本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年10月21日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
化学療法とイミフィンジの併用療法は化学療法単独と比較して、
病勢進行または死亡リスクを29%低減
進行または再発子宮体がん患者さんを対象に免疫療法とPARP阻害剤の併用療法の
臨床的ベネフィットを明らかにした初めての第III相試験
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、第Ⅲ相DUO-E試験の良好な結果概要を発表しました。新たに診断された進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者さんを対象とした本試験において、イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ、以下、イミフィンジ)と白金製剤を含む化学療法との併用療法後、維持療法としてイミフィンジの単剤療法またはイミフィンジとリムパーザ®(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)の併用療法を実施し、いずれの治療群においても化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長が示されました。
今回の結果は、スペイン・マドリッドにて開催された2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会のproffered paper session(発表番号 #LBA41)において2023年10月21日に発表され、Journal of Clinical Oncologyにおいてもオンラインで同時発表されました。
試験対象集団全体における結果から、化学療法単独(対照群)と比較して、イミフィンジと化学療法の併用療法後、維持療法としてイミフィンジとリムパーザの併用療法を行った群(イミフィンジ・リムパーザ併用群)では病勢進行または死亡のリスクが45%低減(ハザード比[HR]0.55;95%信頼区間[CI]0.43 – 0.69;p<0.0001)し、イミフィンジと化学療法の併用療法後、維持療法としてイミフィンジ単剤療法をおこなった群(イミフィンジ併用群)では病勢進行または死亡のリスクが29%低減(HR 0.71;95% CI 0.57 – 0.89;p=0.003)したことが示されました。なお、PFSの中央値は、対照群が9.6カ月であったのに対して、イミフィンジ・リムパーザ併用群は15.1カ月でした。
ミスマッチ修復(MMR)の状態は子宮体がんのバイオマーカーであるため、DUO-E試験ではMMRの状態別の事前に指定された探索的サブグループ解析を実施しました。MMR欠損がない(pMMR)患者グループの解析結果では、対照群と比較して、病勢進行または死亡のリスクがイミフィンジ・リムパーザ併用群では43%低減(HR 0.57;95% CI 0.44 – 0.73)、イミフィンジ併用群では23%低減(HR 0.77;95% CI 0.60 – 0.97)と、いずれの群においてもリスクの低減が示されました。PFSの中央値は、対照群が9.7カ月であったのに対し、イミフィンジ・リムパーザ併用群では15.0カ月でした。
MMR欠損がある(dMMR)患者グループの解析結果でも対照群と比較して、イミフィンジ・リムパーザ併用群では59%(HR 0.41;95% CI 0.21 – 0.75)、イミフィンジ併用群では58%(HR 0.42;95% CI 0.22 – 0.80)と、いずれの群においても病勢進行または死亡のリスクの低減が示されました。
試験対象集団全体の全生存期間(OS)における中間解析の結果、いずれの治療群においても対照群と比較してOSの延長傾向が見られました。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの婦人科腫瘍学および生殖医学科教授であり、DUO-E試験の国際治験調整医師でもあるShannon N. Westin氏は次のように述べています。「今回の結果は、免疫療法とPARP阻害剤の併用が子宮体がん患者さんに有意な臨床的改善をもたらす可能性を初めて示すものです。今回のDUO-E試験のデータは、子宮体がん患者さんの転帰を改善するための新たな選択肢を、がん専門医に提供する可能性があります」。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「特にpMMR患者さんをはじめとする進行子宮体がん患者さんに対する治療選択肢は限られており、しかも長年変わっていません。今回のDUO-E試験のデータで、イミフィンジとリムパーザの併用維持療法またはイミフィンジ単剤維持療法を、イミフィンジと化学療法の併用療法後に追加することにより、臨床的に意義のある改善が示されたことは喜ばしいことです。今回のデータを各国の規制当局と協議し、これらの重要な新しい治療法を患者さんに可能な限り早くお届けしたいと思っています」。
PD-L1は、イミフィンジが有するその他の適応症において本剤のバイオマーカーであることが明らかになっています。本試験におけるPD-L1の状態に基づく事前に規定された解析では、PD-L1陽性集団の病勢進行または死亡のリスクが、対照群と比較して、イミフィンジ・リムパーザ併用群では58%低減(HR 0.42;95% CI 0.31 – 0.57)、イミフィンジ併用群では37%低減(HR 0.63;95% CI 0.48 – 0.83)しました。PFSの中央値は、イミフィンジ・リムパーザ併用群が20.8カ月、対照群が9.5カ月でした。
PD-L1陰性集団の病勢進行または死亡のリスクは、対照群と比較して、イミフィンジ・リムパーザ併用群では20%低減し(HR 0.80;95% CI 0.55 – 1.16)、イミフィンジ併用群では11%低減しました(HR 0.89;CI 0.59 – 1.34)。
2つの治療群(イミフィンジ・リムパーザ併用群およびイミフィンジ併用群)の安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験、および各薬剤の既知の安全性プロファイルと概ね一貫していました1,2。
全試験期間中にイミフィンジ・リムパーザ併用群で主に確認された(患者さんの20%以上に認められた)有害事象(AE)は、貧血(62%)、悪心(55%)、疲労および無力症(54%)、脱毛(51%)、好中球減少症(42%)、便秘(33%)、血小板減少症(30%)、下痢(28%)、嘔吐(26%)、末梢神経障害(25%)、末梢感覚神経障害(25%)、関節痛(24%)、食欲減退(23%)、白血球減少症(20%)、尿路感染症(20%)でした。
全試験期間中にイミフィンジ併用群で主に確認されたAEは、脱毛(50%)、貧血(48%)、疲労および無力症(43%)、嘔気(41%)、好中球減少症(36%)、下痢(31%)、関節痛(30%)、血小板減少症(28%)、便秘(27%)、末梢神経障害(26%)、末梢感覚神経障害(26%)、嘔吐(21%)でした。
※イミフィンジ、リムパーザおよびイミフィンジとリムパーザの併用療法における子宮体がんに対する適応は、本邦未承認です。
以上
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子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮の内膜組織から発生する極めて不均一な疾患であり、診断時の平均年齢は60歳超で、すでに閉経している女性にもっとも多くみられます3-5。子宮体がんは、全世界における女性のがんで第6位の発生頻度となっています6。子宮体がんの罹患患者数および死亡患者数は、2040年にはそれぞれ約46%および62%増加する(2020年の41万7400人および9万7400人から、それぞれ60万8130人および15万7813人に増加)と予想されます6,7。
子宮体がん患者さんの大部分は、がんが子宮に限局している早期段階で診断されます。これらの患者さんは、概して手術および/または放射線療法による治療を受け、高い5年生存率(約95%)を示しています。進行した病期(III~IV期)の患者さんは、通常予後はより不良で、5年生存率は約20~30%に低下します。従来から、進行子宮体がんの標準治療は化学療法に限定されています5,8,9,10,11,12。
進行または再発子宮体がんについては、長期的転帰を改善できる新たな治療選択肢および治療戦略に対する大きなアンメットニーズがあります10,13。
DUO-E試験について
DUO-E試験(GOG 3041/ENGOT-EN10)は、新たに診断された進行子宮体がんまたは再発子宮体がん患者さんを対象とした、3群無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験では、初回治療としてイミフィンジと白金製剤ベースの化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法後に、イミフィンジ単剤またはイミフィンジおよびリムパーザの併用による維持療法を実施した場合と、白金製剤ベースの化学療法単独とを比較検討しました。
DUO-E試験では、新たに診断された進行上皮性子宮体がんまたは再発子宮体がんの患者さん699人がランダム化され、標準治療である白金製剤ベースの化学療法に加えて、イミフィンジ(1120 mg)またはプラセボの3週間ごとの投与を受けました。4~6サイクルの化学療法後、(病勢が進行しなかった)患者さんに維持療法として、リムパーザ(300 mg、1日2回[150 mg錠×2、1日2回])またはプラセボとの併用で、イミフィンジ(1500 mg)またはプラセボが、病勢進行まで4週間ごとに投与されました。
2つの主要評価項目は、各試験治療群と標準治療群の比較におけるPFSでした。重要な副次的評価項目は、OS、安全性および忍容性でした。層別化因子はMRRの状態、疾患の状態および地域でした。dMMRという状態は、DNA複製のエラーを修復できないため、がん化のリスクが高いことを示しており、他方、pMMRという状態は、DNA修復経路が正常であり、ミスマッチ修復経路が有効に機能していることを示しています14,15。本試験はアストラゼネカが単独で実施し、米国、欧州、南米およびアジアを含む22カ国、253の医療施設で実施されました。
本試験の詳細情報については、ClinicalTrials.govをご確認ください。
イミフィンジについて
イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ[遺伝子組換え])はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1とPD-1およびCD80との相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。
イミフィンジは、第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、化学放射線療法後に進行が認められていない患者さんを対象として、切除不能なIII期の局所進行NSCLCにおける根治目的の治療薬として唯一承認されたがん免疫治療薬であり、世界的な標準治療となっています。また、本剤は、第Ⅲ相CASPIAN試験に基づき、進展型SCLCの治療薬として、米国、EU、日本、中国をはじめ多くの国々でも承認されています。さらに、第Ⅲ相POSEIDON試験に基づき、イミフィンジと化学療法の併用療法にイジュド®(トレメリムマブ)を定められた回数のみ追加投与する治療法が、米国、EUおよび日本で転移性NSCLCの治療薬として承認されています。
イミフィンジは肺がんにおける適応に加えて、局所進行または転移性胆道がんにおける化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)との併用療法、切除不能な肝細胞がんにおけるイジュドとの併用療法についてもそれぞれ第Ⅲ相TOPAZ-1試験およびHIMALAYA試験に基づいて、米国、EU、日本および複数の国で承認されており、少数の国においては治療歴のある進行膀胱がん患者さんに対して承認されています。
2017年5月に初めて承認されて以来、20万人以上の患者さんがイミフィンジによる治療を受けています。
広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、SCLC、NSCLC、膀胱がん、数種類の消化器がん、その他の固形がんの治療薬として、単独療法ならびに他の抗がん剤との併用療法においても検討されています。
なお、本リリースに記載の効能又は効果(適応症)については本邦で承認されている記載と異なる場合があります。本邦における承認状況については、最新の電子化された添付文書をご確認ください。
※膀胱がんに対するイミフィンジの適応は、本邦未承認です。
リムパーザについて
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復関連(HRR)の欠損を有する、あるいは他の薬剤(NHAなど)によりHRRの欠損が誘導される細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。
リムパーザによるPARP阻害により、DNAの一本鎖切断部位上にPARPがトラップされ、複製フォークの失速と崩壊が起こり、DNAの二本鎖切断が形成されてがん細胞死をもたらします。
リムパーザは現在、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法、BRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)および相同組換え修復欠損(HRD)を有する進行卵巣がんの初回治療後の維持療法としての単独療法およびベバシズマブとの併用療法を含め、様々ながん種を対象に多くの国で承認されています。さらに、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性転移性乳がん(EUおよび日本では局所進行乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がん(日本ではすべてのBRCAm、HER2陰性高リスク早期乳がんを含む)、生殖細胞系列BRCAm転移性膵がん、および化学療法が臨床的に適応とならない転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)のアビラテロンとの併用療法(EUのみ)、BRCAmのmCRPC(米国および日本)、米国においては、BRCAmのmCRPCおよびNHA治療による前治療のあと進行したHRR関連遺伝子変異陽性mCRPC(EUおよび日本ではBRCAmのみ)に対して単剤療法が承認されています。中国においては、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性mCRPCの治療薬、ならびにHRDを有する進行卵巣がんにおけるベバシズマブとの併用療法としての初回治療後の維持療法として承認されています。
リムパーザは単剤治療薬として、また、他の候補薬との併用治療薬として、アストラゼネカとMSDにより共同で開発、商業化が行われています。両社は、リムパーザを各社が開発しているPD-L1ならびにPD-1治療薬であるイミフィンジおよびキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)との併用で、独自に開発しており、商業化を予定しています。リムパーザは、全世界で7万5000 人を超える患者さんの治療に使用されています。リムパーザには幅広い臨床試験開発プログラムがあり、アストラゼネカとMSDは共同で、本剤が様々ながん種にわたる複数のPARP依存性腫瘍に対し、単剤療法および併用療法として、どのように影響するのか理解を進めています。リムパーザは、がん細胞におけるDDRメカニズムを標的としたアストラゼネカの業界トップクラスの新薬候補ポートフォリオの基盤となる薬剤です。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカは、がん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
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