アストラゼネカ、日本での重症喘息患者さんを対象にした観察研究において、実臨床下で生物学的製剤が喘息のコントロールに改善効果を示したことを発表

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)は、第72回 日本アレルギー学会学術大会で、日本における重症喘息の前向き観察研究であるPROSPECT studyの1年時解析から、実臨床における生物学的製剤の喘息コントロール改善効果が示されたことを発表しました。

PROSPECT studyは、高用量吸入ステロイド剤とその他の長期管理薬を使用してもコントロール不良となっていた成人(20歳以上)重症喘息患者さんで、主治医が生物学的製剤による治療強化が必要と判断した患者さんを登録し、2年間追跡調査する前向き観察試験です。試験登録12週間以内に生物学的製剤を開始された群(127例)と開始されなかった群(162例)において2年後の気管支拡張薬吸入後FEV1のベースラインからの変化量の差を主要評価項目としています。

今回の発表では、1年時解析より日本の実臨床において、コントロール不良の重症喘息患者さんにおける生物学的製剤による喘息コントロールの改善(生物学的製剤開始群と非開始群でのベースラインのリスク因子で調整した気管支拡張薬投与後FEV1のベースラインからの変化量の差 130ml,p=0.007, 喘息増悪発生率比 0.46, p=0.012, ACQ-5スコアのベースラインからの変化量の差 -0.67, p<0.001)が示されました。

本研究のScientific Advisory Committee委員長である、日本喘息学会理事長であり近畿大学病院 病院長の東田有智先生は、試験結果の報告を鑑み次のようにコメントしています。
「コントロール不良の重症喘息患者さんは大きな疾病負荷に曝されており、日本喘息学会のガイドラインでも適切な生物学的製剤の使用を推奨していますが、生物学的製剤の導入は限定的です。この結果が、生物学的製剤が必要な重症喘息患者さんへの生物学的製剤導入に向けた治療機会の均てん化の促進に寄与することを願います。」

アストラゼネカの執行役員でありメディカル本部長の田中倫夫は、次のように述べています。
「ガイドラインに沿った適切な治療が行われない場合、重症喘息患者さんは喘息増悪を回避できない可能性があります。今回得られた知見は、本邦の実臨床でコントロール不良の重症喘息患者さんに対して適切に生物学的製剤を開始することで、重症喘息患者さんの疾病負荷を軽減できることが示されました。アストラゼネカは喘息領域において、適切な増悪予防と症状コントロールによって、患者さんが健康な人と変わらない生活を送ることを目指し、患者さん中心の医療へ今後も貢献してまいります。」

以上

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重症喘息について
喘息の約3-10%を占める重症喘息1,2は、頻回な増悪を経験し、著しい呼吸機能の低下、生活の質の低下を余儀なくされています3。さらに、重症喘息による社会経済的な負担も大きくその医療費は非重症喘息と比べて2.8倍高いことが報告されています4。複数のガイドライン1, 5, 6で、コントロール不良の重症喘息患者さんに対して生物学的製剤の使用が推奨されていますが、日本の実臨床における生物学的製剤の使用実態とその有用性はこれまで示されていませんでした。

PROSPECT studyについて
PROSPECT studyは、高用量吸入ステロイド剤とその他の長期管理薬を使用してもコントロール不良の成人(20歳以上)重症喘息患者さんで、主治医が生物学的製剤による治療強化が必要と判断した患者さんを国内34施設から登録し、2年間追跡調査する前向き観察研究です。主要評価項目は、試験登録12週間以内に生物学的製剤を開始された群(127例)と開始されなかった群(162例)での登録2年後の気管支拡張薬吸入後FEV1のベースラインからの変化量の差です。本研究のベースライン解析では、コントロール不良の重症喘息患者さんのうち、試験登録後12週間以内に生物学的製剤が開始された患者さんは43.9%に留まっていたことが報告されています7

1年時解析の結果

気管支拡張薬投与後FEV1のベースラインからの変化 ベースラインのリスク因子で調整後1
両群の差 130ml, p=0.007
生物学的製剤開始群 170ml
生物学的製剤非開始群 40ml
喘息増悪発生率 ベースラインのリスク因子で調整後2
両群の増悪発生率比 0.46, p=0.012
生物学的製剤開始群 0.79回/人・年
生物学的製剤非開始群 1.73回/人・年
ACQ-5スコアのベースラインからの変化 ベースラインのリスク因子で調整後3
両群の差 -0.67, p<0.001
生物学的製剤開始群 -0.93
生物学的製剤非開始群 -0.26
  1. ベースライン時における年齢、性別、BMI、過去増悪回数、喫煙歴、血中好酸球数、FeNO値 喘息罹病期間、心不全の既往歴で調整したMixed-effects models for repeated measuresで検討
  2. ベースライン時における過去増悪回数、血中好酸球数、FeNO値、血清総IgE値、連用OCS有無で調整したnegative binominal regression modelで検討
  3. ベースライン時におけるACQ-5スコア、血中好酸球数、FeNO値、血清総IgE、連用OCS有無で調整したMixed-effects models for repeated measuresで検討

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZenecaをフォローしてご覧ください。
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