID-19ワクチンの反復投与後であってもCOVID-19による入院、ICU入院、死亡の約25%を占めています1-6

UPMC(ピッツバーグ大学医療センター)の移植関連感染症医であり、UPMCの感染症部門の橋渡し研究プログラムの医長であり、SUPERNOVA試験の治験責任医師であるGhady Haidar, M.D.は、次のように述べています。「COVID-19は免疫不全患者さんにとって依然として非常に重大なリスクであり、感染すると重篤かつ遷延性の疾患につながることが少なくありません。ワクチンに適切に反応しないことが多い患者さんに感染と闘う抗体を直接投与することにより、sipavibartはこの極めて脆弱な方々が必要とするCOVID-19予防策となる可能性があることがデータから裏付けられています」。

アストラゼネカのワクチンおよび免疫療法担当エグゼクティブバイスプレジデントであるIskra Reicは、次のように述べています。「免疫不全の患者さんは、COVID-19予防の選択肢が現時点では限られているか、全くなく、ワクチン接種完了者が多いにもかかわらず、依然として重大な疾病負担に直面しています。Sipavibartは免疫不全患者さんのCOVID-19発症を予防する可能性があり、今後これらの脆弱な患者さんにsipavibartを提供するために、世界各国の規制当局と連携してまいります」。

本試験におけるsipavibartの忍容性は良好であり、予備解析では、有害事象が対照群とsipavibart群で均衡していることが示されています。

データは今後、医学会議で発表される予定です。アストラゼネカは、認可または承認のために規制当局と協議中です。

以上

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注釈
SUPERNOVAについて
SUPERNOVAは、COVID-19の予防を目的としてsipavibartの安全性および有効性を対照(チキサゲビマブ/シルガビマブまたはプラセボ)と比較評価する第III相、国際共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。本試験は、米国、英国、EU、アジアの197の医療機関で実施されました。被験者を1:1の比でsipavibart 300mg筋肉注射群または対照薬群に無作為に割り付け、3,335例中1,669例にsipavibart、3,335例中1,666例に対照薬の投与を行いました。被験薬の初回投与から約6ヵ月後に、sipavibartまたは対照薬の2回目の投与を行いました。

本試験では、2つの主要有効性評価項目を設定しました。1つ目は、181日目までに何らかの変異株に起因する確認されたSARS-CoV-2陽性の症候のある疾患に対するsipavibartの有効性を評価しました(すなわち、sipavibartが中和することが期待されないF456L変異の有無を問わないすべての変異株による症例)。2つ目の主要有効性解析は、COVID-19の原因となった変異株がF456L変異を有していないことが確認された症例のみを用いて実施されました(「matched」変異株解析といいます)。

被験者は、能動免疫に対して十分な反応が得られないリスクが高い(ワクチンへの反応が低いことが予測される、またはワクチンに不耐性)と定義される、開発中のLAABによる予防から恩恵を受けると期待される12歳以上の人でした。被験者は、スクリーニング時に、臨床現場でのSARS-CoV-2の血清検査で陰性でした。被験者を15ヵ月間追跡し、1、3、6ヵ月目にSARS-CoV-2中和抗体を評価します。

本試験に参加したすべての被験者は、免疫不全状態にあるか、免疫抑制療法を受けていたため、ワクチン接種に対する免疫応答が不十分となるリスクがあり、COVID-19が重症化するリスクが高い状態にありました。これには、血液悪性腫瘍の患者さん、固形臓器移植レシピエント、造血幹細胞移植患者さん、末期腎臓病/透析患者さん、B細胞枯渇療法を受けてから1年以内の患者さんが含まれています。Sipavibart群及び対照群の間で、人口統計学的特性およびベースライン特性は概して均衡が取れていました。

Sipavibartについて
Sipavibart(開発コード:AZD3152)は開発中のCOVID-19に対する長時間作用型モノクローナル抗体(LAAB)であり、スパイクタンパク質と宿主受容体ACE2との相互作用を中和することで、オミクロン株や従来株に対して幅広く強力な効果を発揮するようデザインされています7

SipavibartはSARS-CoV-2感染後の回復期患者さんにより提供されたB細胞に由来します。Sipavibartはエバシェルド®(一般名:チキサゲビマブ(遺伝子組換え)/シルガビマブ(遺伝子組換え))と同じ抗体骨格を用いて作製されており、同じ半減期延長型でFcエフェクター機能が低下し、補体C1q結合プラットフォームを用いて最適化されています7。Fcエフェクター機能の低下は、ウイルス特異的抗体が感染や病気を阻害するのではなく促進してしまう現象である抗体依存性感染増強のリスクを最小限に抑えることを目的としています。

Sipavibartは2022年5月にRQ Biotechnologyからアストラゼネカにライセンス供与されました。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社についてはhttps://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japanとインスタグラム AstraZeneca/アストラゼネカもフォローしてご覧ください。

References

  1. Evans RA et al. Impact of COVID-19 on Immunocompromised Populations during the Omicron Era: Insights from the Observational Population-Based INFORM Study. The Lancet Regional Health – Europe. 2023;0(0):100747. doi:10.1016/J.LANEPE.2023.100747
  2. Dube S. Continued Increased Risk of COVID-19 Hospitalisation and Death in Immunocompromised Individuals Despite Receipt of ≥4 Vaccine Doses: Updated 2023 Results from INFORM, a Retrospective Health Database Study in England. Poster P0409 at ECCMID 2024. 
  3. Turtle L. Individuals with Multiple Sclerosis Are at High Risk for COVID-19 Hospitalisation and Death Despite High Rates of Vaccination: Results from the England INFORM Study. Oral Presentation at ECCMID 2024. 
  4. Meeraus W. High Prevalence of Immunocompromising Conditions Among Patients with Severe Acute Respiratory Infection, Including SARS-CoV-2: Results from a Multicentre, Test-Negative Case Control Study. Abstract #01796 at ECCMID 2024. 
  5. Meeraus W. Immunocompromise, Cancer and Other Comorbidities in Patients with Severe Acute Respiratory Infection Testing Positive Versus Negative for SARS-CoV-2: A Post Hoc Analysis of COVIDRIVE Data from May 2021 to May 2023. Abstract #01800 at ECCMID 2024.
  6. Ketkar A et al. Assessing the Risk and Costs of COVID-19 in Immunocompromised Populations in a Large United States Commercial Insurance Health Plan: The EPOCH-US Study. Curr Med Res Opin. 2023. 39 (8):1103-1118.
  7. Francica JR, Cai Y, Diallo S, et al. 1355. The SARS-CoV-2 Monoclonal Antibody AZD3152 Potently Neutralizes Historical and Emerging Variants and is Being Developed for the Prevention and Treatment of COVID-19 in High-risk Individuals. Open Forum Infect Dis. 2023 Nov 27;10(Suppl 2):ofad500.1192. doi: 10.1093/ofid/ofad500.1192.

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