本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年4月16日に発信したプレスリリースを抜粋し、日本語に翻訳したものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。
この適応症に対する免疫療法としては最も長期間追跡された生存データ
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ [Pascal Soriot])は、第Ⅲ相TOPAZ-1試験における最新の探索的結果にて、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ、以下、イミフィンジ)と標準治療である化学療法の併用療法が、進行胆道がん(BTC)患者さんにおいて、3年経過時点での臨床的に意義ある長期の全生存期間(OS)ベネフィットが示されたことを発表しました。
TOPAZ-1試験の結果は、この疾患における第Ⅲ相無作為化国際多施設共同試験で報告された最も長期にわたる生存期間の追跡調査結果であり、2024年4月18日にユタ州ソルトレークシティで開催された2024年胆管がん研究財団会議で発表されました。
3年経過時点(追跡期間中央値41.3カ月)で、イミフィンジ+化学療法の併用療法は化学療法単独と比較して死亡のリスクを26%低下させたことが示されました(ハザード比 [HR] 0.74; 95%信頼区間[CI]、0.63-0.87)。OSの中央値は、イミフィンジと化学療法の併用療法の12.9カ月に対し、化学療法単独では11.3カ月でした。イミフィンジを含むレジメンでは、3年経過時点で生存した患者さんの割合が、化学療法単独の2倍以上でした(14.6%対6.9%)。
TOPAZ-1試験においては、予定されていた中間解析で、2021年10月に主要評価項目であるOSの延長を達成し、併用療法は化学療法単独と比較して死亡リスクを20%低下させたことが示されました(HR 0.80;95% CI、0.66-0.97;両側p値=0.021、本中間解析の統計的有意水準=0.03)。
ソウル国立大学病院の内科腫瘍専門医およびソウル国立大学医学部の教授であり、本試験の治験責任医師のDo-Youn Oh氏は次のように述べています。「TOPAZ-1試験の最新データでは、デュルバルマブと化学療法併用群において3年経過時点で化学療法単独群と比較して2倍の進行胆道がん患者さんが生存しており、これまで予後が悪かったこの疾患において特に意義ある進歩を示しています。これらの結果は、この深刻な疾患の患者さんに対する標準治療としてのこの免疫療法に基づく併用療法の長期的なベネフィットを裏付けています」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「TOPAZ-1試験は、化学療法にイミフィンジを加えた併用療法において、生存期間の顕著なベネフィットと良好な忍容性を示すことで進行胆道がん治療の水準を高めました。本データは、この疾患で免疫療法について報告された中で最も長い生存期間の追跡データであり、3年経過時点での画期的な生存期間の改善は、消化器がんの長期の予後を改善するという私たちのコミットメントを強調するものです」。
胆管がん財団CEOのStacie Lindsey氏は次のように述べています。「アストラゼネカの進行胆道がんにおける生存期間延長のデータは、この疾患の患者さんでは初めての3年生存率のデータが得られたという点で、意義のある画期的なことです。このデータは、これらの困難な希少がんを抱えながら生活している患者さんの予後を改善するための研究が今後も継続されることへの期待を高めます」。
最新の生存率結果概要 : TOPAZ-1i

イミフィンジと化学療法の併用療法の忍容性は引き続き良好であり、より長期間の追跡調査で新たな安全性上の懸念は認められませんでした。イミフィンジと化学療法併用群の15.4%に治療関連の重篤な有害事象がみられたのに対し、化学療法単独群では17.3%でした。
以上
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注釈
胆道がんについて
胆道がん(BTC)は、胆管、胆嚢または十二指腸乳頭部(胆管と膵管が小腸に結合する部分)から発生する希少で進行の早い消化器(GI)がんです1,2。毎年、米国、欧州および日本で約5万人、世界で約21万人がBTCと診断されています3-5。これまで、これらの患者さんは予後不良であり、BTC患者さんの5年生存率は約5%~15%です。転移性病変を有する患者さんの場合、5年生存率は5%未満に低下します7。
胆管がんは中国やタイで多くみられますが、欧米諸国も罹患率が増加しています1,6。胆囊がんは、南米の特定の地域、インドおよび日本で多くみられます8。
胆管や胆嚢で発症するBTCは、早期では無症状のことが多く、新規患者さんのほとんどが、進行期になってから診断されます。進行期のBTCでは治療選択肢が限られており、予後も不良です6.8,9。
TOPAZ-1試験について
TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん・肝外胆管がん、および胆囊がんなどの切除不能な局所進行または転移性BTCの成人患者さん685例を対象とした、第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照国際多施設共同試験です。本試験では、BTCの一次療法として、イミフィンジと化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)の併用療法と、プラセボと化学療法の併用療法を比較しました。なお、乳頭部がんの患者さんは除外されました。
主要評価項目は全生存期間(OS)であり、主要な副次評価項目は無増悪生存期間、全奏効率および安全性でした。この試験は、米国、欧州、南米、さらに韓国、タイ、日本や中国などのアジアの数カ国を含む17カ国105施設で実施されました。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、切除不能なステージIIIの局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)および進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)における適応に加えて、現在、転移性のNSCLCの治療において短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法で、多くの国々で承認されています。
イミフィンジはまた、局所進行または転移性の胆道がんにおける化学療法との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法として、多くの国で承認されています。さらにイミフィンジは、切除不能なHCCにおける単剤療法として、日本および欧州で承認されているほか、数カ国では、治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬として承認されています。
2017年5月に初めて承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、小細胞肺がん(SCLC)、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がんおよびその他の固形がんの治療として、単独療法ならびに併用療法においても検討されています。
消化管がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました10。
このプログラムにおいて、当社は胃がん、肝がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。
BTCやHCCなどの適応に加え、現在、イジュドなどとの併用療法で、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、肝がん、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われています。
また、PD-1/TIGIT二重特異性抗体であるrilvegostomig (AZD2936)についても、胆道がんにおける術後補助療法として化学療法との併用療法で評価を行っています。
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性の転移性膵がんの患者さんを対象に米国をはじめとする数カ国で承認されています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。
アストラゼネカは、胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とする複数の治療法を開発しています。これには、現在第Ⅱ相試験を実施中でKYM Biosciences Inc.からライセンス供与されているファーストインクラスの抗体薬物複合体候補であるAZD0901、第Ⅰ相試験実施中でHarbour Biomed社からライセンス供与されている新規Claudin 18.2/CD3 T細胞受容体二重特異抗体AZD5863、および現在、中国AbelZeta社と共同で治験責任医師主導試験(IIT)で評価中のClaudin 18.2を標的とする自家キメラ抗原受容体T細胞(armoured CAR-T)療法であるAZD6422などがあります。
初期開発段階として、当社はHCCにおいて2つのグリピカン3(GPC3)を標的とするCAR-Tを開発中です。現在第Ⅰ相の開発段階にあるAZD5851は世界各国で開発が進められており、また、C-CAR031 / AZD7003は、中国のAbelZeta社と共同開発を進めており、現在、IITで評価中です。
アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。
また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの予後に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。
アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできるIOベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
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- Kohei Nakachi, et al. Hepatobiliary and Pancreatic Oncology Group of the Japan Clinical Oncology Group, A randomized Phase III trial of adjuvant S-1 therapy vs. observation alone in resected biliary tract cancer: Japan Clinical Oncology Group Study (JCOG1202, ASCOT), Japanese Journal of Clinical Oncology. 2018,48:392-395.
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- WHO. World Cancer Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf. Accessed September 2022.