イミフィンジ、第Ⅲ相ADRIATIC試験において、限局型小細胞肺がん患者さんの全生存期間および無増悪生存期間を有意に改善

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が、投資家/ビジネスパートナーの皆様からのご要望に応えるため、2024年4月5日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、参考資料として提供するものです。
本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
なお、本リリースで発表されている適応症は国内の承認状況と異なります。

国際共同第Ⅲ相試験において、この疾患に対して生存期間での有用性を示した最初で唯一の免疫療法

第Ⅲ相ADRIATIC試験の良好な結果概要において、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ、以下、イミフィンジ)が、同時化学放射線療法(cCRT)後に進行しなかった限局型小細胞肺がん(LS-SCLC)患者さんにおいて、cCRT後のプラセボに対し、2つの主要評価項目である全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。

小細胞肺がん(SCLC)は肺がんの中でも非常に悪性度が高い形態であり、LS-SCLC患者さんにおいては化学療法および放射線療法が最初は奏効しても再発し、急速に進行することが一般的です1,2。LS-SCLCの予後は特に不良で、これらの患者さんの診断後の5年生存率はわずか15~30%です3

オランダのアムステルダム大学メディカルセンター医学部臨床実験放射線療法教授であり、本試験の治験責任医師であるSuresh Senan博士は次のように述べています。「限局型小細胞肺がんの治療を受けている患者さんの多くが、再発と向き合っており、その標準治療は何十年も変わっていません。ADRIATIC試験は、この疾患において有意で臨床的に意義のある生存の改善をもたらした、初の免疫療法に関する国際共同第Ⅲ相試験であり、この悪性度の高い疾患の患者さんにとって画期的です」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「これらのエキサイティングな結果は、進展型小細胞肺がんにおけるイミフィンジの変革的な効果に基づいており、治癒目的の免疫療法をこのより早期のステージの小細胞肺がんに導入できる可能性を初めて示しています。これらのデータは、切除不能なステージIIIの非小細胞肺がんにおけるPACIFIC試験のデータとともに、化学放射線療法後の早期肺がん治療におけるイミフィンジの先駆的な役割を裏付けています」。

イミフィンジの安全性プロファイルは既知のプロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

これらのデータは、今後の医学会で発表され、世界の規制当局と共有される予定です。

副次評価項目であるイミフィンジにイジュド(トレメリムマブ)を追加した併用療法の有効性を検証する2つ目の投与群は、引き続き盲検化され、次回の計画された解析まで継続する予定です。

イミフィンジは、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型SCLC (ES-SCLC)の治療薬として米国、欧州、日本、中国および世界中の多くの国々で承認されています。また、イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、CRT後に病勢進行していない切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する治癒目的の治療において、唯一承認された免疫療法であり世界的な標準治療です。

注釈
小細胞肺がんについて

肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています4。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます5

LS-SCLC(ステージI~III)はSCLCに分類され、一般に片側の肺または胸部のみに認められます6。LS-SCLCはSCLC診断の約30%を占め、標準治療であるcCRTによる治癒目的の治療を行っても、予後は依然として不良です7

ADRIATIC試験について
ADRIATIC試験は、無作為化二重盲検多施設国際共同第Ⅲ相プラセボ対照試験であり、cCRT後に増悪しなかったLS-SCLC患者さん730人の治療において、イミフィンジ単剤療法およびイミフィンジとイジュドの併用療法とプラセボとを比較評価しています。投与群では、患者さんが4週間ごとにイジュド75mgとの併用または単剤療法のイミフィンジを1500mgの固定用量でそれぞれ4回までの投薬/サイクルを受け、その後はイミフィンジを4週間ごとに、最長24ヶ月間の投与を受けるように無作為化されました。

2つの主要評価項目は、イミフィンジ単剤療法のプラセボに対する無増悪生存期間および全生存期間です。重要な副次評価項目には、イミフィンジとイジュド併用療法のプラセボに対するOSおよびPFS、安全性並びにQOL指標が含まれました。この試験は、北米、南米、ヨーロッパおよびアジアの19カ国、164の施設で実施されました。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、切除不能なステージIIIのNSCLCおよびES-SCLCにおける適応に加えて、現在、転移性のNSCLCの治療において短期間のイジュドおよび化学療法との併用療法で、多くの国々で承認されています。

イミフィンジはまた、局所進行または転移性の胆道がんにおける化学療法との併用療法、および切除不能な肝細胞がん(HCC)におけるイジュドとの併用療法として、多くの国で承認されています。さらにイミフィンジは、切除不能なHCCにおける単剤療法として、日本および欧州で承認されているほか、数カ国では、治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬として承認されています。

2017年5月に初めて国際承認されて以来、22万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、乳がん、数種類の消化器がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん治療との併用療法においても検討されています。

イジュドについて
イジュドは、細胞傷害性T-リンパ球抗原4(CTLA-4)の働きを標的とするヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4の作用を阻害することによりT細胞を活性化させ、がんに対する免疫反応を誘導し、がん細胞死を引き起こします。

肝がんおよび肺がんにおけるイミフィンジとの併用療法で承認された適応に加えて、イジュドとイミフィンジの併用療法が、局所HCC(EMERALD‐3)および膀胱がん(VOLGAおよびNILE)などの様々ながん種で検討されています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、イジュドやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や、細胞治療やT細胞エンゲージャーを含む、標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬などの次世代免疫療法の研究も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできるIOベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を追求しています。当社は、治療耐性を防ぎ、より長い免疫反応を促すために、新しい併用療法アプローチの探索に力を注いでいます。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性を最大化できる、より早期の疾患ステージにおけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療を再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

  1. National Cancer Institute. NCI Dictionary - Small Cell Lung Cancer. Available at: https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-terms/def/small-cell-lung-cancer. Accessed April 2024.
  2. Qin A and Kalemkerian GP. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? J Oncol Pract. 2018;14(6):369-370.
  3. Bebb DG, et al. Symptoms and Experiences with Small Cell Lung Cancer: A Mixed Methods Study of Patients and Caregivers. Pulm Ther. 2023:9;435-450.
  4. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/15-trachea-bronchus-and-lung-fact-sheet.pdf. Accessed April 2024.
  5. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at: https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed April 2024.
  6. American Cancer Society. Treatment Choices by Stage for Small Cell Lung Cancer. Available at: https://www.cancer.org/cancer/lung-cancer/treating-small-cell/by-stage.html. Accessed April 2024.
  7. Senan S, et al. ADRIATIC: A phase III trial of durvalumab ± tremelimumab after concurrent chemoradiation for patients with limited stage small cell lung cancer. Ann Oncol. 2019;30(suppl. 2):ii25.

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