アストラゼネカのイミフィンジ、ベバシズマブとの併用療法で第Ⅲ相EMERALD-1試験において、肝動脈化学塞栓療法対象の肝がん患者さんに対し、無増悪生存期間に関する主要評価項目を達成

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年11月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)対象患者さんにおいて
全身療法とTACEとの併用によって臨床転帰の改善が認められた初のグローバル第Ⅲ相試験

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相EMERALD-1試験の良好な結果概要を発表しました。TACE対象の肝細胞がん(HCC)の患者さんを対象とした本試験において、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ、以下、イミフィンジ)とTACEおよびベバシズマブとの併用療法は、TACEの単独療法と比較して主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長をもたらすことが示されました。本試験では、引き続き副次評価項目である全生存期間(OS)を評価します。

HCCは肝がんにおいてもっともよく見られる種類のがんです。肝がんは世界でがんによる死因の第3位であり、毎年世界で90万人の患者さんが診断されると推定されています1,2。患者さんの約20~30%がTACEの対象となります。TACEは、腫瘍への血液供給を遮断するとともに、化学療法や放射線療法を肝臓に直接届けることができる治療法です3-9。TACEは、その対象患者さんにおける標準治療であるにもかかわらず、TACEを受けたほとんどの患者さんで短期間の内に病勢進行または再発が起こります10-14

ピサ大学病院(イタリア)放射線診断・IVR科の教授兼がん画像診断プログラムの責任者であり、本試験の治験責任医師でもあるRiccardo Lencioni氏は次のように述べています。「TACEの対象となる肝がん患者さんは進行または再発する割合が高く、効果的な全身療法による早期介入を受けるチャンスがありません。今回のイミフィンジとベバシズマブとの併用療法の結果は、TACEと免疫療法の併用でPFSが有意に延長することを初めて示したもので、予後不良であるこの複雑な疾患の治療に変化をもたらす可能性があります」。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回、イミフィンジをベースとした治療の良好な結果がEMERALD-1試験において得られたことで、より早期ステージの肝がんの患者さんに免疫療法を提供できる可能性がもたらされるかもしれません。私たちは本データを規制当局と協議するとともに、この新たな治療選択肢を患者さんにお届けすることを目指す上で重要となる今後蓄積する生存期間データを確認していきたいと思っております」。

イミフィンジとTACEおよびベバシズマブとの併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一貫していました。

今回のデータは近日中に学会で発表予定であり、また、規制当局とも共有される予定です。

アストラゼネカは広範な臨床開発プログラムにより、多様な状況下の消化器がんに対するイミフィンジの評価をさらに行っています。例えば、HCCの術後補助療法におけるベバシズマブとの併用(EMERALD-2)、TACE対象のHCC患者さんにおけるイジュド®(一般名:トレメリムマブ)、レンバチニブおよびTACEとの併用(EMERALD-3)などです。

※TACE対象のHCCへのイミフィンジ、またイミフィンジおよびベバシズマブの併用療法は、本邦未承認です。

以上

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肝がんについて
肝がんは、世界でがんによる死因の第3位であり、6番目に多く診断されるがんです1,2。世界の新規の肝がん患者さんの70%超がアジアで発生しています15。肝細胞がん(HCC)は全原発性肝がんの75%を占めます1。また、すべてのHCC患者さんの80~90%は肝硬変を併発しています16。肝硬変をはじめとした慢性肝疾患は、関連する炎症が時間の経過とともに免疫抑制をもたらし、HCCを発症する可能性があります16。免疫療法は有効性が検証されたHCCの治療法であり、進行期の治療を受ける患者さんが利用できる承認済みの治療選択肢が複数あります17

EMERALD-1試験について
EMERALD-1試験は、TACE対象の切除不能なHCCの患者さん合計616名を対象として、イミフィンジとTACEとの同時併用後のイミフィンジの単剤療法もしくはイミフィンジとベバシズマブとの併用療法を増悪まで継続する治療と、TACEの単独療法を含む、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設グローバル第Ⅲ相試験です。

この試験は、北米、オーストラリア、欧州、南米、アジアを含む18カ国の157施設で実施されました。主要評価項目は、TACEの単独療法と比較したイミフィンジとTACEおよびベバシズマブとの併用療法のPFS、副次評価項目は、TACEの単独療法と比較したイミフィンジとTACEとの併用療法のPFS、OS、患者報告アウトカム、客観的奏効率などです。

イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは、第Ⅲ相試験であるTOPAZ-1試験とHIMALAYA試験に基づき、米国、EU、日本、その他数カ国で、局所進行性または転移性の胆道がん(BTC)に対する化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)との併用に加え、切除不能なHCCに対するイミフィンジ単剤(HCCに対するイミフィンジ単剤での承認は日本のみ)あるいはイジュド(トレメリムマブ)との併用で承認されています。

消化器がん領域でのこの適応に加え、イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象に、切除不能なIII期の局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)における根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。

また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型小細胞肺がん(SCLC)の治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多くの国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で承認されています。数カ国では、進行膀胱がんの治療歴のある患者さんの治療薬としてイミフィンジは承認されています。

2017年5月に初めて国際承認されて以来、20万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。

広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、卵巣がん、子宮体がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。2023年に、アストラゼネカは複数の第Ⅲ相試験について良好な結果を発表しており、それらには、卵巣がん(DUO-O)、子宮体がん(DUO-E)、切除可能なNSCLC(AEGEAN)に対してイミフィンジを含む併用療法を検討したものなどがあります。

多様な状況下の肝がんを対象としたEMERALDプログラムに加えて、切除可能な胃がん・胃食道接合部がん(MATTERHORN)や、局所進行食道がん(KUNLUN)に対してイミフィンジを検討する臨床試験が進行中です。2023年6月には、イミフィンジを標準治療である術前補助化学療法に追加した第Ⅲ相MATTERHORN試験において、主要な副次評価項目である病理学的完全奏効を達成しました。

なお、本リリースに記載の効能または効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。

消化器がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開しています。2020年、約510万人が新規に消化器がんと診断され、約360万人が死亡しました18

このプログラムにおいて、当社は胃がん、HCC、BTC、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善に全力で取り組んでいます。

イミフィンジは、BTCやHCCなどで既に承認された適応に加え、現在、イジュド(トレメリムマブ)などとの併用療法に関しても、早期から進行がんまでを対象とした広範な開発プログラムの中で、HCC、食道がん、胃がんの治療薬としての評価が行われています。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性の転移性膵がんの患者さんを対象に承認されています。リムパーザは、MSD(米国およびカナダではMerck & Co., Inc.)と共同で開発と商業化を行っています。

このほどアストラゼネカは、KYM Biosciences Inc.とCMG901に関して独占的なグローバルライセンス契約を締結しました。CMG901は、胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とするファーストインクラスの抗体薬物複合体です。

アストラゼネカの免疫腫瘍学(IO)への取り組み
アストラゼネカは、アンメットメディカルニーズの高い特定の臨床領域に免疫療法の概念を積極的に導入しています。当社は、包括的で多様なIOのポートフォリオ、および抗腫瘍免疫応答からの回避を克服し、体内の免疫系を刺激して腫瘍を攻撃するように設計された免疫療法を中心としたパイプラインを有しています。

また、アストラゼネカは、がん治療を再構築し、イミフィンジの単剤療法や、トレメリムマブやその他の新規の免疫療法薬や治療法との組み合わせで、患者さんの転帰に大きな変化をもたらすことを目指しています。さらに、バイスペシフィック抗体や標的のがんに対する様々な免疫反応を活かす治療薬など、次世代免疫療法の探索も行っています。

アストラゼネカは、広範ながん種において長期生存を達成することのできる免疫療法ベースの治療を届けるため、革新的な臨床戦略を大胆に追求しています。また、広範な臨床開発プログラムにより、治癒の可能性が非常に高いより早期の疾患におけるIO治療薬の使用も支持しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカは、がん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。

References

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