本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年9月28日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTRv-PN)の患者さんを対象とした
NEURO-TTRansform試験の結果より初の論文発表
多様な疾患特性を有する患者さんにおいて、複数の主要評価項目および副次評価項目の
すべてにおいて一貫した持続的なベネフィットを示す
AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTRv-PN)の患者さんを対象としたEplontersenの第Ⅲ相NEURO-TTRansform試験の良好な結果が、この多様な特性を有する疾患におけるEplontersenのベネフィットをさらに示し、9月28日The Journal of the American Medical Association (JAMA) 1に掲載されたことを発表しました。
Eplontersenは、肝臓のトランスサイレチン(TTR)タンパク質の産生を阻害するリガンド結合アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)です。66週時点で実施した本試験の主要解析の結果は、Eplontersenの投与による臨床的に意義のある広範なベネフィットを示し、複数の主要評価項目および副次評価項目のすべてで改善を認めました1。治験薬投与終了時の解析でも、Eplontersen は85週間にわたり持続的な改善を継続して示しました2。
ペンシルバニア大学医学部の臨床神経学教授およびペンプレスビテリアンメディカルセンター神経科主任であり、NEURO-TTRansform試験の治験責任医師であるSami Khella医師は次のように述べています。「一貫して良好な効果を示した自己投与可能なEplontersenのデータは、この治療薬がATTRv-PN患者さんの治療において重要かつ有用な新薬となる可能性があることを示しています。ATTRv-PNは、治療が行われない場合、最終的に死に至る可能性のある、進行と消耗が深刻な疾患です。今回のJAMA論文は、Eplontersenが血清TTR濃度を有意に低下させ、ニューロパチーの進行を抑制し、患者さんの生活の質全体を改善する可能性があることを示す一連の増加するエビデンスを補強し、この疾患を持つ患者さんのコミュニティに希望を与えるものです」。
アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼バイオファーマ研究開発部門の責任者であるSharon Barrは次のように述べています。「Eplontersenは、幅広い疾患特性を有するATTRv-PN患者さんの、疾患に関連する広範な評価項目で改善を示しました。これらの良好な結果が掲載されたことは、Eplontersenがこの疾患の患者さんにおいて一貫して持続的なベネフィットを提供することができ、すべての病態のトランスサイレチン型アミロイドーシスにおける重要な治療選択肢となる可能性を秘めているという新たなエビデンスとなります」。
第Ⅲ相NEURO-TTRansform試験において、Eplontersenの投与を受けた患者さんは、血清TTR濃度、修正ニューロパチー障害スコア(modified Neuropathy Impairment Score)+7(mNIS+7)、およびNorfolkQOL質問票 - 糖尿病性神経障害(Norfolk QOL-DN)における生活の質(QOL)という3つの主要評価項目で、一貫した持続的なベネフィットを示しました1。
65週時点のベースラインからの血清TTR濃度の変化(最小二乗平均)において、外部プラセボ群の11%の減少に対して、Eplontersen群は82%の減少を達成しました(p<0.001)1。
Eplontersenは、35週時点でmNIS+7およびNorfolk QOL-DNの両方で外部プラセボ群と比較して統計学的に有意なベネフィットを示し、66週時点ではさらなる改善が認められました1,3。Eplontersen群はmNIS+7による測定で疾患進行を抑制し、66週時点でベースラインから25.1ポイント増加した外部プラセボ群に対して、0.3ポイントの増加(最小二乗平均)にとどまりました(最小二乗平均で24.8ポイントの改善、p<0.001)1。全体として、Eplontersen群の47%が、66週時点でベースラインからのニューロパチーの改善を示したのに対し、外部プラセボ群で改善を示したのは17%でした1。試験を完了した患者さんのうち、Eplontersen群の53%が66週時点でベースラインからのニューロパチーの改善を示したのに対し、外部プラセボ群では19%でした1。
また、EplontersenはQOL(Norfolk QOL-DNでの測定)を改善し、Eplontersen 群では66週時点で5.5ポイント(最小二乗平均)の減少(改善)を示したのに対し、外部プラセボ群では14.2ポイントの増加(悪化)が認められました(最小二乗平均で19.7ポイントの改善、p<0.001)1。全体として、Eplontersen投与群の58%が、66週時点でベースラインからのQOLの改善を示したのに対し、外部プラセボ群で改善を示したのは20%でした1。試験を完了した患者さんのうち、Eplontersen投与群の65%が66週時点でベースラインからのQOLの改善を示したのに対し、外部プラセボ群では23%でした1。
Eplontersenは、66週間にわたり外部プラセボ群と比較してすべての副次評価項目でも統計学的に有意な改善を達成し、安全性および忍容性も継続して認められました1,3。治験薬の投与中止に至った特に注目すべき有害事象は認められませんでした1。
治験薬の投与終了時の解析の結果から、Eplontersenは85週間にわたり持続的な改善を示し2,4、ベースラインと比較して血清TTR濃度の持続的な減少、mNIS+7による測定で疾患進行の継続的な抑制、およびNorfolk QOL-DNによる測定でQOLのベースラインからの継続的な改善を示しました2,4。
アストラゼネカとIonis社は、この試験の35週時点および66週時点の解析結果を、いずれも4月の米国神経学会の年次総会において、新興科学分野のプレゼンテーションとして発表しました3。85週時点の治験薬投与終了時の解析の結果は、今後の医学学会で発表する予定です4。
ATTRv-PNは、診断から5年以内に運動障害を伴う末梢神経損傷を引き起こす衰弱の激しい疾患であり、治療が行われない場合、一般的に10年以内に致命的な転帰をたどることが多いと言われています5。
グローバル開発および販売契約の一環として、アストラゼネカおよびIonis社は、ATTRv-PNの治療薬としてEplontersenの販売承認申請を米国の規制当局に提出中であり、欧州およびその他の地域では、規制当局への販売承認申請を計画中です3。この契約は最近合意内容を拡大し、米国以外のその他のすべての国に加え、中南米でアストラゼネカがEplontersenの独占的な販売権を有することを盛り込みました6。3月、米国食品医薬品局はATTRv-PNの治療薬としてEplontersenの新薬承認申請を受理しました3。Eplontersenは、米国において希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を取得しました3。
Eplontersenは現在、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)を適応とする第Ⅲ相CARDIO-TTRansform試験を実施中です。ATTR-CMは、一般的に進行性の心不全に至り、疾患発症から3~5年以内に死亡する確率の高い、全身性かつ進行性の、致死的な疾患です7-9。
※Eplontersenは本邦未承認です。
以上
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トランスサイレチン(TTR)型アミロイドーシスについて
トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)およびポリニューロパチーは、加齢または遺伝子変異による、それぞれ心筋および末梢神経でのTTRタンパク質の異常な折り畳み構造およびアミロイド線維としての蓄積によって引き起こされる進行性全身性疾患です7,8。遺伝型および野生型(非遺伝型)のATTR患者では、いずれの場合でも、TTRタンパク質が末梢神経および心臓、消化器系、眼、腎臓、中枢神経系、甲状腺および骨髄などの組織で線維として蓄積します7,10。TTR線維の存在は、これらの組織の正常な機能を阻害します8。TTRタンパク質の線維が蓄積するにつれ、組織の損傷が増加し、疾患が悪化、生活の質(QOL)が低下し、最終的には死亡に至ります7。世界中で、ATTR-CMの患者さんは30万~50万人、ATTRv-PNの患者さんは約4万人と推定されています7,10。
NEURO-TTRansform試験について
NEURO-TTRansform試験は、ATTRv-PN患者さんにおけるEplontersenの有効性および安全性を評価する国際共同、非盲検、無作為化試験です1,11。本試験では、ステージ1または2のATTRv-PNの成人患者さんを登録し、2017年にIonis社が完了したTEGSEDI®(一般名:inotersen)のNEURO-TTR試験からの外部プラセボ群と比較しました1,11。Eplontersen群と外部プラセボ群の有効性および安全性の比較は、66週目までのデータに基づいたものであり、患者さんが現在も継続中の非盲検継続試験への移行の選択肢を有していた場合、すべての患者さんで85週目まで投与を継続し、追跡調査を行いました1,11。
Eplontersenについて
Elplontersenは、全身性かつ進行性の、致死的な疾患であるATTRのあらゆる種類の病態を治療するために、トランスサイレチン(またはTTRタンパク質)の産生を抑制するよう設計されたリガンド結合アンチセンスオリゴヌクレオチド(LICA)の治験薬です1,10。
アストラゼネカの循環器・腎・代謝(CVRM)領域について
バイオファーマの一部である循環器・腎・代謝(CVRM)は、アストラゼネカの主要治療領域の一つであり、当社にとって重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、肝臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制や防止、さらに最終的には再生治療への道を拓くことで臓器保護をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。また、当社は、CVRM疾患の相互関連への理解を深め、疾患を引き起こす機序を標的とし、より早期に、より効果的な検知、診断、治療を実現することによって、世界の何百万人もの患者さんの転帰を改善し、命を救うことを目指しています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ソーシャルメディア@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
References
1. Coelho T, et al. Eplontersen for Hereditary Transthyretin Amyloidosis With Polyneuropathy. JAMA. Published online 28 September 2023. Available from: https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2810248.
2. Coelho T, et al. Eplontersen for Hereditary Transthyretin Amyloidosis With Polyneuropathy [Supplemental material]. JAMA. Published online 28 September 2023. Available from: https://cdn.jamanetwork.com/ama/content_public/journal/jama/0/joi230110supp2_prod_1695838011.82373.pdf?Expires=1698937283&Signature=2pUFxqrvrdsqFEq9UMbg-9Q392Pb~W9vhOVXdEWIW8AqEl35g-H~Dxmyl1gh85R8iRv6JsX-2YVLKt70y91~BEFC4N7rwhKAKmjdtkQLGpWUyb2N1P3SduE57w2vjHbniRl1aEYS3WbMVaNqZCf3a0kvllqokl9YDh7sVlWUAfG3Bt1e9q-c6HI3RTQuy8mGlO4zhPEKJ4SJmIXiqibxSoskqMFHnWGz1RgbWcSpJldHgnHDg5fBTI-uFJkCinw2wwXElrwpMAF57kTpEGKERe7e1-41MQabtFe7PBcb~t3qQ~LoLCCD3MEBpe7DOjzRwjT9K69VFwagtArYn~6KoA__&Key-Pair-Id=APKAIE5G5CRDK6RD3PGA.
3. AstraZeneca [Internet]. Press release. NEURO-TTRansform Phase III results presented at AAN showed eplontersen demonstrated consistent and sustained improvement in all measures of disease and quality of life through 66 weeks [last accessed 5 Sep 2023]. Available from: https://www.astrazeneca.com/media-centre/press-releases/2023/neuro-ttransform-phase-iii-results-presented-at-aan-showed-eplontersen-demonstrated-consistent-and-sustained-improvement.html.
4. Ionis Pharmaceuticals [Internet]. Press release. Eplontersen continued to demonstrate improvement in ATTRv-PN through 85 weeks [last accessed 5 Sep 2023]. Available from: https://ir.ionispharma.com/news-releases/news-release-details/eplontersen-continued-show-improvement-attrv-pn-through-85-weeks.
5. Cortese A, et al. Diagnostic challenges in hereditary transthyretin amyloidosis with polyneuropathy: avoiding misdiagnosis of a treatable hereditary neuropathy. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2017;88(5):457-458.
6. Ionis Pharmaceuticals [Internet]. Press release. Ionis expands eplontersen agreement with AstraZeneca to include exclusive rights in Latin America [last accessed 5 Sep 2023]. Available from: https://ir.ionispharma.com/news-releases/news-release-details/ionis-expands-eplontersen-agreement-astrazeneca-include.
7. Viney N, et al. Ligand conjugated antisense oligonucleotide for the treatment of transthyretin amyloidosis: preclinical and phase 1 data. ESC Heart Failure. 2020; 8:652-661.
8. Rintell D, et al. Patient and family experience with transthyretin amyloid cardiomyopathy (ATTR-CM) and polyneuropathy (ATTR-PN) amyloidosis: results of two focus groups. Orphanet J Rare Dis. 2021;16:70.
9. Columbia University Irving Medical Center [Internet]. Drug Reduces Death from Underdiagnosed Form of Heart Failure [last accessed 5 Sep 2023]. Available from: https://www.cuimc.columbia.edu/news/drug-reduces-deaths-underdiagnosed-form-heart-failure.
10. Ionis Pharmaceuticals [Internet]. Annual Report, 2022 [last accessed 5 Sep 2023]. Available from: https://ir.ionispharma.com/static-files/db9dff5d-8683-485a-a517-15e264fe7532.
11. Coelho T, et al. Design and Rationale of the Global Phase 3 NEURO-TTRansform Study of Antisense Oligonucleotide AKCEA-TTR-LRx(ION-682884-CS3) in Hereditary Transthyretin-Mediated Amyloid Polyneuropathy. Neurol Ther. 2021 Jun;10(1):375-389.