Beyfortus(ニルセビマブ)、乳幼児のRSウイルスによる下気道疾患の予防薬として米国で承認を取得

本資料はアストラゼネカ英国本社(AstraZeneca PLC)が2023年7月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

生後初回のRSウイルス感染流行期の、幅広い乳幼児に
予防効果を示すよう特別にデザインされた初めての予防薬

Beyfortusの単回投与は、すべての臨床評価項目において、
プラセボと比較してRSウイルス感染症に対して一貫した持続的な有効性を示した

AstraZeneca PLC(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、アストラゼネカとサノフィにて共同で開発・商業化を行うBeyfortus(一般名:ニルセビマブ)が、米国において、呼吸器合胞体(RS)ウイルス感染流行期に出生した、または生後初めてのRSウイルス感染流行期を迎える新生児と乳児、および生後2回目のRSウイルス感染流行期を迎えるRSウイルス感染による重症化リスクの高い24カ月齢までの乳幼児を対象とした、RSウイルスによる下気道疾患(LRTD)の予防薬として承認を取得しましたので、お知らせします。Beyfortusは、2023年~2024年のRSウイルス感染流行期前に米国で販売を開始する予定です。

米国食品医薬品局(FDA)の承認は、抗菌薬諮問委員会(AMDAC)によるBeyfortusの良好なベネフィット・リスクプロファイルに関する全会一致の採決に従ったものであり、また、3つの主要な後期臨床試験にわたるBeyfortusの広範な臨床開発プログラムに基づくものでした。すべての臨床評価項目において、典型的なRSウイルス感染流行期の5ヵ月間にわたり、Beyfortusの単回投与はRSウイルス感染によるLRTDに対する一貫した有効性を示しました1-4

Beyfortusは、健康な正期産児または早産児、あるいはRSウイルス感染による重症化リスクの高い特定の疾患を有する乳幼児を含む広範な乳幼児をRSウイルス感染症から守るために承認された初めての予防薬です。本剤は単回投与であり、生後初めてのRSウイルス感染流行期を迎える乳児、またはRSウイルス感染流行期に出生した新生児に、柔軟に投与することが可能です。

アストラゼネカのワクチンおよび免疫療法担当エグゼクティブバイスプレジデントであるIskra Reicは次のように述べています。「Beyfortusは、米国での幅広い乳幼児のRSウイルスに伴う深刻な呼吸器疾患の予防においてパラダイムシフトを起こす機会を提供しています。Beyfortusの基盤となっているサイエンスは、アストラゼネカが継続的にリーダーシップをもって取り組んできた、もっとも弱い立場にある人々が抱えるニーズに対処するもので、医療制度の負担軽減につながるものです」。

サノフィのワクチン担当エグゼクティブバイスプレジデントであるThomas Triompheは次のように述べています。「RSウイルス感染流行期は、乳幼児およびそのご家族や医療体制に大きな負担をもたらすものでした。米国における今回の承認は、米国の乳幼児の健康を守るまたとない機会を私たちにもたらすものといえます。Beyfortusは、受動免疫を介して生後初のRSウイルス感染症流行シーズンを迎える全ての乳幼児に対して効果的に保護する医薬品として承認された唯一のモノクローナル抗体製剤です。このゲームチェンジャーとなる可能性のある医薬品に注力し、米国のご家庭にBeyfortusをお届けできるようになったことを誇りに感じております」。

米国において、RSウイルスは1歳未満の乳児が入院する主な原因になっており、これはインフルエンザによる年間入院率よりも平均して16倍高くなります5,6。毎年、1歳未満の乳児でRSウイルス感染症に罹患した59万例が、診療所、緊急治療、救急外来受診および入院を含む医療を必要とすると推定されています7

Beyfortusの忍容性は概して良好であり、すべての臨床試験で一貫していました。有害事象の全体的な発現率は、グレード3以上の有害事象は、Beyfortus投与987例中36例(3.6%)、プラセボ投与491例中21例(4.3%)で報告されました。もっとも高頻度で発現した有害事象は発疹および注射部位反応でした1-4

Beyfortusは、RSウイルス感染流行期を初めて迎える新生児および乳児のRSウイルスによるLRTDの予防を適応として、2022年10月に欧州連合で承認されました。現在、中国、日本およびその他のいくつかの国でも規制当局への申請を行い、審査を受けています。

※Beyfortusは本邦未承認です。

以上

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呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)について
RSウイルスは非常に伝染性の高いウイルスであり、乳幼児の深刻な下気道感染(LRTI)の原因であると米国疾病対策予防センター(CDC)は発表しています。RSウイルスの症状には、鼻水、咳、くしゃみ、発熱、食欲減退、喘鳴などがあります8。乳幼児3例中2例が生後1年間にRSウイルスに感染し、ほぼすべての乳幼児が2歳までにRSウイルスに感染します8,9。米国では、RSウイルス感染症は12ヵ月未満の乳児における入院の主な原因となっており、これはインフルエンザによる年間入院率よりも平均して16倍高くなります5,6。2014~2015年に実施された試験では、RSウイルスが原因で入院した乳児の約75%が基礎疾患のない正期産児でした10。米国では毎年、1歳未満の乳児でRSウイルス感染症に罹患した59万例が、診療所、緊急治療、救急外来受診および入院を含む医療を必要とすると推定されています7

Beyfortus(一般名:ニルセビマブ)について
Beyfortusは、アストラゼネカ独自の半減期延長(YTE)技術を利用し、アストラゼネカとサノフィにて共同で開発・商業化する、単回投与で効果を発揮する長時間作用型抗体です。RSウイルス感染流行期に出生した、または生後初めてRSウイルス感染流行期を迎える新生児と乳児、および生後2回目のRSウイルス感染症流行期を迎える、RSウイルス感染症による重症化リスクの高い生後24カ月齢までの乳幼児に対して効果を発揮する予防薬としてデザインされています。Beyfortusは、新生児や乳児に抗体を単回で直接投与することで、免疫系の活性化を必要とせずにRSウイルスによるLRTDを迅速に予防します。Beyfortusは、RSウイルス感染流行期開始にタイミングを合わせて投与することができます11

Beyfortusは、世界中のいくつかの主要な規制当局により、迅速に開発を行うための指定を受けています。これには、中国国家薬品監督管理局の医薬品審査センターの画期的治療薬指定および優先審査指定、米国食品医薬品局の画期的治療薬指定、欧州医薬品庁(EMA)のPRIority MEdicines(PRIME)指定が含まれます。日本においては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が「小児領域における新薬開発促進のための医薬品選定等に関する研究」において、Beyfortusを「優先的に開発すべき医薬品」としています。

主要な臨床試験
第IIb相試験は、投与後150日間の診療を要した(MA)下気道感染(LRTI)に対するBeyfortusの有効性を検討するためにデザインされた無作為化プラセボ対照試験です。在胎期間29週以上35週未満の健康な早産児を体重にかかわらず、Beyfortusの筋肉内注射による50 mg単回与投与群またはプラセボ投与群に2:1の割合で無作為に割り付けました。

Beyfortusの投与レジメンは、第IIb相試験データを検討した結果に基づいて決定され、その後の試験では、体重5kg未満の患者に対しては50mgの単回投与、体重5kg以上の患者に対しては100mgの単回投与の投与レジメンが使用されました3,12

第III相MELODY試験は、RSウイルス感染流行期を初めて迎えた健康な正期産児および後期早産児(在胎35週以上)を対象とし、投与後150日間、プラセボとの比較で受診を要したRSウイルスによるLRTIに対するBeyfortusの有効性を評価するためにデザインされ、21カ国で実施された無作為化プラセボ対照二重盲検試験です1,2,12

第II/III相MEDLEY試験は、無作為化シナジス対照二重盲検試験で、シナジスの投与対象となる在胎期間35週未満の早産児、先天性心疾患または未熟児慢性肺疾患を有する乳幼児を対象に、Beyfortusの安全性、忍容性を評価することを主な目的としています4,12。2019年7月から2021年5月までの間、生後初めてRSウイルス感染流行期を迎える合計925例の乳児を、Beyfortus投与群またはシナジス投与群に無作為に割り付けました。安全性は、投与後360日まで有害事象の発生をモニタリングすることによって評価しました。この試験における投与後(151日目)のBeyfortusの血清中濃度は、第III相MELODY試験で観察された値と同様であり、この集団における予防効果が健康な正期産児および後期早産児と同様である可能性が高いことを示しています。データは、2022年3月、New England Journal of Medicine (NEJM)誌に掲載されました4,12

Beyfortusの安全性プロファイルは、第II/III相MEDLEY試験におけるシナジスと同様であり、MELODY試験および第IIb相試験で検討された健康な正期産児および早産児における安全性プロファイルと一致していました。また、もっとも多く報告された副反応は、投与後14日以内の発疹(大半は軽度から中等度)、および投与後7日以内の非重篤な注射部位反応でした1,2,4,12

MELODY試験、第II/III相MEDLEY試験および第IIb相試験の結果から、Beyfortusの単回投与は、初めてRSウイルス感染流行期を経験する乳幼児のRSウイルスによる疾患予防に有効であることが示されています。この広範な乳幼児集団には、健康な正期産児、後期早産児および早産児のほか、RSウイルス感染症の重症化リスクの高い特定の疾患を有する乳幼児が含まれます1-4,12

これらの試験の結果をもとに、規制当局への申請を2022年に開始しました。

第III相MELODY試験の結果
第III相MELODY試験では主要評価項目を達成し、細気管支炎や肺炎など、受診を要したRSウイルスによるLRTIの発現率が、プラセボと比較して74.9%低下しました(95%信頼区間[CI]:50.6, 87.3;p<0.001)1,2。観察されたイベントは、Beyfortus投与群で1.2%、プラセボ群で5%に発現しました。副次的評価項目である入院に対するBeyfortusの有効性は、60.2%(95% CI:14.6, 86.2)でした。観察されたイベントは、Beyfortus投与群で0.6%、プラセボ群で1.6%に発現しました。2019年7月から2020年3月までの期間に、1,490例の乳幼児をRSウイルス感染症流行期の当初にBeyfortus群またはプラセボ群に無作為に割り付けました。MELODY試験のPrimaryコホートから得られた初期のデータは、2022年3月にNEJM誌に掲載されました12

第IIb相試験の結果
第IIb相試験では主要評価項目を達成し、受診を要したRSウイルスによるLRTIの発現率が、プラセボと比較して70.1%低下しました(95% CI:52.3, 81.2)。観察されたイベントは、Beyfortus投与群で2.6%、プラセボ群で9.5%に発現しました。2016年11月から2017年12月までの期間に、1,453例の乳幼児をRSウイルス感染症流行期の当初にBeyfortus群またはプラセボ群に無作為に割り付けました(Beyfortus群:n=969、プラセボ群: n=484)。試験は、北半球と南半球の23カ国における164の医療機関でアストラゼネカが実施しました。データは、2020年7月、NEJM誌に掲載されました3,12

事前に規定した副次的評価項目において、プラセボ群と比較して入院を伴う受診を要したRSウイルスによるLRTIがBeyfortus投与群で78.4%低下しました(95% CI:51.9、90.3)。観察されたイベントは、Beyfortus投与群で0.8%、プラセボ群で4.1%に発現しました3,12。5kg未満の乳児のサブグループにおける推奨用量50mgを適用した第IIb相試験の事後解析では、受診を要したRSウイルスによるLRTIおよび入院を伴う受診を要したRSウイルスによるLRTIに対するBeyfortusの有効性は、それぞれ86.2%(95% CI:68.0, 94.0)および86.5%(95% CI:53.5, 96.1)であり、Beyfortusの有効性が示されました12

サノフィとの提携
2017年3月、アストラゼネカとサノフィはニルセビマブの開発および商業化に関する契約締結を発表しました。本契約に基づき、アストラゼネカは開発業務と製造を主導し、サノフィは商業化活動を主導し、収益を計上します。両社は米国を除くすべての地域でコストと利益を折半します。本契約による収益は、当社の財務諸表において提携関連収益およびコラボレーション関連収益として報告されています。アストラゼネカ、サノフィおよびスウェーデンのオーファン・バイオビトラムAB(上場企業)(略称:Sobi)間の、米国におけるニルセビマブの開発および商業化に関連する利益配分契約の改訂を受け、2018年11月に締結したアストラゼネカが参加する以前の契約にかえて、Sobiがサノフィと直接の提携関係を結びました。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業であり、主にオンコロジー領域、希少疾患領域、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマ領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttps://www.astrazeneca.comまたは、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
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https://www.cdc.gov/vaccines/vac-gen/immunity-types.htm. Accessed July 2023.
12. US FDA. Beyfortus (nirsevimab-alip) Prescribing Information.

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