本資料はアストラゼネカ英国本社が2023年10月16日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
標準治療と比較して無増悪生存期間の中央値が
9カ月近く改善された第III相FLAURA2試験の結果に基づく決定
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、米国において、局所進行または転移性上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんを対象としたタグリッソ®(一般名:オシメルチニブ、以下、タグリッソ)と化学療法との併用療法の適応追加申請が受理され、優先審査指定を取得したと発表しました。
米国食品医薬品局(FDA)は、現在利用可能な選択肢よりも大幅な安全性または有効性の向上、重篤な疾患の予防、または患者さんのコンプライアンス向上に繋がる医薬品の承認申請に対し、優先審査の対象として指定しています1。処方箋医薬品ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAが目標とする審査の判断期日は、2024年第1四半期中です。
世界で肺がんと診断される患者さんは年間220万人と推定され、肺がん患者さんの80~85%が最も一般的な肺がんであるNSCLCと診断されています2-4。さらに、約70%のNSCLC患者さんが進行がんと診断されます5。欧米ではおよそ10~15%、アジアでは30~40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しています6-8。
アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるSusan Galbraithは次のように述べています。「今回のFLAURA2試験の結果は、一次治療を受けるEGFRm NSCLC患者さんに対してタグリッソに化学療法を併用することで無増悪生存期間の中央値が9カ月延長し、タグリッソの標準治療としての地位を強固にするものであると考えています。特に脳転移があるような予後不良の患者さんにとってこの併用療法という選択肢は重要であることから、FDAと協力してこの治療法を1日も早く患者さんにお届けできるよう努めてまいります」。
今回の適応追加申請は、世界肺癌学会(The International Association for the Study of Lung Cancer:IASLC)の2023年世界肺癌会議(World Conference on Lung Cancer:WCLC)プレジデンシャルシンポジウムで発表された第Ⅲ相FLAURA2試験のデータに基づくものです。
本試験では、タグリッソと化学療法との併用療法が、一次治療として世界的な標準治療であるタグリッソ単剤療法と比較して、病勢進行または死亡リスクを38%低下させました(ハザード比[HR]0.62;95%信頼区間[CI]0.49-0.79;p<0.0001)。治験担当医師による評価では、タグリッソ単剤療法と比較して、化学療法との併用により無増悪生存期間(PFS)の中央値が8.8カ月延長しました。盲検化された中央評価機関によるPFSの結果もこれと一致し、タグリッソと化学療法との併用療法によりPFSの中央値が9.5カ月延長したことが示されました(HR 0.62;95% CI 0.48-0.80;p=0.0002)。
特筆すべき点として、中枢神経系転移のある患者さんを含む事前に既定されたすべてのサブグループで臨床的に意義のあるPFSの有益性が認められました。中枢神経系転移のあるグループでは、タグリッソ単剤療法と比較して併用療法により病勢進行または死亡のリスクが53%低下し(HR 0.47;95% CI 0.33-0.66)、PFSの中央値は11.1カ月延長しました。
今回の解析時点での全生存期間(OS)のデータは、イベント数が不十分ではあったものの、タグリッソと化学療法の併用療法では良好な傾向が観察されました。本試験では主要な副次評価項目であるOSを引き続き評価します。
タグリッソと化学療法との併用療法の安全性プロファイルはコントロール可能なものであり、有害事象の発現率は併用療法群で高かったものの、併用療法群で見られた有害事象は各薬剤において確立されたプロファイルと一貫していました。今後の医学学会で、さらなる安全性情報が提示される予定です。
2023年8月、タグリッソと化学療法との併用療法は、局所進行または転移性EGFRm NSCLCで一次治療を受ける成人患者さんに対する画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy Designation)をFDAから受けました。
タグリッソは米国、EU、中国、日本をはじめとする100カ国以上で単剤療法として承認されています。既承認の適応症としては、一次治療として局所進行または転移性EGFRm NSCLC、局所進行または転移性EGFR T790M遺伝子変異陽性NSCLC、および早期(IB、II、IIIA)EGFRm NSCLCの術後補助療法があります。
※FLAURA2試験は、本邦においては製造販売後臨床試験として実施中であり、タグリッソと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法については、有効性および安全性は確立されていない旨が添付文書に記載されています。
以上
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肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約5分の1を占めており2、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられます3。すべてのNSCLC患者さんのうち大多数が進行がんと診断されます5。
EGFRm NSCLC患者さんは特にがん細胞の成長を促す細胞シグナル伝達経路をブロックするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療への感受性が高くなります9。
FLAURA2試験について
FLAURA2試験は、局所進行(IIIB~IIIC期)または転移性(IV期)EGFRm NSCLC患者さんに対する一次治療を検討する第Ⅲ相無作為化非盲検国際多施設共同試験です。患者さんは、タグリッソ80mgの経口錠剤1日1回に化学療法(ペメトレキセド(500mg/m2)およびシスプラチン(75mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5))を3週間ごとに4サイクル、その後はタグリッソとペメトレキセドによる維持療法を3週間ごとに投与を併用する治療を受けました。
この試験は、米国、欧州、南米およびアジアを含む20カ国以上の150を超える施設で実施され、557人の患者さんが参加しました。主要評価項目はPFSで、副次評価項目である全生存期間を引き続き評価する予定であり、試験は現在進行中です。
タグリッソについて
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、中枢神経系転移に対するものを含め、NSCLCにおける臨床的有効性が実証されています。タグリッソ(40mgおよび80mgの1日1回経口錠剤)は、世界中の適応で70万人近い患者さんの治療に使用されており、アストラゼネカは、EGFRm非小細胞肺がんの複数の病期にわたる患者さんの治療薬として、タグリッソの開発を続けています。
EGFRm NSCLCにおけるタグリッソの使用を支持するエビデンスは豊富にあります。タグリッソは、第Ⅲ相ADAURA試験における早期肺がんと第Ⅲ相FLAURA試験における進行肺がんの両方で生存期間を延長させた唯一の分子標的治療薬です。
当社はまた、IA2~IA3期の切除可能な術後補助療法(ADAURA2試験)、術前補助療法(NeoADAURA)およびIII期の局所進行の切除不能な症例(LAURA試験)においても、第Ⅲ相試験を実施中です。
また、第Ⅱ相SAVANNAH試験、および第Ⅱ相ORCHARD試験、ならびに経口投与の強力かつ選択性の高いMET TKIであるsavolitinibとタグリッソの併用療法を検討する第Ⅲ相SAFFRON試験を通じて、さらに、他の新薬候補を介して、腫瘍の耐性メカニズムを解き明かそうとしています。
肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。
当社の包括的なポートフォリオには、革新的な肺がん治療薬であるタグリッソ(オシメルチニブ)、イレッサ®(ゲフィチニブ)、免疫チェックポイント阻害剤であるイミフィンジ®(デュルバルマブ)およびイジュド®(トレメリムマブ)や第一三共と共同開発を進めているエンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)およびダトポタマブ デルクステカン、HUTCHMEDと共同開発を進めているOrpathys(savolitinib)、多様な作用機序にまたがる新薬候補と併用療法の新薬候補となる開発品および多様な作用機序を組み合わせた開発パイプラインが含まれ、次々とイノベーションを展開しています。
アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。
※ダトポタマブ デルクステカンおよびsavolitinibは本邦未承認です。
アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。
アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。
アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
References
1.FDA. Priority Review. Available at: https://www.fda.gov/patients/fast-track-breakthrough-therapy-accelerated-approval-priority-review/priority-review. Accessed September 2023.
2.World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf. Accessed September 2023.
3.LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer. Accessed September 2023.
4.Cheema PK, et al. Perspectives on treatment advances for stage III locally advanced unresectable non-small-cell lung cancer. Curr Oncol. 2019;26(1):37-42.
5.Cancer.Net. Lung Cancer - Non-Small Cell: Statistics. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/lung-cancer-non-small-cell/statistics. Accessed September 2023.
6.Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
7.Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal
Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
8.Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
9.Cross DA, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014;4(9):1046-1061.